
リフォームポイント
玄関ドアの選び方
公開日:2015年07月23日
デザイン性から選ぶ
玄関ドアのデザインはバリエーションが豊富で選ぶのも楽しくなります。玄関ドア1つで住まいの印象は大きく変わりますので、玄関ドア選びは慎重に行いましょう。
家全体と色のバランス
玄関ドアは、カタログだけを見て気に入ったものを選ぶべきではありません。
極端な話、純和風の家にカラフルな西洋風の玄関ドアを合わせてもバランスが悪く、全体が無粋な雰囲気になってしまいます。
さまざまな色の系統を取り入れてもちぐはぐな印象となります。洋服でもコーディネートやバランスが重要なのと同じように、玄関ドアも家全体のバランスや色を考えて選ぶことが大切です。
選ぶ際のポイントとしては家全体に使う色の数を減らすことです。基本的には2~3色に抑えておき、最大でも4色までにしましょう。外観と同系色にすることで家全体に統一感が出ます。アクセントをつけたい場合は、ワンポイントとなる同系色をもってくることでドアが引き立ちます。
シンプルな明るい外観で統一してある場合、外壁と馴染むような木調のドアなど、素材感でアクセントをつけてみてもいいでしょう。
家のかたちに合わせる

色だけでなく、家のかたちに合わせることも重要です。
例えば、外壁や窓から全体に格子状の印象を受ける家なのに、玄関ドアだけが細かいドット柄のようなデザインでは統一感がないばかりか、賑やかすぎて落ち着きがありません。
その場合は、同じように玄関ドアにも四角い模様をあしらったデザインを選ぶといいでしょう。
横を基調とした窓などには横スリットのドアを選ぶと、安定感のある家の印象に、縦を基調とした家には縦のデザインドアを合わせる事で、スッキリとした印象の家になります。
シンプルな飽きのこないものを選ぶ
玄関ドアは、飽きたからといってすぐに取り替えるものではなく、通常は何十年と使うものです。
飽きのこないものを選択するには、シンプルで自然と家に馴染む木目調やナチュラルな色合いの金属製など、素材に注目するといいでしょう。
機能性から選ぶ
高気密で高断熱の住宅が主流になっている現在、玄関ドアにも機能性を兼ね備えたものから選ぶことも大事です。
断熱性が高いドア
室内の温度はドアや窓から影響を大きく受けています。夏は外の温度で室内の温度を上げ、冬は暖かい室内の熱量の40%が外へと逃げてしまいます。そこで、断熱材が入った玄関ドアを選ぶ事で、室内と室外の伝熱を抑えることができ、冷暖房の効率も高まるという利点があります。さらに結露もしにくく、カビなどの防止につながります。
遮音性に優れたドア
人通りの多い道路や車道に面している家では、騒音を防ぐために遮音性に優れたドアを取りつけることを検討しましょう。また、小さな子どものいる家庭などでは、室内の音が外に漏れているのではないかと気になる方も多くみられます。
一般的に、街頭騒音や幹線道路にある交差点の騒音レベルは60~80dBとされていますが、遮音性の高いドアならば、これを40dBにまで下げることが可能です。40dBは静かな住宅内や公園の騒音レベルで、日常生活に理想的な静寂環境と言えます。
最近ではドアの開閉をゆっくりと静かに行えるようにドアクローザーを装備しているドアもあります。閉まる際の衝撃音を抑えることで、近所トラブルも回避できます。
防犯面から選ぶ
玄関ドアは、防犯面から選ぶことが大変重要です。玄関ドアの第一の役割は防犯ですので、その機能を無視することはできません。
そこで防犯面から玄関ドアを選ぶ際に気を付けるポイントを3つ抑えておきましょう。
二重にする
空き巣や泥棒は、容易に侵入しやすい家を狙いますので、鍵が2つある家は大抵敬遠します。たとえピッキングが容易な鍵であっても、鍵が2つあればそれだけ侵入に時間がかかりますので、二重ロックにするだけでも充分にセキュリティ対策となり、安全性も向上します。
ピッキングされにくい鍵の種類を選ぶ
鍵にはいくつも種類があり、比較的ピッキングが容易にできる単純な構造なものと、非常に時間がかかる複雑な構造なものがあります。上記でも述べたように、ピッキングに時間がかかる鍵などは空き巣や泥棒は避けることが多いため、防犯性能の高い鍵の種類を選ぶことが重要です。
鍵穴があるタイプは、ディンプルキーなどが強いといわれています。また、鍵穴がない最新のシステム、カードキーやリモコンで施錠できるものなども検討してみましょう。
サムターンを採用する
サムターン回しを防ぐ鍵も防犯面では有効です。
通常、外から開閉するには鍵が必要ですが、室内から開閉する時はツマミを回すだけです。このツマミのことをサムターンといいます。
空き巣はピッキングなどの方法で外からこのサムターンを回して鍵を開けます。そこで、このサムターンを取り外しできるタイプにしてしまい、物理的にピッキングを不可能にしたのがサムターン回し防止用のシリンダー錠です。
ワンタッチで脱着可能なサムターンを採用したものがあります。就寝時や外出時にサムターンを外しておけば、ピッキングなどでサムターンを回して侵入される心配はありません。
使い勝手から選ぶ
玄関ドアは、外から見えるものだけに、見た目重視でデザインだけで決めてしまう人も多いと思いますが、毎日、何度となく開け閉めする玄関ドアですので、使い勝手を重視して選びたいものです。
開けやすく、閉めやすいドア
例えば両手に荷物を持っている時に、玄関のカギを取り出して鍵穴に差し込むためには一旦荷物を足元に置かなければなりません。雨の日などは、なるべくは避けたいところです。
しかし、最近の玄関ドアは鍵の種類によっては、ワンタッチやリモコンで解錠できる機能や、近づくだけで解錠できるものもあります。荷物が多くてもカギを取り出す必要がないため、出入りがスムーズにできるようになります。
また、他にもドアの大きさや重さ、ドアハンドルの握りやすさなども選ぶときのポイントとして注目しましょう。住んでいる人が開けやすく、閉めやすいドアを選ぶ事も重要です。
バリアフリーなど安全面に配慮したドア
玄関ドアは、それほど頻繁に交換するものではありませんので、10年先や20年先のことも考えることが大切です。子供が産まれたり、年老いた両親と同居したりする可能性も考えるなら、ベビーカーや車椅子でも出入りできるように、開口部の広さにも配慮が必要です。広さに余裕があることで、大きな荷物なども簡単に出し入れが出来るなど様々なシーンにも対応ができます。
玄関ドアは建具の中でも比較的重いものですので指挟みの危険もあります。勢い良く閉まらないように開閉時の衝撃を抑える機能がついたドアを選びましょう。
お年寄りや小さなお子さんがいるご家庭では、少ない力で開け閉めができる使いやすいハンドルを選ぶと良いでしょう。縦長のバーがハンドルになっているタイプなら、背の低いお子さんでも開けやすく、ドアノブを回して開けるタイプよりも軽い力で開けることができます。
このように将来や家族のことも配慮し安全性の高いドアを選ぶことで、玄関ドアの使い勝手は良くなります。