
基礎知識
電気ストーブの種類一覧と特徴
公開日:2019年01月30日

電気ストーブとは、電気を通すことで熱源となるヒーターを加熱し、部屋を暖めるストーブのことです。ヒーターの種類にはカーボンやハロゲンランプ、ニクロム線など様々あります。熱源の種類によって熱の放出量などが異なりますが、電気で加熱するという点は共通しています。
酸素を燃焼しない方法ですので部屋の空気をクリーンに保てます。また軽量で持ち運びやすいタイプが多く、コンセントがある場所ならどこでも使える手軽さが魅力です。
電気ストーブのタイプ
電気ストーブと呼ばれる暖房器具にはいろいろな種類がありますが、おおまかには「輻射式」と「対流式(温風式)」に分かれます。これは暖め方の違いによる分類です。
輻射式電気ストーブ
輻射式電気ストーブとは、温度差から生じる空気の対流によって部屋をじんわりと暖めるタイプです。強制的に対流を起こすのではなく、自然に生じる対流を利用することから、自然対流式とも呼ばれます。
赤外線ヒーターやオイルヒーターなどが輻射式の電気ストーブです。静かにゆっくりと暖まるため、ホコリなどが立たず、不快な音も立てないなど快適性は高いですが、暖まるまでに時間がかかります。
対流式(温風式)電気ストーブ
対流式(温風式)ストーブとは、強制的に温風で空気の対流を起こして部屋を暖める電気ストーブのことです。ファンヒーターがこのタイプになります。
ヒーターからの熱をファンで送り出し、直接空気を暖めます。暖まった空気は軽くなって上へと移動し、下にある冷たい空気を温風で暖める、ということを繰り返します。
人工的に対流を発生するため比較的早く暖まりますが、温風によってホコリなどが舞い上がりやすいところが欠点です。また温風が直接当たることが不快に感じる人には向いていません。
電気ストーブの種類

電気ストーブにはさまざまな種類があります。暖める仕組みが違うもの、形状が違うもの、仕組みが一緒でも呼び方が違うものなど、正確に区別するのが難しいことも多いようです。そこで中でもよく知られているタイプのストーブをいくつか挙げ、それぞれの特徴をご紹介します。
遠赤外線ヒーター
遠赤外線ヒーターとは、電気を通すことで発熱体を発熱させ、赤外線を放射することで周囲を暖めるタイプの暖房器具です。発熱体であるヒーターの種類によって放射する遠赤外線の量が異なり、様々な種類のヒーターがあります。赤外線が届く範囲は暖かいですが、離れると暖かさを感じることは難しく、部屋全体を暖めるのには向きません。
石英官ヒーター
石英管ヒーターとは、ニクロム線を石英管ガラスで被覆し、電気を通して発熱させる遠赤外線ヒーターです。電気を通すとすぐにヒーターがオレンジ色になって発熱します。一般家庭でよく使われているお馴染みの電気ストーブです。
ニクロム線が直接空気に触れるため、寿命は5年程度と比較的短め。値段が手頃な点は魅力ですが、衝撃に弱いため、転倒などによって管が割れることがあり注意が必要です。速暖性がありますが、遠赤外線が届く範囲以外は暖まりにくく、トイレや脱衣所などに向いています。
シーズヒーター
シーズヒーターとは、ニクロム線を絶縁体で包み、さらに金属パイプの中に入れている構造の遠赤外線ヒーターです。電気を通すと絶縁体が熱を伝え、遠赤外線を放射します。
ニクロム線が直接空気に触れないよう金属パイプで包まれているため、水や衝撃に強く、寿命が長いのが特徴です。暖まるまでにやや時間がかかりますが、安全性が高く体の芯まで暖まります。子供部屋や寝室の設置に適した電気ストーブです。金属管にコーティングされている素材によって呼び方が変わり、メタルヒーター、ステンレスヒーターなどいくつか種類があります。
ハロゲンヒーター
ハロゲンヒーターとは、発熱体にハロゲンランプを使用している暖房機器で、遠赤外線ヒーターの一種です。電気を通すと内蔵されたハロゲンランプが赤外線を放熱して暖めます。スイッチを入れるとすぐに発熱するため、すぐに暖をとりたいときに便利です。
