
リフォームポイント
カーポート・ガレージを設置する際の注意点
公開日:2019年01月21日
カーポートやガレージを設置する時のポイントとして、車の条件や敷地条件、設備条件が主に大事です。
住宅、道路、車のサイズや駐車スタイルの関係性を考えておく
車庫まわりをリフォームする際、車のサイズや敷地の前の道路、建物などによって駐車するかたちも様々です。安全性を第一に考えた上で、駐車スタイルを決める事が大事ですが、その前に前面道路や庭やアプローチとの関係性を知っておきましょう。
車のサイズ
確保すべき駐車ペースの大きさは、保有している車の大きさや台数によって異なります。高さや幅、長さなど、車の寸法を知ると共に、買い替えや保有台数が増える可能性も考えて決めましょう。
前面道路と駐車スペースの間口
前面道路に対して直角に駐車する際は、車を曲線的な動きで出入りさせることになります。前面道路の幅が狭いほど、曲線的な動きはしにくいため、道路の幅によって間口に余裕を持たせる必要があります。前進で直角駐車する場合は、後進よりもさらに間口に余裕が必要です。
前面道路と駐車スタイルの関係
適した駐車スタイルは、前面道路の条件によって3種類に分けられます。また、敷地条件、前面道路の幅、車の大きさなどによっても異なります。
直角駐車
前面道路の幅が4m以上で、敷地の奥行が車の長さ以上ある場合は、道路と直角に駐車する直角駐車が適しています。一般的なかたちで、出庫や駐車がしやすいスタイルとなります。
縦列駐車
前面道路の幅が狭く、敷地の奥行が短い代わりに横の長さは充分確保できる、という場合に適した駐車方法です。道路と車が平行になったかたちです。
斜め駐車
前面道路に対して斜めに駐車するスタイルです。前面道路の幅が狭く、敷地の奥行はあるものの変形敷地である場合などに適した駐車方法です。敷地によっては、見通しが悪くなります。
庭や玄関アプローチとの関係
駐車スペースとアプローチなどは離して計画するのが一般的ですが、敷地条件によってはできないケースも見受けられます。ですが、人が出入りするアプローチや道路との位置関係、庭の広さなどによって、駐車スタイルは美しく機能的にレイアウトする必要があります。
独立したレイアウト
駐車スペースだけが独立したレイアウトは、アプローチが離れているため自由に設計でき、前庭との一体感を出すことができます。アプローチ周辺にゆとりを持たせることができるのがメリットです。
共用したレイアウト(直角駐車)
駐車ペースとアプローチが共用し、前面道路に対して直角に駐車しているレイアウトは、玄関からカースペースまでの距離が短く、省スペースで実用的です。門から玄関までの距離が確保できる場合に適しています。
共用したレイアウト(縦列駐車)
駐車ペースとアプローチを共用し、前面道路に対して縦列駐車するスタイルは、道路から玄関までの奥行が短い場合に適したスタイルです。車がない時に活用できるよう、床材などを工夫すると良いでしょう。
カーポートのデザインは住んでいる地域によって選ぶ

カーポートは、支柱方法やデザイン、屋根の強度など様々な商品があります。そのため、住んでいる地域の気候や環境によって選ぶ事がポイントです。
主にカーポートの支柱方法には片流れタイプと両側支持タイプがあります。
片流れタイプとは、左右どちらか片方にのみ2~3本の柱を設けたタイプ。柱が片方にしかないため車の出し入れがしやすく、狭い敷地でも使い勝手が良いのが特徴です。両側支持タイプとは、両側に柱を設けた安定感のあるスタイルです。
屋根の強度については、雪の多い地域では積雪強度のあるものを、台風の被害が多い地域では耐風圧に優れたものを選ぶ必要があります。積雪に耐えられるカーポートなどを選ぶことで、雪降ろしや除雪作業の必要がなくなり、負担が軽減されるなどのメリットもあります。また、カーポートの屋根パネルの素材には、ポリカーボネート、スチール折板、アルミなどの種類があります。紫外線をカットするタイプや遮熱性に優れたタイプ、サビに強いタイプなど様々です。しっかりと把握した上で選ぶことも大切です。
屋根がある時は建ペイ率に注意
屋根のないオープンな駐車スペースは建築の規制を受けませんので、敷地に余裕があれば比較的簡単に設置することができます。しかし屋根付きのガレージ、独立型のカーポート、ビルトインガレージなど、屋根があるものは建築物として扱われ、法規制の対象となりますので充分な確認が必要です。
屋根付き駐車場、独立型カーポートは建築物に分類されるため、建ペイ率や容積率に影響します。これらは地域によって限度が異なりますが、余裕がなければ増設することができません。
ただし、ビルトインガレージなど建物と一体となり住居スペース内に設ける場合は、ガレージの面積が延床面積の5分の1以下であれば、床面積に含めなくて良いことになっています。
屋根付きのガレージやカーポートを増設あるいは大きくする場合には特に注意しましょう。
※建ペイ率・・・敷地面積に対する建築面積の割合
※容積率・・・敷地面積に対する延べ床面積の割合