外壁リフォームの効果と塗り替え・重ね張り・張替えそれぞれの特徴

外壁リフォームが必要な理由

住まいを守る役目を担っている外壁は、雨や雪、日差しなどに年中さらされているため傷みやすい建材です。劣化すると、ひび割れや剥がれ、色あせが生じ、放置をすれば住宅そのものに悪影響を及ぼします。

外壁リフォームを行う第一の理由は、家を長持ちさせること。外壁に限ったことではありませんが、適切なメンテナンスを行うことで、壁材の機能低下によるトラブルを防止する意味もあります。また、機能低下とともに美観も失われるため、見た目を維持するためにもリフォームは必要です。

外壁リフォームの効果

外壁リフォームを行うと、なぜ住宅は長持ちするのでしょうか。具体的なリフォームの効果と、メリットについてご紹介します。

住宅を保護し、機能性を上げる

経年劣化によって低下した保護効果を、リフォームによって強化し直します。建材や塗装は日々進化しており、定期的にメンテナンスを施すことで性能は確実に上がっていきます。

防水性・耐水性・耐候性・耐震性・耐火性・耐熱性・遮熱性・遮音性、防カビや防サビなど、たくさんの機能向上が期待できます。保護する力が維持できれば、快適な生活環境を保てるだけでなく住宅そのものにかかる負担を軽減し、建物の寿命を延ばすことができます。

また、雨漏りといったトラブルの防止や、災害などによる被害の軽減にもつながります。

断熱効果で光熱費の削減、省エネ

特に遮熱性や断熱性を強化すると、室内温度を一定に保つことができるため大きな省エネ効果を生みます。極端な温度変化がなくなると、冷暖房器具の使用頻度が減り、その分消費エネルギーの削減と光熱費の節約になります。

省エネは地球温暖化への対策として重要視されています。環境に配慮した家作りができるのもメリットです。

外観の維持および向上

経年による壁材の機能低下と同時に、変色や汚れなどによる見た目の劣化も避けられません。しかし、適切なリフォームを行えば、新築の時のような美しさを取り戻すことができます。

また、色・デザイン・素材を変更することで、住宅全体のイメージを変更することも可能。壁材の種類は非常に豊富ですので、好みの外観にすることは難しくないでしょう。

資産価値の維持および向上

家は、非常に重要な財産のひとつです。メンテナンスがなされなければ、資産としての価値は下がる一方です。たとえ全く同じ作りの家だとしても、手入れがされているのといないのとでは、資産としての価値に大きな差が生まれます。

定期的なリフォームは、資産価値の維持はもちろん、資産価値を高めることも可能です。大切な財産を無駄にしないためにも、適切なリフォームを心がけましょう。

外壁リフォームの種類と特徴

外壁塗り替え

一般的に多く行われている方法が塗り替えです。外壁をリフォームするにあたって1番手軽な方法で、費用も抑えられます。

外壁には必ず塗装が施されており、その皮膜によって住宅が守られていますが、数年経つと劣化が始まります。塗装の劣化による住宅への悪影響を防止するために、定期的に塗装し直し住宅を保護することが目的です。

塗り替えリフォームでは、点検や補修の後、高圧洗浄によるほこり等の洗い流し、下地塗りと中塗、上塗りという工程を踏みます。外壁材は既存のままですが、その分廃材も出ません。塗料の種類は豊富で、目的や好みに合わせて自由に選択することも可能です。

塗り替えリフォームのタイミング

下地の劣化による雨漏りなどの問題がない場合には、塗り替えによるリフォームが可能です。外壁のヒビやコーキングの劣化があれば、修復してからの施工になります。

塗装の剥がれや粉状の付着物など、外壁の表面に変化が見られたら、外壁の修復と塗り替えを検討するとよいでしょう。

費用の目安

費用の目安は建物の大きさによって異なりますが、だいたい60万円からと考えてもいいと思います。また、外壁塗装は足場を組む必要があるため、その足場の設置費用もかかることを覚えておきましょう。

外壁重ね張り

既存のモルタルやサイディングのつなぎ目にあるシーリングを直し、その後さらに下地材を打ち、新しい外壁材を重ねて張る工程です。

既存の壁に、新たに重ねるため見た目は新築同様になり、さらには廃材が少なく環境にも優しい工法といえます。また、家のイメージを変えられるだけでなく、強度や防音性を向上させることも可能です。

外壁重ね張りリフォームのタイミング

住宅の雰囲気をガラっと変えたい、あるいは断熱・遮音効果を高めたいが、工期や廃材を抑えたいといった場合には、重ね張りリフォームが向いています。ただし、既存の壁に重ねるため、下地が腐食しているかどうかしっかりチェックする必要があり、強度不足だと施工ができない場合があります。

建物に重さの負担がかかりにくいことから、重ね張りには金属系サイディングが最適です。サイディングは多くの種類があるため、好みのデザインや材質から選ぶ事ができます。

費用の目安

重ね塗りの費用は、150万円からを目安にしてください。塗り替えよりも費用はかかりますが、比較的作業はスムーズです。

外壁張り替え

張り替えとは今ある既存の外壁材をはがし、骨組みだけの状態にしてから、新たに外壁材を取り付ける方法です。

下地から新しくなり、断熱材や防水シートを施工すれば、老朽化した家でも耐久性が向上し、建物の寿命を延ばす事ができます。ただし、下地まで解体するため廃材が多くでてしまうのが欠点です。

外壁張り替えリフォームのタイミング

外壁の下地が劣化しているなどの問題がある場合や、建物を建ててから30年以上経っている場合には張り替えによるリフォームが適しているケースがほとんどです。基本的にはどの外壁材でも可能、自由なデザインが選択できます。

特に、サイディングやモルタルの劣化が進んでいる場合には、張り替えによるリフォームが採用されることが多いようです。

費用の目安

おおよその目安として200万円はみておくと良いでしょう。張り替えは、既存の外壁をはがした際に出る廃材の処分費用がかかり、選ぶ外壁材により費用が大きく変わってくることを覚えておいてください。