
リフォームポイント
外壁のデザインや色の選び方
公開日:2019年09月05日
デザイン・色を選ぶ時のポイント
外壁リフォームでデザインや色を選ぶ際、失敗しない基本的な考え方として大切なのは、「調和」です。以下のポイントを基準に、どのようなデザインや色が適切かを考えましょう。
街並みとの調和を考える

外壁の色やデザインを選ぶ際は、周囲の街並みへの配慮も大切です。住宅街でたくさんの色が雑然と入り乱れていると、落ち着きのない景観になります。あまり住みやすい環境とは言えません。特に注意したいのは、周囲とあまりにも異なった配色をすると、街全体の調和を乱してしまうということです。自分の家だけ周囲から浮いてしまい、悪い意味で目立つ傾向があります。住人が知らない間に近所で噂されている、という残念なケースも。
周囲との調和をはかるには、壁材の色や素材を同系統にすることが重要です。その中で、最も自分の好みに近い色や素材を選びましょう。外壁は面積が大きく、たとえ同じ色でも明るさや鮮やかさに変化をつけることで、家全体の印象はかなり変わります。また、ドアや窓などのデザインの違いでオリジナリティを出すことも可能です。たとえば、外壁の色と素材をしっかり周囲に合わせつつ、玄関まわりにレンガやタイルをアクセントとしてつかうという方法もあります。
調和を重視しつつ、上手に自分の好みを反映させることが、外壁のデザインを決める大事なポイントです。
窓・サッシ、玄関などとの調和を考える
「調和」は周囲の住宅に対するものだけではありません。外壁をリフォームする際、サッシや雨どい、玄関ドアなど、手を加えない部分がある場合には、そのまま活かす部分との調和にも気を配る必要があります。せっかく外壁が綺麗になっても、既存の部分が汚れていたり、色や素材が合わず不自然に目立っていたりするようでは台無しです。
たとえば、ブロンズ系の色のサッシの場合、色の調和が難しくなります。サッシも取り替えてしまいたいところですが、コストを考えると難しい人も多いでしょう。サッシと外壁の色を合わせるのが難しい場合には、外壁部分の色の彩度を下げることでなじみやすくなります。
特にサッシや雨戸は数が多く、目立ちますので慎重に選びましょう。同じ色のサッシが使われている住宅を見つけたら、しっかりチェックしておくと参考になります。
失敗しない色選びのコツ
外壁の色を決める際、以下のポイントをふまえて選ぶと比較的失敗は少なくなります。
配色は2~3色までにする
外壁の色は、多くても3色までにしましょう。外壁に多くの色をバランスよく使うことは非常に難しく、配色に対してよほどの知識がないと住宅全体の統一感が失われ、場合によっては安っぽい印象になってしまします。もし、3色までに絞れない場合には、同系色で揃えるとよいでしょう。
また、建物は部位によって用いられる資材も変わりますが、資材ごとに色を決めるのも失敗のもとです。予め全体の基準となる色を決め、その後、部位の色を決めていきましょう。
たとえば3色でカラーリングする場合、ベースにする色、ベースより少しだけ濃い色、アクセントに入れるさらに濃い目の色といった様に決めます。ベースカラーには、木や砂といった自然界に存在する色を選ぶと良いとされ、ベージュ系の色は外壁によく選ばれる色の一つです。
もし、ベージュをベースカラーにするなら、ベージュを外壁の50~70%、少し濃い目のベージュを20%~50%、さらに濃いベージュまたは茶系の色を5~10%使うと、バランスの良い配色になります。
好みよりも合うかを重視する
洋服の似合う、似合わないと同様に、住宅にも似合う色とそうでない色があります。色選びで失敗してしまう人の多くは、自分の好みを重視したことが原因です。好きな色と、似合う色は別物と考えましょう。
具体的にどのような色が良いか分からない場合には、プロにアドバイスを受けるのもひとつです。配色に関する基礎はもちろん、いわゆる流行りや人気の色なども考慮して選べるので、「自分の家だけ浮いてしまった」といった間違いが少なくて済みます。
たとえば、塗料メーカーで配色のシミュレーションもしてもらうのもよいでしょう。ただし、パソコンの画面上やプリントアウトした紙で見た色と、実際の色には誤差が生じますのであくまで参考程度にとどめてください。
実物から色を探す
外壁の色を決める際には、近隣の住宅にも目を向けてみましょう。色選びのヒントが見つかるかもしれません。ご近所以外でも、好みの配色の家があれば、チェックしておくと便利です。気に入った配色の住宅を業者さんと一緒に見ることができれば、イメージのすり合わせもしやすくなります。
また、天候でも見え方が変化しますから、晴れの日と雨の日の違いなども確認するとよいでしょう。配色の見本にしたお宅と自分の家とは違いますので、全く同じようにすればいいというものではありませんが、配色の見本としては写真などの資料よりも、実際の住宅が一番分かりやすく失敗も少ないでしょう。
色を選ぶ時の注意点
外壁の色選びで覚えておきたい注意点として、以下の3点があります。
面積効果を考慮する
外壁の塗装リフォームをする際、小さなサンプルで色を選ぶことが多いと思いますが、実はサンプルで見る時の色と、外壁に塗装された時の色とでは確実に見え方が変わります。その原因は、「面積効果」と呼ばれる、目の錯覚です。
色は、面積によって見え方が異なります。明るめの色は、狭い面積で見るより広い面積で見る方が明るく(薄く)見え、暗めの色は逆に広い面積で見る方が暗く(濃く)見えます。
また、広い面積で見るとより鮮やかな色に見える、あるいは、色合いが強調されるということも覚えておきましょう。たとえば、色が鮮やかに見えることで「派手」な印象になることがあります。また、色が強調されることで「こんなに青かったかな?」「こんなに黄色かった?」といった違和感を覚えるというケースもよくみられます。
このような失敗がないように、サンプルで色を選ぶ際は、明るい色なら想像しているよりも暗めを、暗い色なら想像しているよりも明るめを選ぶようにしましょう。
光源による見え方を考慮する
屋内の蛍光灯の下で見る色と、太陽の光の下で見る色とは違う、という経験は誰にでもあることでしょう。色は光源によって見え方が異なります。蛍光灯と日の光によっても異なれば、晴れの日と曇りの日でも異なります。
蛍光灯の下で見るよりは、太陽の下で見るほうが明るく輝いて見えますし、曇った日よりも晴れの日のほうが当然明るく見えます。このことを考慮して色選びをすることが重要です。
色選びは晴れた日に、屋外で、日の当たる場所で行うのが基本です。特に朝日の光で色を見るとより正確に判断することができます。ただし、直射日光が当たらないようにしましょう。晴れた日のもとで見た色をベースとし、曇りの日や雨の日にはどのように見えるかも見ておくとより失敗が少なくなります。
外壁の種類による見え方を考慮する
外壁の色は、外壁や塗装の種類やツヤなどによっても見え方が異なります。たとえば、つや消しタイプの外壁はやや明るく見える傾向があります。
また立体感を出したい人が好んで選ぶ凸凹のある外壁は、凸凹の影の部分の影響で少し暗く見えます。逆にフラットな外壁なら明るめに見えます。つまり、塗料や外壁によって仕上がりがサンプルよりも明るく見えたり、暗く見えたりすることなども考慮した上で選ぶことが重要です。