
リフォームポイント
塀・フェンスの選び方と隣地境界線に設置する場合の注意点
公開日:2019年05月17日
塀・フェンスの選び方

塀やフェンスを選び、設置するには、まず設置する場所がどのような環境であるかを確認しましょう。その場所によって選ぶべき塀やフェンスのタイプが変わります。
たとえば、家の周囲は人通りの多い道路であれば、目隠し機能をもたせたものに。人気のない場所などの場合は防犯面に配慮したもの、といったように、場所や環境によって選ぶ塀やフェンスが異なってきます。
他にも目的や素材、予算などをしっかりと決めていくことで自宅に適した塀やフェンスを選択することができます。
選び方その1、プライバシー確保のため
プライバシーを守る事を目的とした塀やフェンス選びでは、1.5m~1.8m程度の高さのものが適しています。これは外を歩く通行人が、背伸びをして覗き込まない限り、中が見えない高さの目安です。
塀やフェンスを高くすることで外部からの視線を遮ることができますが、反対に高さがあることによって、内部からの見晴らしも悪くなり、日照が低下する、風通しが悪くなるなどのデメリットも生じるため、少し見えないくらいが適しています。
また、プライバシー保護に適したデザインは、周囲を完全に覆うような隙間がないタイプ、風を通す程度にわずかに隙間があるタイプ、視線を遮りつつも採風ができるタイプ、隙間はあるものの、格子状や細い隙間にして緩やかに視線を遮る半分目隠しタイプ、などがあります。プライバシーも大事ですが同時に採光や通気性にも配慮して選ぶ事も大切です。
選び方その2、防犯目的
防犯対策を目的とした塀やフェンス選びでは、見通しの良さや死角をつくらないことがポイントになります。外部から中が全く見えないようなフェンスは、一見防犯対策に有効と思われがちですが、中に入ってしまうと侵入者が外部からも見えにくいため、防犯上はむしろ逆効果といえます。怪しい動きをする不審者がいれば、通りを歩いている人でもすぐに気が付くような見通しの良さ、死角のないデザインが適しています。
高さは腰の高さから1.4m程度までが最適です。高すぎるとやはり隠れ場所になりますので、小柄な通行人でもすぐに見つけられるくらいの高さが安心です。
格子状のフェンスは周囲からの見晴らしが良いので、防犯にふさわしいといえるでしょう。侵入しにくいよう、先が尖ったデザインのものもあります。他にもトゲのある植栽をフェンスに絡ませたり、フェンスを乗り越えた後に着地しにくいよう、メッシュフェンスの内側に生垣を植えたりする工夫も防犯として有効です。
選び方その3、住まいとのバランスを考えて選ぶ
塀やフェンスを選ぶ際には、目的に合った高さや機能を重視するとともに、建物の外観や門扉、庭などとのコーディネートを考慮することも大切です。機能だけを優先させてしまうと、住まい全体のバランスが悪くなりますので注意が必要です。色やデザイン、素材の質感に統一感をもたせることで、すっきりとしたエクステリアを演出することができます。最近は、凝ったデザインよりも、シンプルでモダンな雰囲気を出せるものが主流です。
選び方その4、予算や設置場所の条件に合わせる
家の周囲全体にフェンスを設置するとしても、予算や条件によってデザインに変化をもたせる工夫が必要です。
目隠しをしたい場所には高くて隙間がないタイプ、人通りの少ない場所には防犯用の手頃なタイプ、表通りに面している場所には門扉との統一感を考えつつ、見栄えのするタイプ、というように、適したフェンスは設置する場所の条件によって異なります。
隣家との境界に塀・フェンスを設置する場合の注意点
隣家との境界に設置する場合
隣の土地と自分が所有する土地との境界部分のことを「隣地境界線」と言います。この隣地境界線にフェンスや塀を設置すると、隣家の土地との区切りをはっきりさせることができます。ただし設置をする前には必ず隣家の人と事前に話し合い、充分に打ち合わせをしてから行うことが大切です。
境界フェンスの設置は隣地に入らなければできませんので、隣家の承諾は不可欠です。きちんと打ち合わせや相談をしないで始めてしまうと、トラブルにもなりかねませんので注意しましょう。
費用は誰が負担?
隣家との境界部分にフェンスや塀を設置する場合、土地の条件によっては、費用をお隣と折半することができます。その条件とは、「隣家との敷地の境に段差がない」ことです。
自分の所有する土地と隣地の高さが同じであれば、一般的にはちょうどその中央に仕切りを設け、費用を折半することができます。ただし、フェンスや塀のデザイン、材料、価格なども含めて隣家と意見が一致しなければ、費用の折半は難しいでしょう。この場合、工事を申し出た側が自分の敷地内に全額を負担して設置することとなります。
一方で、「隣家との敷地に段差がある」場合は、費用を折半することはできません。一般的には、高い位置にある土地の所有者が全額費用を負担し、自分の敷地に設置することになります。
費用を負担するためデザインや形状などは自由ですが、トラブルにならないよう事前に概要などを伝えておくべきでしょう。工事の騒音や資材の搬入などもありますので、近所の住民にも了解を得てから行うことが大切です。