しかし遠赤外線よりも近赤外線が多いため、暖かさを感じにくく、部屋全体を暖めるにもパワー不足で不向きです。そのため脱衣場や台所など、スポット的な使用に適しています。またランプ部分にホコリなどが付着すると発火の恐れがある点に注意が必要です。
カーボンヒーター
カーボンヒーターとは、発熱体に植物性炭素繊維を使用している遠赤外線ヒーターです。電気を通すとヒーターが発熱し、炭素繊維から赤外線が放射されます。
炭素繊維から放出される遠赤外線の量が多く、少ない消費電力で暖められるのが大きな特徴です。ハロゲンヒーターと比較すると、おおよそ半分の電力で同等の暖房効果が得られると言われています。持ち運びやすい軽量タイプが多く、手軽に使える便利さも利点です。
部屋に一人でいるときなどにそばにあると、最小限の出力でも充分暖まります。またトイレなどの限られたスペースを暖めるのも得意です。
セラミックヒーター
セラミックヒーターとは、発熱体にセラミックを使用している暖房機器です。電気でセラミック自体を発熱させるものもあれば、別の発熱体をセラミックで包み、セラミックから放射する遠赤外線で暖めるものもあります。
セラミックから放射される遠赤外線だけを暖房に利用するタイプと、ファンをつけることで空気を対流させ、暖房効率を高めるファンヒータータイプがあります。一般的にセラミックヒーターといえば、温風が出るファンヒーターを指すことが多いようです。
スイッチを入れるとすぐに温風が出ますが、消費電力が多く、広範囲を暖めるには不向きです。狭い部屋や脱衣所などでの使用に向いています。
オイルヒーター
オイルヒーターとは、機器内部に密閉された難燃性のオイルを電気で暖めて循環させ、放熱板からの放熱で暖める暖房器具のことです。
オイルを燃焼させるわけではなく輻射熱を利用するため、オイルを補充する必要はなく、空気も汚しません。ファンを使わないため、音が静かでホコリがたたないところもメリットの一つです。CO2の排出がないことや、火傷するほどの高温にはならないことなどから安全性が高く、子供や高齢者でも安心して使うことができます。
立ち上がりは遅いものの、じんわりと部屋を暖めるため、リビングや寝室、子供部屋などに適しています。
パネルヒーター
パネルヒーターとは、パネル内の水やオイルを電気で暖め、その熱を拡散させることで部屋を暖める仕組みの暖房器具です。安全性が高く、省スペース。コンセントさえあればどこでも使える手軽さはありますが、暖房効率はあまり高くなく、立ち上がりに時間がかかります。
遠赤外線パネルヒーター
遠赤外線パネルヒーターとは、赤外線放射による熱によって部屋を暖めるタイプのパネルヒーターです。遠赤外線の放射エネルギーを利用することにより、少ない電力で暖かさを感じることができます。遠赤外線は壁や家具にも吸収され、そこからの輻射熱によって部屋全体を暖めることができます。
電気パネルヒーター
電気パネルヒーターとは、吸い込んだ空気をヒーターで加熱し、輻射熱と自然対流によって部屋を暖めるタイプのパネルヒーターです。タイマーや温度調整など、便利な機能が付いているものが多く、高い安全性、高寿命、メンテナンスがほぼ不要、などのメリットがあります。
オイルパネルヒーター
オイルパネルヒーターとは、ヒーターの内部にある貯油槽に入れたオイルを温めることによって、部屋を暖めるタイプのパネルヒーターです。保温効果、輻射効果を利用します。配管設備などの工事が必要なく、電源配線だけで簡単に設置できるのが魅力です。
温水パネルヒーター
温水パネルヒーターとは、パネルヒーターの内部に温水を循環させ、パネルから発する輻射熱と自然対流によって部屋を暖めるタイプのパネルヒーターです。温度ムラがなく、部屋全体を均一に暖められるのが特徴です。電気ボイラーの温水を利用するタイプ、ヒートポンプ温水器の温水を使うタイプなどがあります。