
基礎知識
針葉樹の無垢材の種類と特徴
公開日:2019年06月14日
針葉樹の木材の特徴

とげとげとした葉っぱを持つ針葉樹は、柔らかくて軽いという特徴を持っています。まっすぐに成長するため、木材として加工がしやすく比較的安価です。建築後は、年数を重ねるごとに深い色合いを楽しむことができます。
針葉樹の建材の代表は、スギやヒノキ、パイン、ヒバなどです。針葉樹は柱などの構造材の他、和風建築の建具材などでも多く使われています。肌ざわりが優しいため床材でも人気ですが、柔らかいために傷がつきやすいという欠点があります。
針葉樹の無垢材の種類
スギ
杉は戦後日本に多く植林されたこともあり、昔から日本人に最も馴染み深い木材です。成長が早く、手に入りやすく、その上優れた性能を持っていることから、現在でも多くの住宅に建材として使用されています。
優れた性能とは、たとえば殺菌作用です。カビや害虫から身を守るために備わった性質で、建材なった後も効果は持続します。この殺菌作用には人を落ち着かせる効果もあり、杉の無垢材には気持ちを和ませる鎮静効果があるとされています。
杉は比較的軽く柔らかい木です。加工がしやすく、建材として幅広く利用されています。柱や垂木をはじめ、特に装飾を目的とした箇所で多く使われています。羽目板や腰板、欄間や戸障子など用途はさまざまですが、フローリングで使う場合は傷がつきやすいため注意が必要です。
ヒノキ
良い香りがすることで知られているヒノキは、昔から日本では馴染みのある木材です。ヒノキ風呂や入浴剤も有名です。植林数は実は杉についで多いのですが、成長に手間と時間がかかることから高級木材となっています。
特徴は独特の爽やかな香りと、柔らかくて軽い材質、それでいて丈夫で長持ちすることです。耐久性があることから、住宅の土台にも使われています。ヒノキの強い香りは害虫を寄せ付けない性質を持っており、それが耐久性に繋がっています。
上品な色合いで湿気に強く、水まわりやフローリングにも建材としてよく使われています。加工しやすい木材ですが、強度と耐久性に優れており、最高級の建材として高い人気を誇っています。
パイン
パインはマツ科の1種ですが、建材としてパイン材と表現する時は、輸入もののマツ材を指すことがほとんどです。アメリカ、オーストラリア、アジアなど広い地域で伐採されており、心材は黄色がかった綺麗な色をしています。
柔らかく木目が綺麗なのが特徴で、建材やフローリング材のほか、家具などにもよく使われる木材です。調湿性にも優れ、住宅建材として使うと快適な住まいをつくることができます。香りが良く、室内で森林浴気分を味わえるほか、抗菌・消臭・防虫の効果をもっています。
パインの黄色がかった色味は、年月と共に赤っぽく変化します。変色によって風合いが深まり、一層味わいが出るのも特徴です。節がありますが、節を生かした家具などは人気がありますので、必ずしも欠点とはいえません。
マツ
松は世界中で安定供給されている安価な木材であり、住宅用建材としても多く使われています。比重が重くて強度があり、経年によって美しい風合いが出てきます。
品種も多い樹種ですが、安価で輸入できるパイン材と国産のマツ材は通常区別されており、国産のマツ材は地松とも呼ばれています。国産の松も分類上パインには違いありませんが、建材でパインと言えば通常外国産のマツを指します。
喘息の発作や動脈硬化を防ぐ効果があると言われている地松は、環境の変化が原因で急激に数を減らしています。今では貴重な樹木で、建材も高価です。
ヒバ
ヒバは、桧葉と書きます。桧の代用品というイメージがありますが、防菌、防虫効果は桧以上とも言われており、耐久性に優れています。桧よりもシロアリに強い樹種として、土台や柱などにもよく使われています。また、香りが良く、消臭、抗菌作用に優れているため、トイレや浴室の内装材にも適した木材です。
青森や北海道のヒバが有名ですが、最近はカナダ産の米ヒバもよく使われるようになってきています。米ヒバは桧の1種ですが、香りや品質が国産ヒバに似ています。国産のヒバと同様、水まわりの内装や建物の土台に適した木材です。加工しやすいため仕上がりが美しく、供給も安定しています。また光沢があり、光を反射して室内を明るく保ちます。