洗面所(洗面台)リフォームのノウハウ

成功する洗面所リフォームのノウハウ

タイル張りの洗面台

洗面所は、朝の身支度、寝る前の歯磨きなどで使うこともあれば、浴室の隣にある脱衣所として使うこともあります。家の中でも使う機会の多い洗面所ですが、毎日使っていると、どうしてもでてくるのが不満や悩みです。収納がもっと欲しい、広い洗面所がいい、手入れが簡単なものにしたいなど、さまざまな要望がでてくるのではないでしょうか。

そんな不満を解消し、理想の洗面所を手に入れることができるのが洗面所リフォームです。

しかし、ただ単に知識もなくリフォームを始めてしまうと、せっかくのリフォームも台無しです。この洗面所の成功するリフォームノウハウを読めば、きっと理想の洗面所が手に入り、リフォームも成功へと繋がります。

洗面所リフォームは「使いやすさを第一に考える」ことが成功への近道

洗面所リフォームを成功させるために最も重要なのは、使いやすさを第一に考えることです。
なぜなら、洗面所は顔を洗う、メイクをするなどの身支度だけでなく、脱衣所、洗濯をするための家事室を兼ね備えた多機能な部屋であることから、使用頻度が高く、家族みんなが使う空間であるからです。

そのため、家族みんなが使いやすい洗面所とは何かを第一に考えることが成功への近道です。

洗面所をどのように使うかを明確にした上で、動線や広さ、洗面台の高さ・種類、収納場所などを細かく決めていくとスムーズに進みます。

洗面所を使いやすくするための3つのポイント

洗面所リフォームを成功させるためには使いやすさを考えることが大事です。では、具体的に使いやすい洗面所にするにはどうしたらいいのでしょうか。

そのポイントは大きくわけて3つ。1つめは、洗面台は“高さ”と“収納力”を重視すること、2つめは洗面所に何を求めるのかを明確にすること、3つめは手入れがしやすいかどうかです。しっかりと把握して成功につなげましょう。

1、洗面台は“高さ”と“収納力”を重視

洗面所と言えば、化粧洗面台です。その洗面台の高さや収納力は、日々の使いやすさに大きく関わってくるため、最も重視したいポイントです。

まずは高さ。床から洗面ボウルまで一般的な既製品であれば、75㎝~85㎝程度のものがあり、その中から選ぶことができます。しかし、間違った高さを選んでしまうと身体への影響や手入れが大変になる可能性があります。

選ぶ時は、ショールームなどで実際に試してみたり、今使っている洗面台を目安にしたりし、使う人の身長に合わせて最適な高さを選ぶことが大切です。オーダーメイドであれば、好きな高さにすることが可能です。

高さと同じくらい重要なのが収納力です。洗面所は、化粧品や歯ブラシ、髭剃り、タオルなど小物類が多い場所です。収納がないと、他の部屋に置いたり、新たに収納棚を設けたりする必要があるため、収納が多くある洗面台を選ぶほうが何かと効率的です。

ただし、多ければいいというわけでもないため、家庭の収納量によって選ぶといいでしょう。

ショールームの洗面台

2、洗面所に何を求めるのか明確にする

洗面所は多機能な空間であり、家庭によって求める機能も異なります。そのためライフスタイルを把握して、何が洗面所には必要なのか、どういった空間にしたいのかを明確にすることが、使いやすくするためのポイントです。

そこで、洗面所で求める主な機能として以下のことが考えられます。

  • 洗顔
  • 歯磨き
  • 髪のセット
  • メイク
  • 髭剃り
  • 手洗い
  • 洗濯
  • 乾燥
  • アイロン
  • 着替

洗面所にどの機能を求めるかによって設備や広さなどが変わってきます。例えば、洗面所でヘアドライヤーやアイロンなどの電化製品を使いたい場合はコンセント、メイクをする場合はある程度の照明が必要です。また、洗濯機や乾燥機を洗面所に置きたい場合は、電源やその分の広さが必要です。

