玄関リフォームのノウハウ

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玄関ドア(基礎知識編)

玄関ドアは、道行く人からも見えるものであるため「住まいの顔」とも言えます。玄関ドアの基礎知識として、素材や機能をもったドアを紹介します。

玄関ドアの素材

ドアの主な素材として金属製と木製のドアがあります。ここでは、それぞれの特徴をご紹介します。

金属ドア

金属製ドアの材質には、アルミ形材、コート鋼板、ステンレスがあります。

アルミ形材 アルミ形材は耐久性に優れ、デザインのバリエーションも豊富です。一般的に多く使用されています。
コート鋼板 コート鋼板は、ビルなどでよく見られますが、家庭用となる場合は表面の処理が異なり、価格も手ごろながら綺麗な仕上がりなのが特徴です。鋼板に塩化ビニールでコーティングすることにより耐久性を高めています。
ステンレス 腐食に強いステンレスは光沢があり、都会的でスタイリッシュな家の雰囲気によく合う材質です。デザインは、光沢を活かしたものや光沢を抑えたマットなものなど様々です。

木製ドア

木製ドアは、自然の風合いや温かみを演出できるのが特徴です。耐水性や耐摩擦性に優れ、結露もしにくいというメリットがあります。また、重厚感があり日本の家屋に合わせやすことから根強い人気があります。

玄関ドアの開閉タイプ

玄関ドアの開閉方法には、主に開き戸と引き戸があります。多く採用されているのは開き戸ですが、近年バリアフリーを意識した住宅を中心に引き戸も増えてきています。それぞれの特徴を把握し、使い勝手のよい開閉方法を選択することが大切です。

開き戸の特徴

開き戸とは、手前や奥に開閉するタイプのドアで、玄関の場合は片開きが一般的です。
気密性、断熱性に優れ、さらにレールが不要なため安価で設置できるというメリットがあります。またデザインも豊富なため、洋風やモダン、和風、どんな住まいにも合わせやすいというのが特徴です。

開閉方法は、片開きの他に両開き戸、袖付き開き戸、親子ドアなどがあります。
両開き戸は、広い間口が必要ですが高級感を出したいときに適しており、袖付き開き戸はドアの袖部分に採光を取り入れたり、郵便受けを設けたりすることができます。

親子ドアは、普段開けないドアも必要に応じて開閉することができるため、大きな荷物などの出し入れの時便利になります。しかし、開き戸はドアを開けた状態を保つ事が難しいため、ドアストッパーなどを用意する必要があります。

引き戸の特徴

引き戸とは、横にスライドさせて開けるタイプのドアで、引き違い扉や、片開き扉が主流です。
開閉部分の面積が不要ですので、玄関から道路までの距離が短い住まいや、玄関に広さがとれない住まいに適しています。
ストッパーがなくてもドアを開け放したままにできるため、車椅子の人や高齢者でも出入りが楽になります。また開口部が広くとれることで、大きな荷物の出し入れがスムーズにできることもメリットです。

引き戸といえば、和風の住まいにしか合わないイメージがあるかもしれませんが、最近は洋風やモダン建築に合うデザインのものもありますので、デザインから引き戸を選べないということはありません。

開き戸と比べると断熱性や気密性が劣ることや、コストがかかるのがデメリットです。

高性能なドア

玄関ドアには熱を遮断し気密性を高めたドアや、音を防いでくれるドア、風を通すことができるドアなど、さまざまな機能をもったドアがあります。優れた機能を取り入れる事で、快適で過ごしやすい家になります。ここでは、高性能なドアをいくつかご紹介します。

断熱性・気密性

断熱性があるドアは、扉の部分に断熱材を使っているほか、枠にも樹脂や気密材を使って断熱性を高めています。そうすることで扉の本体部分や、扉と枠の隙間からによる空気の侵入、流出を防いでいます。夏は涼しく、冬は暖かい快適な住まい環境にするためには部屋の中だけでなく、家全体の断熱性を高める必要があります。

断熱性、気密性といえば、ある程度厚みのある開き戸タイプが主流ですが、最近は引き戸の高性能ドアも多く、デザインなどの種類も豊富なため、引き戸も人気がでてきています。

遮音性

室外と接している玄関ドアは、音が漏れやすいという弱点があります。交通量が多い立地や繁華街の近く、静かな立地でも音は気になります。遮音性が高い玄関ドアに交換することで、室外から入ってくる音や、室内から漏れる音を軽減できます。

採光性・通風性

玄関ドアにガラスがはめ込まれていたり、小窓がついていたりするドアは採光性や通風性が優れています。
ただし、防犯性能が高い鍵にするなどの対策が必要です。通風性についてもお住まいの地域の気候などを考慮しましょう。

防犯性

玄関ドアの防犯性能は、鍵によって高めることができます。防犯性の高い鍵としてピッキングされにくい防犯錠を選ぶほか、ひとつのドアに2つの鍵を付ける方法があります。

サムターン回し防止のためにサムターンが脱着できるタイプ、ICキーで解錠するタイプなど、防犯の工夫がされた鍵をドアに取り付ける事ができます。