
リフォームポイント
ブロック塀を設置する際の注意点とメンテンス方法
公開日:2019年05月20日

ブロック塀を外構で使用しているお宅も多いのではないでしょうか?金額も抑えられる上、耐久性、耐火性に優れているため、隣家境界線として利用しているケースが多いです。外観の華やかさは演出できませんが、利用する場所によっては使い勝手のがブロック塀です。
この記事では、ブロック塀を実際に新しく設置する際の注意点と、ブロック塀のメンテナンス方法をご紹介します。
ブロック塀を設置する際の注意点
ブロック塀の設置はまず建築基準法の確認から
ブロック塀は、耐久性や耐火性に優れていることから、リフォーム等で新たに設置する人も多いですが、地震などで倒壊すると、硬くて重い素材だけに危険性もあります。実際に地震による倒壊で人災が起きていることから、現在、設置にあたっては強度や高さ、厚みなど、建築基準法にて細かく規定が設けられています。安全性を確保するために必要な規定であり、必ず守らなければなりません。
ホームセンターなどでブロックを購入し、自分で設置しようとする人もいますが、建築の知識のない人が、これらの規定を守って設置することは容易ではなく、危険性も伴います。できるだけ業者に依頼することをおすすめします。
ブロック塀の主な規定
材料の規定として、ブロック塀に使うブロックはJIS A5406で定められている製品か同等以上の品質、具体的には12(B)、16(C)と呼ばれるものを使わなければなりません。
塀の高さは地面より2.2m以下、厚さは塀の高さが2.0m以下なら12cm以上、2.0mを越える場合は15cm以上と定められています。たて筋は塀の高さや使うブロックの種類によって、間隔が決められています。また空洞ブロックの空洞部分で重ね継ぎはできません。
塀の高さが1.2mを超える時は、3.4m以内の間隔で控壁をつくらなければなりません。基礎は鉄筋コンクリート造または型枠ブロック造布基礎で、塀の高さやブロックの厚みによって大きさや根入れの深さが決められています。
その他の注意点
ブロック塀を設置する際には、ブロック塀だけでなく、周囲の門柱などにも規定があることに注意しましょう。また基礎をつくるためには、建物と塀との間に一定の距離が必要です。少なくとも50cm程度の距離が必要です。
土留めは、コンクリート造で塀と一緒につくるのが理想です。たて筋を十分に土留めに埋め込みましょう。塀と一緒にブロックで土留めをつくることや、石積み擁壁の上に直接ブロック塀をつくるのは危険です。ちなみにブロック塀の高さ制限は土留めも含めた高さです。
ブロック塀もメンテナンスが必要
ブロック塀は耐久性のある優れた建材ですが、常に外気に接していますので、内部の鉄筋が錆びるなどして徐々に劣化していきます。劣化したブロック塀は、地震や横からの力によって、倒壊する恐れがあります。倒壊すると、通行人が下敷きになるなど、重大な事故につながる可能性もあります。
きちんとメンテナンスをしていれば、劣化の速度を落とすことができ、危険も小さくなります。耐久性のあるブロック塀ですが、定期的なメンテナンスは不可欠でしょう。
ブロック塀の手入れ方法
ブロック塀の劣化は主に水に濡れるよって起こります。劣化の進行を防ぐためには汚れを落とすことと、防水塗装がメンテナンスのポイントです。
汚れは、市販の薬品や高圧洗浄機などを使うことで表面に付着したモルタルの成分や、コケやカビも落とすことができます。防水塗装は、市販のコンクリート用防水塗料を塗布すると良いでしょう。防水塗装をすることでブロック塀の見栄えも良くなり、劣化を抑えることができます。ただし、防水塗装の効果は永遠ではないため、定期的に塗り替えを行うことが重要です。
このように、こまめに手入れすることで、美観や耐久性能を維持することができます。
こんなブロック塀は要注意
ブロック塀の寿命は約30年だと言われていますが、これはあくまでもきちんとメンテナンスをした場合の寿命です。メンテナンスを行わなかったり、耐久年数を過ぎていたりしているブロック塀は劣化が進み、崩壊する危険があります。
塀自体が傾いている、すでに崩れかけている、中の鉄筋がむき出しになっている場合など、明らかに危険と判断できる塀はもちろんですが、表面にひび割れが発生している、サビによって汚れている、剥がれているなどの症状があるブロック塀も大変危険です。
自宅のブロック塀にこのような症状が出ていたら、早急に対処が必要です。劣化の具合がわからない場合は、施工した会社や専門の人にみてもらうと良いでしょう。