
基礎知識
塀・フェンスの種類や形状とメンテナンス方法
公開日:2019年05月15日
塀・フェンスの役割とは

塀・フェンスの役割は主に境界線の明示、プライバシーの保護(目隠し)、防犯、外観の4つです。
道路との境界線の明示や隣家との境をはっきりさせることで、トラブル防止や、不法な侵入を防ぐ事ができます。また、外から家の中が丸見えでは落ち着きませんが、塀やフェンスによって外部からの視線を遮断することで、プライバシーを確保することができます。建物自体や庭まわりとコーディネートすることで、住まいのデザイン性を向上させる効果もあります。
塀とフェンスの基本スタイル
塀とフェンスの形にはいくつかスタイルがあります。その基本スタイルが以下になります。
・目隠しフェンス
・ハードウォール
・生垣
・ブロック積+フェンス
・ウォール+フェンス
家のデザインを考慮しながら、プライバシー保護の目隠しのためか、または、境界線の明示のためか、目的をはっきりとさせ、スタイルを選びましょう。
塀の種類
次に塀の種類をご紹介します。ブロックやレンガ以外にも種類があります。
ブロック
ブロック塀とは、コンクリートブロックを組積してつくられた塀のことであり、防火性、耐久性に優れていること、施工がしやすいことが特徴です。
主に、表面に色や模様が施された化粧ブロックが多く使われています。アルミフェンスとの相性が良く、組み合わせることでさまざまなデザインを演出することができます。また、高さは2.2m以下と決められています。
レンガ
レンガは吸湿性に優れているため、暑い夏には周囲の温度を下げる働きがあることが特徴です。
素朴で温かみがある風合いが緑とよく調和し、色や形、大きさの種類も豊富です。デザインの自由度が高く、曲線やらせんなど、自由に設計ができることもレンガの良さです。
コンクリート
ブロックの穴に鉄筋を通し、コンクリートで固めるのがブロック塀であるのに対し、あらかじめ鉄筋を打ち込まれた枠にコンクリートを流して施工するのがコンクリート塀です。ブロック塀よりも強度が高いとされています。部分補修が比較的容易であり、メンテナンスが楽であることが特徴です。
吹付仕上げ
吹付仕上げとは、ブロック塀やコンクリート塀の表面にモルタルを塗り、塗料を吹き付けた塀のことです。塗料によって出せる質感や色の種類が豊富ですので、住宅のイメージに合わせた塀に仕上げることができます。
門柱や庭の雰囲気に合うよう、木製フェンスを取り付けるなど、統一感のあるエクステリアを演出できる点が特徴です。
竹垣
竹垣とは、竹を使った垣根を塀として使用する手法で、和風の家屋によく調和します。
本物の竹を使った竹垣のほか、竹に似せて作った人工の素材によるものもあります。耐久性が低く手間もかかるため高価であることが難点ですが、他の素材では味わえない独特の雰囲気を演出してくれます。
竹垣には主に隙間が開いている透かし垣と、きっちり敷き詰められていて透けない遮蔽垣があります。風通しに優れた透かし垣は敷地内の仕切りや背景として、遮蔽垣はプライバシー保護のために外壁として使用されます。
生垣
生垣とは、植物を植えることによって、塀の役割をもたせた囲いです。境界線や目隠しとしての機能をもちながらも、景観に緑を与え、道行く人の目に潤いと優しい印象を与えます。ただし、伸びすぎの防止と美しさを保持するため、剪定や刈り込み等のメンテナンスが必要です。
フェンスの素材は様々
フェンスに使用される素材にはアルミ、木製、樹脂、スチール、アイアンなどが挙げられます。耐久性に優れたアルミ形材やアルミ鋳物は、比較的リーズナブルなため、最も多く使用されています。ナチュラルな雰囲気のある天然木や人工木を用いたもの、中には採光性を兼ね備えたすりガラス製のフェンスもあります。
さまざまな素材があるフェンスは、デザインや価格だけで選んでしまうと全体的にまとまりがない印象になる可能性があります。選ぶ際は、外観とのバランスを考慮しながら選ぶことが大切です。
フェンスの形状
縦格子、横格子
縦格子・横格子は格子または隙間の幅によって、全体の雰囲気や目隠しの度合いなどを自分好みに調整することが可能です。
ルーバー
ルーバーは別名目隠しフェンスと呼ばれています。風の通り道を確保しつつ、プライバシー確保にも優れたフェンスです。
メッシュフェンス
比較的安価なメッシュフェンスは、多くの家庭で使用されているタイプです。目隠し機能よりも、外部との仕切りとして用いられます。
ラティスフェンス
斜め格子のラティスフェンスは木製タイプが主流で、ウッドデッキやガーデニングとの相性は抜群です。防犯性やプライバシーを保護する機能は低く、主にデザイン、風通しや採光を重視する場合に適しています。
スクリーンフェンス
スクリーンフェンスはフェンスの中で最も優れた目隠し機能を兼ね備えているので、プライバシーな空間を作り出したい場合に用いられます。デザイン性にも優れており、庭に第2のリビングスペースを作る際にも最適です。
フェンスの手入れ方法
門扉やフェンスは排気ガスやほこりが付着しやすく、放置しておくとサビの原因にもなりかねません。こまめに乾いた布などで拭き取り、半年に1度くらいの間隔で水洗いをしましょう。落ちにくい頑固な汚れには、家庭用の中性洗剤やカーワックスを用いると効果的です。手入れの際、ゆがみや傷みがないか確認もすることも大事です。
アルミフェンスにサビがついた時は
アルミフェンスにサビが発生してしまった場合、研磨粒子で作られたタワシに中性洗剤を付けて擦ることで綺麗に落とすことができます。また、目の細かいサンドペーパーでもこすり落とすことが可能です。洗剤や汚れを水で流した後、乾いた布で拭いて仕上げます。
木製フェンスは定期的な塗装が必要
木製フェンスを少しでも長持ちさせるためには、こまめに塗装をすることが大切です。
一般的に、表面には木材専用の保護塗料が施されていますが、外にあることで雨風や紫外線に常にさらされており、経年と共にその塗装の効果も薄れてしまいます。年に1度程度、保護塗料を塗り替えることで劣化を防ぐことが可能です。
塗装する際の注意点として、必ずハケ等を用いて塗装してください。保護塗料には様々な薬剤も含まれているためスプレーでの塗装は危険です。また、木製品へのニスやペンキの使用は耐久年数が減ってしまう原因になりますので、使用は避けてください。
塀の手入れ方法
塀を綺麗に保つには半年に1度程度、水洗いを行いましょう。
部分的にある落ちにくい汚れは、中性洗剤をつけたタワシでこすると簡単に落とすことが可能です。さらに家庭用の高圧洗浄機を使用すれば、塀全体の汚れを短時間で落とすことができます。
ちなみに、塀が塗り壁仕上げである場合、小さな汚れであればプラスチックの消しゴムで落とせることもあります。状況によっては塗り替えをおすすめしますが、その際汚れがつきにくくなるコーティングをするとより綺麗さが長持ちします。