このように、求める機能に合った設備や広さがなければ使いやすい洗面所とは言えません。洗面所に何を求めるのかはっきりさせておくことが大切です。

洗面小物

3、手入れがしやすいかどうか

洗面所は水まわりであることから、汚れがつきやすい場所です。しかし、頻繁に使う場所だからこそ常に清潔に保っておきたい場所でもあります。そのため、手入れがしやすいかどうかは大きなポイントです。

洗面所の中でも特に汚れが目立つのが洗面ボウルです。歯磨き粉やほこり、石鹸、髪の毛などさまざまなものが流れていく洗面ボウルは、手入れのしやすい素材、形状を選ぶと日々のお掃除も楽に行えます。
素材は人工大理石や陶器、汚れがつきにくい表面加工されたもの、形状は丸や四角、大きさもさまざまあります。

また、水栓金具も見落とせません。あまり洗面ボウルとの距離が短いと掃除がしにくく、汚れもたまりやすくなるため、なるべく高い位置に設置するといいでしょう。

綺麗な洗面所

4つの洗面所タイプによって使いやすさは異なる

そもそも洗面所は、そこでなにをするのかによって選ぶタイプは異なります。

その洗面所のタイプは大きくわけて、4つ。完全独立タイプ、パウダールームタイプ、脱衣所タイプ、家事室タイプです。それぞれ使いやすさやメリットが違うため、どのタイプが自分のまたは家族のライフスタイルに適しているのか、使いやすいのかを知っておくことが大切です。

【完全独立タイプ】他の人の目を気にせず身だしなみを整えられる

1室に、洗面台と収納のみあるのが完全独立タイプです。どこの部屋とも繋がっていないため、家族や他の人の目を気にせず身だしなみが整えられます。また、家族が入浴していても気にせず洗面所を使える、来客者に生活感が見られないなどのメリットがあります。

広さによっては、洗面台を2台もしくは洗面ボウルを2つにして家族が同時に使えるようにすることも可能です。2世帯住宅であれば、広めの洗面所にし、共有して使うと住まいの面積に余裕も生まれます。

収納は、他の部屋で使うものを収納すると、取りに行く手間がかかるため動線が悪くなります。主にそこで使うものだけを入れておきましょう。

独立タイプの洗面所

【パウダールームタイプ】メイクやヘアセットを落ち着いて出来、小物類もまとめて収納できる

主に、女性用の化粧室のことを指し、身だしなみを整えることを目的とした洗面所です。

面積を広くとって鏡を置いたり、椅子を置いたりすれば、メイクやヘアセットを落ち着いた空間ですることができます。また、化粧品や化粧道具などの小物類もまとめて収納できるのも大きな魅力です。
好きな物や観葉植物など置いてインテリアにもこだわれば、ちょっとしたリラックス空間にすることも可能です。

プランを立てる時は、顔色がわかるように明るさを取り入れること考えます。窓が設置できれば自然光を、設置できなければ自然光に近い照明を取り入れるなど工夫しましょう。

収納は、小物が出し入れしやすいような配慮をし、コンセントの数や位置にも注意しましょう。

パウダールームタイプの洗面所

【脱衣所タイプ】水まわりがまとまり、普段の生活動線がスムーズになる

浴室の隣にあり、洗面所兼脱衣所として使えるタイプです。洗面所には、洗面台や収納の他、洗濯機置き場が配置されていることが多く、一般的にはよく見られる間取りです。

浴室、洗面台、洗濯機といった水まわりがまとまっていることから、普段の生活動線がスムーズです。たとえば、脱衣所で脱いだ服をそのまま洗濯機に入れることができる、汚れた服でも隣にある洗面台で予洗いをしてから洗濯機に入れる事ができるなど、無駄がありません。さらに、少ない面積で済むのも魅力です。

