
空間づくり
スキップフロアのメリット・デメリット
公開日:2015年07月07日
スキップフロアとは
スキップフロアとは、床に段差をつけフロアに変化をもたらし建築する構成のことで、1.5階や中2階をさします。
構成によっては実際の広さ以上の空間を得られたり、外からの光を効率よく取り入れたりすることができます。壁を使わず自然に他の部屋と繋げられるため、人と人との繋がりを分断されることのない部屋作りに適した構成ともいえます。

勾配の急な土地に建築しなければならないときでも、スキップフロアの活用により違和感のない仕上がりになります。空間演出の幅が広がるため、美術館や百貨店などにも多く採用されている方法です。また、狭小住宅に向いており、狭い家でも広くみえると人気のリフォームです。
天井付近などの空間を有効利用し、寝室にしたり収納スペースにしたりと用途は様々です。
スキップフロアのメリット
家の中を広く使える
スキップフロアは家の中を広く使えるようになります。スキップフロアによる空間の広がりは錯覚ではなく、実際に活用スペースに広がりが出ています。空間の広さは床面積と高さで決まります。段違い区切りを増やすことで、デッドスペースを無くし、床面積と高さの総量を増やしています。
デットスペースがなくなる
フロアに高低差をつけけるため、その段差部分を収納スペースにすることができます。廊下も設置する必要もないため、デットスペースを少なくすることができます。
家族とのコミュニケーションがとりやすくなる
スキップフロアでは、壁を作らず段差で部屋同士を区切ります。簡単な区切りがあるため、プライバシーは適度に守られつつ完全に隠れてしまうことがありません。そのため、小さな子どもが完全に親の目から離れてしまう心配がなくなります。吹き抜けにすると家族の気配が感じられるような空間になるため、家族とのコミュニケーションがとりやすくなるメリットもあります。
天井を高くし、開放感を得られる
スキップフロアでは天井を高くすることができます。
吹き抜けに憧れても、暖房の非効率性から冬場の寒さを想定して断念することがあるかもしれませんが、スキップフロアで天井を少し高くしてしまえば、風通しもよくなり、ちょっとした吹き抜けのような開放感を得られます。高い位置に窓を取り付ければ、日当たりもよくなり、部屋の中がさらに明るく温かくなることでしょう。
スキップフロアのデメリット
万能なように見えるスキップフロアですが、デメリットがいくつか存在します。
コストがかかり、業者も限られる
スキップフロアにすると、多少コストがかかることは念頭においておいたほうがよいでしょう。施工が難しいため、業者が限られてしまい、リフォーム費用が割高な傾向があります。また、採用していない建物に比べて空調が効きにくく、光熱費もかかりやすいといわれています。
バリアフリーには向いていない
そしてスキップフロアはバリアフリーではないこともデメリットの一つです。むしろ段差がたくさんあるため高齢の方たちにとって住みにくい作りともいえます。壁がないためエレベーターの設置も困難になるため、階段での昇り降りになる可能性も考えておきましょう。
遮音性が低い
壁が少ないため遮音性が低くなり、遮音カーテンの使用を余儀なくされることも考えられます。状況によってはスキップフロアのない空間を一部に作ったり、工事の工夫をしたりなど、事前に業者の方とよく話し合っておく必要があります。
忘れてはいけない固定資産税
忘れてはいけない注意点として、固定資産税がかかることもあげられます。固定資産税は建物の総面積と材質によって決まる地方税です。スキップフロアは建物の総面積を増やす構成ですので、固定資産税が余計にかかってくる可能性があります。
ただし、実際は天井の高さが1.4m以下の床面積に対して税金はかかりませんし、工夫によっては安く抑えることもできます。リフォームを検討の際には、固定資産税のことも考慮し、話し合いをしたほうがよいでしょう。