
基礎知識
ラジエントヒーターの特徴
公開日:2019年01月25日
ラジエントヒーターとは

ラジエントヒーターとは、プレートの下に埋め込んだリボン状の金属発熱体を赤熱させることで遠赤外線を放射させ、加熱する仕組みの調理器具のことです。発熱までに時間がかかっていた従来の電気コンロを改良したもので、3口以上のIHクッキングヒーターのうちに1口に搭載されている商品が多く出ています。
IHと同じく炎は出ませんが、プレート自体が発熱するため、使える鍋の種類に制限がありません。ヒーター部分は発熱すると赤くなり、使用中であることが一目で分かります。エネルギー効率はIHに劣るものの、IHでは難しい調理も可能なため、IHと上手に組み合わせてラジエントヒーターが搭載された機器を使うことで調理の幅が広がり、効率も良くなります。安全性が高い上、遠赤外線により備長炭効果が得られます。
ラジエントヒーターのメリット
おいしく調理ができる
外から熱を加えるのではなく、遠赤外線の効果によって食べ物を中から温めますので、酸化によって焦げたり栄養素が失われたりせず、美味しい料理ができます。
電気代がお得
プレート自体が発熱するため、スイッチを切っても余熱が残ります。余熱を調理に利用することで電気代を節約できます。
電磁波が少ない
電磁波の放出量は4ミリガウス以下と国際安全基準をクリアしており、人体への影響を心配せずに使うことができます。
火災の心配が少ない
高出力ですが炎が出ないため、引火などによる火災のリスクを大幅に軽減できます。もちろんガス漏れの心配もありません。
空気がクリーン
炎が出ないため水蒸気や上昇気流の発生が少なく、温度や湿度が高くなりすぎることがありません。油煙も少なく、空気をクリーンに保てます。
お鍋や調理方法の制限がない
IHのように使用できる鍋の制限が少なく、底が平らであればアルミや土鍋も使えます。またIHでは難しい炙り、網焼きといった調理も可能です。
ラジエントヒーターのデメリット
火傷の危険がある
IHクッキングヒーターと同じく火は出ませんが、内部のヒーターが発熱するためプレート部分も熱くなります。また余熱があり、うっかり触ってしまうと火傷をする危険があります。
お湯が沸くのに時間がかかる
鍋自体が発熱するIHに比べると、耐熱ガラスの下から間接的に加熱するラジエントヒーターの熱効率は落ちます。熱源と鍋との間に空気層ができるためで、特にお湯を沸かすなどの調理はIHよりも時間がかかります。
ヒーター周辺の温度が上がる
ヒーターから伝わってきた熱でトッププレートも熱くなり、周辺の温度も高くなります。調理後の余熱も残るため、冬は長所となる場合もありますが、夏は冷房効率が悪くなります。
汚れがこびりつきやすい
IHクッキングヒーターは、発熱する鍋を離せばプレート部分に残った熱が速やかに下がるため、調理後すぐに拭いて綺麗に保つことができます。一方ラジエントヒーターは調理後しばらく余熱が残り、掃除ができません。熱によって汚れがこびりつきやすいのが欠点です。
こんな方にはラジエントヒーターがおすすめ
IHクッキングヒーターにもラジエントヒーターにもそれぞれメリット・デメリットがあり、結局どちらがよいのか迷ってしまう人も多いようです。特に使い勝手に関しては、使う人の好みが大きく影響します。できるだけ失敗しないように選択するには、「何を重視するか」を明確にすることが大切です。
高いのはイヤ
ラジエントヒーターはIHクッキングヒーターよりも安価ですので、ラジエントヒーターが搭載された機器を選ぶことで本体価格を抑えることができ、導入コストを下げることができます。ラジエントヒーターをつけるかどうかで悩む人が多いですが、初期費用を少しでも抑えたいならつけると良いでしょう。
お気に入りの鍋を手放したくない
IHクッキングヒーターではアルミ鍋や土鍋などが使えませんが、ラジエントヒーターならほとんどの鍋が使えます。お気に入りの鍋を手放したくない場合は、使える鍋を選ばないラジエントヒーター搭載の機器をおすすめします。
網で焼いたり、炙ったりしたい
IHクッキングヒーターは炎が出ないため、炙る、網で焼く、といった調理ができませんが、ラジエントヒーターなら専用の網を使うことで、海苔を炙ったり網で餅を焼いたりすることができます。
電磁波の問題はやっぱり気になる
IHクッキングヒーターから発生する電磁波は、健康を害するようなものではありません。他の電化製品と同じレベルと言われています。ただ、それでも電磁波の問題が気になる人もいるでしょう。こういった場合には、ラジエントヒーターを選ぶことで不安要素をひとつ取り除くことができます。