このタイプの洗面所の場合は、床や壁の素材と安全性への配慮が必要です。水まわりであることから床や壁は水や湿気に強い素材にし、安全性は転倒しないようなつくりや暖房対策をしましょう。

水まわりがまとまっている脱衣所兼洗面所

【家事室タイプ】浴室に入っている人を気にせず、家事がゆったりと行える

洗面所に洗面台と洗濯機や乾燥機を配置し、家事をメインにした洗面所です。洗濯機などの他に、物干し竿やアイロン台を置くようなプランもあり、求める機能次第ではさまざまな使い方ができます。

脱衣所タイプは、水まわりがまとまっているため動線はスムーズですが、狭い空間でもあるため、浴室に家族が入っていたり、洗面台を使っていたりすると、洗面所が混雑し、中々ゆったりと家事をすることができません。

その点、家事室タイプは脱衣所を兼ねていないため、浴室に入っている人などを気にせずに家事を行うことができます。洗濯やアイロンなどの家事を、落ち着いた空間で毎日行いたいという人には向いているでしょう。

家事室は、洗剤などのストックが多い場所でもあります。そこまで出し入れが頻繁なものではないことを考え、収納は床下収納や吊り戸棚などを活用しましょう。

洗濯機と洗面所

洗面所リフォームの成功例

メリットが多い!洗濯物を干せるようにした洗面所リフォーム

1階には洗濯機置き場がある洗面所、2階にはバルコニーといったよくある間取りで、天気が晴れでも雨でも1階で洗濯機を回し、2階に持って上がって干すという動線でした。もちろん、雨の日は洗濯物を室内で干していました。ですが室内で干すと生活空間に洗濯物が溢れる、乾きやすさも季節によって変わることが悩みでした。

そこで行ったのが、「洗面所に洗濯物を干せるスペースを設けるリフォーム」です。

洗面所の面積を広くとり、天井に取り外しが可能な物干し竿を取り付け、同時に換気扇も設置しました。
大きく変わったのは、その場で洗った洗濯物を取り出しすぐにハンガーなど干せることです。時間がない時などはとても便利になり、生活空間に洗濯物が溢れないようにもなりました。また、換気扇を取り付けたことによって乾きにくさも軽減されました。

部屋干しの洗濯物

動線もスムーズに!収納を重視した洗面所リフォーム

小物が多く、ごちゃごちゃとしていた洗面所。物で溢れ、狭さも感じていました。

何よりも収納を重視し、天井から床まである棚を洗面所の壁面に設置しました。洗剤や化粧品など大量に買ったとしてもたくさん置くことができ、空間もスッキリとしました。

また、脱衣所も兼ねていたことから、タオル、パジャマ、下着類などをまとめて収納棚に置くことが可能になりました。パジャマや下着を他の部屋へ取りに行き、そこから洗面所に向かうという手間がなくなり、動線がスムーズになりました。

収納を重視した洗面所

使い勝手がよくなった!コンセントを多めに設置した洗面所リフォーム

何かと電化製品の出番が多い洗面所。リフォームする前まではコンセントの数が少なく、使うたびに抜いたり刺したり不便だと感じていました。

使う予定の電化製品を把握し、コンセントを増設しました。設置した場所は、洗面台と同じくらいの高さや床に近い位置などに設置しました。低い位置にあると暖房器具を使用するときなど何かと便利です。
コンセントを多めに設置するだけで洗面所の使い勝手がよくなり、朝の忙しい時でもストレスなく身支度ができるようになりました。

ドライヤーの置かれた洗面所

朝の混雑を解消!洗面ボウルを2つにした洗面所リフォーム

家族の出勤時間帯などが同じで、毎日洗面所が混雑していました。

それを解消するために洗面ボウルを2つにしました。少し洗面所に広さが必要でしたが、歯磨きや顔洗いなども洗面ボウルが2つあることによって朝の混雑がなくなりました。
当然、お手入れも2倍になるため、ボウルは汚れがつきにくい表面加工がされた人工大理石にし、形状も凹凸が少ないものにするなど配慮しました。

