リビングリフォームのノウハウ

空間づくり

2階に作るリビングのメリット・デメリット

2階にあるリビングのメリット

採光や眺望が良くなる

2階にリビングを設置すると、1階に比べて太陽光を多く取り入れる事ができます。天井高も余裕を持って作ることができ、吹抜け、あるいはトップライト(天窓)を設置することでさらに明るい空間を作れます。

リビングが2階にあると、比較的大きい窓設置できます。窓が大きいと、その分風通しも良くなり、窓からの眺めも1階より良くなります。

耐震性が高まる

リビングのような広いフロアを2階に配置することで、必然的に寝室や子供部屋等は1階になります。その場合、1階に壁の数が増え、家全体の耐震性が強化されます。

広く開放的なスペースがとれる

2階にリビングを配置すると、ビルトインタイプの駐車場を設置した時に、リビングの面積を損ねる事がありません。敷地面積そのものが狭い場合でも、リビングのスペースを確保できることは大きなメリットです。

ウッドデッキを2階に配置できれば、リビングと外とのつながりをもたせることでき、より開放的なリビング空間をつくれます。

プライバシーが守れる

リビングが2階にあることで、近所の方や通りすがりの人からプライバシーを守れます。カーテンを開けっ放しにしていても覗かれる心配がなくなり、周囲を気にする必要がありません。

反対に、近所の家のリビングをこちらが覗いてしまったり、近所の掃除機や洗濯機等の生活音が気になる等の心配も無くなります。

2階にあるリビングのデメリットとその解決方法

防犯面での不安

リビングは家族が集まりくつろぐ空間で、家の中で最も多くの時間を過ごす場所がリビングです。もし不審者が1階に入って来たとしても、2階では気づきにくいという防犯面での不安があります。

【解決方法】防犯面は設備を整える

防犯面については、住宅設備の機能を向上させるのが解決法です。
1階に電動シャッターや防犯ガラスを設置し、玄関にはモニターや自動ロック機能付きのインターホンを取り付けて、リビングに居ながら来訪者を確認できるようにします。勧誘等の必要無い訪問者にも対応できますし、家族が帰宅した際もすぐにわかります。1階に居た時に来客があった場合も考え、1階にも確認できる子機等を設置しておくと便利です。
裏庭があれば照明付きの人感センサーを設けることでも防犯対策となります。

また、高機能の設備を揃えるにはコストが掛かるので、玄関や続く廊下を2階から見えるよう、階段や吹抜けを設置する方法も有効です。また面積に余裕があれば子供部屋は2階にし、子供の帰宅を把握し易くします。

高齢になった際に階段の上り下りが不安になる

生活拠点であるリビングを2階にする事により、日常生活で常に2階へ移動しなければなりません。高齢になった時に階段の昇り降りが億劫に感じるのです。現在家族に高齢の方がいる場合はこのリスクを考慮しなければなりません。

【解決方法】昇降機設備の設置・階段リフォームを検討する

将来的に階段の昇降が不便になる点には、昇降機設備の設置が最も適しています。今すぐでなくても必要になった時に設置すればよいので、最初は昇降機設備の設置場所を確保しておくだけで十分です。

一方、よりコストが掛からない方法として、階段のリフォームがあります。傾斜を緩く、踏み面積の幅を広くするだけでも昇降時の負担が軽くなります。

部屋が暑くなる

2階は1階より採光が良い分、部屋が暑くなりやすいです。特に夏は、エアコン等の設備を整えるなどの対策をしなければ快適に過ごしにくくなります。

【解決方法】熱を遮断する

2階にリビングがある場合、夏場の暑さに対して最も有効な解決策は、3階建ての建物にする事です。上階がある事で熱量を少なくできますが、3階を用意するにはかなりのコストや工事期間を要するため、金銭的に余裕がある場合は検討してみましょう。

その他解決策としては下記のものがあります。

  • 軒の出を深くして日陰の部分を多くする
  • 壁や天井に断熱材を用いる
  • 天窓をすりガラスで設置する
  • ベランダを西側に設置して植物や簾を掛ける

どうしても南側に窓を設置したいという場合は、オーニングという可動式のひさしがあります。テラスなどによく使われ、強い日差しを遮断しエアコンの省エネ効果にも期待ができます。

家事の動線が長くなる

リビングが2階にあると何をするにも1階と2階を行き来する必要があり、家事の動線が長くなります。
家事の動線が長いと、下記のようなことが想定され、家事の効率が悪くなります。

  • 買ってきた食料品等の荷物を毎回2階へ運ばなければいけない
  • 来客があったらその都度1階に降りなければいけない
  • ゴミを出す際も1階へ降りなければいけない
  • 洗濯機が1階にある場合は、洗濯物を干すために2階に上がる必要がある

【解決方法】家事動線は水まわりも2階へ

2階のリビングによる家事動線が長くなる問題は、水回りを2階に持ってくることで改善されます。洗濯機が2階にあれば、洗う作業から干す作業まで全て2階で済むため、家事の時間や移動距離が短縮できます。

トイレや洗面室、浴室も2階にまとめることとなると、建物の立地環境や家族構成に応じてそれが不便に感じる場合もあります。特にトイレの配置や数には十分に動線を考えた上でリフォームを検討しましょう。

子供と家族のコミュニケーション問題

リビングを2階にすると、1階に寝室や子供部屋を設置する場合があります。子供は帰宅後、すぐ自分の部屋に直行してしまうために、帰宅したことに気づかないと、家族間のコミュニケーションに問題が発生する可能性があります。

他にも、リビングでの生活音が下の部屋に響く可能性があり、真下の部屋を使っている家族に不満が出る可能性もあります。