バリアフリーリフォームのノウハウ

リフォームポイント

バリアフリーリフォームの5つの注意点

バリアフリー住宅

バリアフリーリフォームを検討するにあたり、高齢者や障害者にとって何が必要なのかを考えるのはもちろんですが、それ以外にも注意すべき点はいくつかあります。特にバリアフリーの場合、使う人や環境によって良し悪しが大きく変化するため、完璧なリフォームは難しいとも言われています。

見落としている点がないか家族や専門家とよく話し合い、ひとつひとつを慎重に確認していきましょう。

1.家族全員が使いやすい住まいを考える

バリアフリーリフォームは、主に障害者や高齢者が安全に暮らせるようにするための改修ですが、その改修によって健常者が不便になるようでは意味がありません。たとえば、手すりを取り付けることによってお年寄りは便利になっても、子供が頭をぶつけやすくなったり、ドアが開けにくくなったりするようなら取り付けないほうが良いでしょう。

また、後付けできる階段昇降機などの設備で、設置することでほかの人が不便になることがあるばかりか、高齢者や障害者でさえも、実はほとんど使わない設備であることもあります。

高齢者、障害者を含めた家族全員にとって安全で便利な家づくりをすることが最も重要となります。それを実現するためには、家族全員で充分に話し合いを持つことが大切です。

2.将来のことも視野に入れたリフォームを計画する

リフォームを検討する際、どうしても「今必要なもの」にばかり目が行きがちですが、バリアフリーリフォームの場合は特に「将来さらにリフォームが必要になるかもしれない」という点に配慮する必要があります。

高齢者の場合、年齢を重ねるとともに必要な介護の度合いは大きくなるのが一般的です。現在はかろうじて自力で歩けていても、10年後には介護無しでは歩けない可能性も充分に考えられます。

バリアフリーリフォームでは、現時点で必要な設備の設置と同時に、将来必要になった時にすぐ設備を追加できるような準備も大切です。また、介護サービスなどの利用をするかどうかによっても必要な設備が変わってきます。そのため、状況に合わせて柔軟に対応できるよう長期的な計画を立てるようにしましょう。

3.原状回復が必要になる可能性があることも考慮する

時間と費用をかけて大掛かりなバリアフリーリフォームを行っても、介護の必要がなくなるなど、状況が変化して設備が不要になることもあります。

大掛かりな改修であればあるほど原状回復にかかる費用も時間も大きくなるため、元に戻す可能性がある場合には、施工方法にも注意しましょう。

4.介護保険の制度を受けるために、ケアマネージャーなどの専門家に相談する

バリアフリーリフォームを行う場合、介護保険の補助金制度を利用することができます。ただし補助金を受けるには、市区町村への申し込みと、「要支援」「要介護」の認定が必要です。

リフォームを行う場合、介護保険の助成金が受けられるのかどうか、給付対象となる工事の内容かなども含め、ケアマネージャーなどの介護支援専門員へ相談しながら進めていく必要があります。どの程度の介護が必要で、そのためにどのような工事をしたほうが介護する人にとってもされる人にとっても最善なのか、専門家にアドバイスを受けるようにしましょう。

助成金を受けるにあたって必要になる「住宅改修理由書」の作成は、介護支援専門員などの有資格者に限られています。

5.費用と機能、デザインのバランスも大切

リフォームは多額の費用を投じて機能を多くすれば良いというものではありません。機能が多くても、それを使いこなせなければ無駄になるだけです。状況に応じて徐々にリフォームすれば費用負担を分散できる上、必要な設備だけを効率よく整えることができます。

また、気持ち良く使い続けるためには使いやすい形状、見栄えの良さなども大切です。費用と機能、デザインのバランスが取れたリフォームを行いましょう。