
ふすま - 基礎知識
ふすまの種類
公開日:2015年08月13日
ふすまの分類
まずは下地によって分類されます。大きくは「和ふすま」と「量産ふすま」に分けられます。
それぞれの中にさらに下地の構成によって分類されるので、それらをご紹介します
和ふすま
和ふすまは、木製の組子骨にふすま紙を貼り付ける手法で作られています。昔からある構造で、そりやねじれに強く耐久性にも優れているので、多くの家庭で使用されています。
和ふすまは浮かし張りという紙の周囲に糊を付け、太鼓のように張る方法で、簡単に貼り替えができる上、何度も下地を再利用できるのが特徴です。
また、紙と下地の間にできた空洞は、部屋の中の湿度を調整する役割も果たすので、日本の気候風土に適したふすまと言えます。
本ふすま | 和ふすまの中でも最高品質で高級感あふれる仕上がりが特徴です。下貼りや部材のサイズによってさまざまな仕上げ方法があります。 |
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組子ふすま | 一般的な形式のもので、縦3本×横11本の組子で構成されています。 |
チップボ-ル ふすま |
従来の組子の上に下貼りの代わりとして胴貼りにチップボール紙を使用したふすま下地のことです。主に、和ふすまの下張り工程を簡略化したもので、現在の一般住宅で最も多く採用されています。 |
ペーパーコア入 | ダンボール芯等の代わりに蜂の巣上に組まれたペーパーコアを使用し、下地紙を張って仕上げたものです。価格は高めですが軽量で変形にも強くなっています。 |
単板ふすま | 周囲のカマチの中に横桟を15~20本入れて、丸太をむいて切り取った薄い板が貼り付けられている下地で、中部地方特有のふすまです。 |
板ふすま | 組子の上に下張りの代わりとして、ベニヤ板を張ったふすまです。厚めのベニヤ板を張るため、他のふすまよりは丈夫ですが、その分重量が増してしまうのが欠点です。 |
量産ふすま
量産ふすまは、紙の裏全体に糊を付けて直貼りする手法で作られています。機械での生産が可能なので、高い量産性と低コストを実現しており、比較的安い価格で購入することができます。
貼り替える際は上に重ねて貼り付けるため、全体にそりやシミになりやすく、張替えの回数に限りがあるというデメリットがあります。
ダンボ-ル芯 ふすま |
厚手のダンボールを3~5層に重ね、表面に湿気防止用のアルミ箔をボンドで貼り付けたものです。量産ふすまの中では代表的なふすまで、軽くてコストも安く済みますが、変形しやすく張替えも難しいという欠点があります。 |
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発砲プラスチック ふすま |
プラスチック等のスチロール系の樹脂を芯にし、チップボール紙とアルミ箔を張った下地です。 寸法詰めも自由にできるため応用しやすいといった利点もあります。またダンボール芯ふすまと同様に軽量ですが、変形しやすいという欠点も同じです。 |
ぺ-パ-コア芯 ふすま |
木製の組子やカマチを使うことなく、蜂の巣状のペーパーコアを入れて変形しにくくしたふすまです。軽量ですが、価格は高めです。 |
ふすまの種類
ふすまは、下地によって分類されますが、用途や形、デザインなどで分けられる種類があります。
源氏ふすま | ふすまの一部に障子を組み込んだ物で、奥座敷など主に暗くなりがちな場所に光を取り込む為に用いられます。障子の位置や形、大きさなど自由に組み合わすことができ、様々なデザインを楽しめます。また別名、「中抜きふすま」・「御殿ふすま」・「長崎ふすま」とも呼ばれています。 |
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縁付きふすま | 最もスタンダードで、骨を組んで下張りをし、その上にふすま紙を張り、縁と桟を付けたふすまのことです。 |
太鼓ふすま | 縁付きふすまと違い、縁を付けずに仕上げたものです。上下にスリザンと呼ばれる薄い木を取り付け、引手はつけません。主にお茶室や給仕口などに使用されます。またデザインがスッキリとして見えるため、和室や洋室にも使用することができます。 |
戸ふすま | 主に和室と洋室の間仕切りに使われ、洋室側はベニヤの上にクロスや化粧合板を貼り、和室側はふすま紙を貼り、薄い縁を付けてふすまのように見せます。 両面で表の仕上げ材が異なるため、反りが発生しやすいという欠点があります。そのため、仕上げ材を同じものにするなど対策が必要になります。 |
リビング戸ふすま | 戸ふすまと同じで和室と洋室の間仕切りに使用されます。和室と洋室用、和室と和室用があり、縁の取り付け方が若干異なりますが、戸ふすまとほぼ同じ仕様です。 |
軸廻しふすま | 仏間に設けるふすまのことを言い、戸を開いた状態で奥にスライドさせ、格納することができます。仏壇の扉が開き易くする為の特殊なふすまです。 |
ふすまの模様の種類
腰模様(裾柄) | 下から1尺8寸丈ほどに模様が描かれているものです。 |
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引手帯模様 | 引手位置を中止にして帯状に模様が配置されたものです。帯柄と呼ばれることもあります。 |
腰帯模様 | 下から1尺ほどあけた位置に、1尺丈程度の帯を表したものの配置です。 |
総模様(総柄) | ふすまの全面に模様が施されたものです。 |
袖模様(袖柄) | 片方の縦辺に上から下まで模様を配置した模様を言います。 |