洗面ボウルが2つある洗面所

何かと便利に!洗面ボウルを大きく深くした洗面所リフォーム

今まで洗面ボウルは小さいものを選んでいましたが、水ハネが多く掃除も大変でした。

リフォームでは、幅などのサイズは変えず、大きく深い洗面ボウルに注目して選びました。その結果、水ハネが軽減され掃除も楽になりました。また、洗面ボウルを大きくしたことで靴を洗ったり、汚れがある服などを洗えたりと何かと便利になりました。

大きく深い洗面ボウル

実は隠れている洗面所リフォームの落とし穴

洗面所リフォームは使いやすさを第一に考えることが大事です。ですが、使いやすいと思ってリフォームしたけれど、いざ使ってみると実は不便だった、失敗したといったようなケースも少なくありません。そこで、実は隠れている洗面所リフォームの落とし穴の例をいくつか挙げるので、参考にし、リフォームする際は注意しましょう。

落とし穴その1、大きすぎた収納

「できるだけ多くの収納が欲しいと思い、壁いっぱいに収納棚を設置した。初めの頃は、たくさん物が入って便利だと思っていたが、一番上の棚などは手が届きにくく、結局物を置かなくなってしまった。ほとんど使わない物や物を置かなくなり、せっかく付けた収納に無駄なスペースができてしまった。」

洗面所には何をどのように置くのか計画してから、適した収納棚を設置することが失敗しないための大事なポイントです。洗面台と一体になった収納キャビネットや床下収納など収納にも種類はさまざまあります。

落とし穴その2、洗面ボウルの形状

「手入れのしやすさを重視し、洗面ボウルの形状を手入れが楽な丸型にした。凹凸がないため洗面ボウル自体の手入れは簡単だったが、四角い形状のものよりは少し面積も小さくなるため、普段使っていると水ハネがしやすく、壁や床などの手入れが頻繁になってしまった。」

この場合、丸型で水ハネがしにくくするためには、ボウルが深めのものを選ぶといいでしょう。また、最近では四角の型の洗面ボウルでも手入れがしやすい形状など工夫がされている商品も多くあります。実際に見たり、触ったりして適した洗面ボウルを選ぶことが大切です。

落とし穴その3、水栓金具の種類

「洗面台の水栓金具をよくある一般的な固定式のものを選択した。水栓がホースで伸びるタイプもあったが、ホースの手入れが大変そうだという理由も兼ねて固定式にした。実際使ってみると、固定式は蛇口まわりの手入れは楽に行うことができ、便利だと感じたが、洗面ボウルが大きいことから、隅々まで一気に水を流すことができなく、手入れに不便さが生じてしまった。」

固定式の水栓金具だと、同じ場所にしか水は流れません。蛇口まわりの手入れのしやすさやスッキリした見た目から固定式もいいですが、洗面台の掃除などをする時は蛇口がホースで伸びるタイプの水栓のほうが便利です。洗髪がしやすい、バケツに水が汲みやすいなどのメリットもあります。選ぶ際は、使い方や手入れの仕方を考えて水栓の種類を選びましょう。

まとめ

洗面所は、洗顔、化粧、整髪、歯磨きなどの身だしなみを整えることから、脱衣所、洗濯などの家事もできるフレキシブルな空間です。そして、家の中でも使用頻度が高く、家族みんなが使用する場所でもあります。そのため、リフォームでは“使いやすさ“を一番に考えて行うことが最も大事なポイントです。

どのような洗面所にしたいのかを明確にし、洗面台の高さや収納、手入れのしやすさをはじめ、水栓金具、照明、コンセントの数などに目を向けましょう。細かいことでも日々使っていると不満も出てくるため、計画の段階でしっかりと使いやすいものを選ぶと、リフォームの成功に繋がります。