太陽光発電リフォームのノウハウ

基礎知識

太陽光発電導入のメリット・デメリット

太陽光発電は、太陽の光エネルギーを電気に変換することができる「再生可能エネルギー」のひとつです。

太陽光発電は個人でも作ることができ、家庭で使ったり、余った電気を電力会社に売ることができます。
住宅の屋根に太陽光を電気に変換できる太陽電池モジュールを設置し、発電した電気を接続箱、パワーコンディショナといったいくつかの機器を通して家庭内で使える電気に変換します。家庭内で使い切れなかった電気は売ることができ、停電時にもその電気を使うことができます。

太陽光発電の特徴は、発電時に二酸化炭素や排出ガスを出さないクリーンなエネルギーであることです。石油や天然ガスといった限りある資源ではなく、無限エネルギーである太陽光を資源としている点からも注目を集めています。

導入のメリット

光熱費の負担が減る

太陽光発電を導入すると家庭内で使う電気を賄うことができ、光熱費を大幅に削減することができます。通常、使う電気はすべて電力会社から購入しますが、ご家庭で太陽光発電の電気作り、その電気を使うことができるため購入の負担が減ります。もちろん夜間や雨の日など、発電しない時は電力会社から購入することになりますが、すべての電気を購入する場合に比べると電気代を節約することができます。

特に真夏、真冬など、電力消費が増える時期には節電が期待できます。

オール電化でさらにお得

オール電化を導入すると、家庭内で必要なエネルギーはすべて電気で賄うことになります。まず、ガスの基本料金が不要になり、それだけでも光熱費の削減につながります。加えて太陽光発電で作られた電気を使うことで、家庭内のほとんどのエネルギーを自給できるという仕組みです。

太陽光発電はオール電化と組み合わせると、料金の高い昼間に電気を自給することができるため、光熱費をさらに節約することが可能です。

余った電気は売れる

太陽光発電で得た電気は家庭内で使うことができますが、使い切れなかった電気は電力会社に売ることができます。夜間や雨の日など、発電できない時に使う電気は買うことになるため、実際には売電と買電の差額を毎月精算することになります。

売電価格が買電価格を上回れば、光熱費を削減できるどころか、家庭で使う電気代はタダになる上に収入が得られることになります。売電価格については毎年見直されており、年々下がる傾向があります。ただし固定価格買取制度により、売電を始めてから10年間は買取価格が保証されます。

パネルに断熱効果がある

太陽光パネルを設置することで、屋根の断熱効果が上がります。夏はパネルが熱を吸収し、屋根から室内に伝える熱を軽減します。冬にはパネルと屋根材との間にできる空気層によって熱が閉じ込められるため、暖かい空気が逃げません。つまり太陽光発電を導入することによって室内は快適な温度に近づき、冷暖房費を節約することができます。

環境に配慮できる

太陽光発電を導入すると、自然と省エネ意識が高まり、節電に繋がります。「家でつくった電気は大切に使おう」という気持ちになります。余った電気が売れるとなれば尚更です。節電すれば家庭からのCO2排出量が減り、環境への貢献ができます。

また太陽光発電は、それ自体が石油や天然ガスからつくるエネルギーに比べて、CO2排出量が少ないクリーンなエネルギーです。環境負荷が少ない上、無限のエネルギーである太陽光を資源とするため、枯渇の心配がありません。

災害時に活用できる

太陽光発電を導入すると、停電時にも発電している間は電気を使うことができます。短時間の停電であればさほど生活に支障はありませんが、災害などで長期にわたって停電が続くような場合、電気が使えればとても便利です。食べ物の調理や保存の心配も減り、テレビやラジオから災害の最新情報を得ることもできます。

電気を使うときは、専用コンセントに使用したい電気製品のプラグを差して使います。専用コンセントとは、パワーコンディショナに接続してある自立運転用コンセントのことです。平常時にはパワーコンディショナから分電盤に電気が自動的に送られますが、停電時にはパワーコンディショナから直接専用コンセントへ電気が送られます。

導入のデメリット

初期費用が高額

年々設置費用が下がっているとはいえ、太陽光発電導入の初期費用はまだまだ高額であると言わざるを得ません。初期費用がネックとなり、導入に踏み切れないケースが多いのが現状です。太陽光発電を導入すると、余った電気を電力会社に売ることができますが、その買い取り価格も低下傾向にあります。

しかし導入することですぐに光熱費を抑えられ、今後も導入数の増加に伴い設置費用はさらに下がると予測されています。また補助金制度や売電をうまく利用できれば、初期費用はおよそ10~12年で回収できると言われています。

発電量が環境によって左右される

太陽光発電は、太陽光を電気エネルギーに変換するシステムであるため、言うまでもなく太陽光がなければ発電しません。夜間はもちろんのこと、雨や曇天など、日によって充分な電気を得られないことがあります。

また日本海側と太平洋側、屋根の向きや形状、周囲に太陽光を遮る建物があるかなど、条件によって発電量が左右されます。さらに設置した時にはなかった建物が設置後に建ち、発電量が低下する可能性もゼロではありません。

このように天候や立地条件等によって発電量が左右される太陽光発電は、1年を通じて最も発電量を確保できる向き、位置に、屋根の形状や条件に最も適したパネルを選んで設置することが重要です。

定期的な点検が必要

太陽光発電システムは、太陽光を電気エネルギーに変換する太陽光パネルを中心に、さまざまな周辺機器で構成されています。これらの機器は決してメンテナンスフリーではなく、定期的に点検や手入れが必要です。

パネルの寿命は比較的長く、最低でも10年以上の保証がついていますが、定期点検は有償のところがほとんどです。パワーコンディショナや発電量モニターといった周辺機器は精密機器でもあり、太陽光パネルほど寿命は長くありません。無償修理の保証期間が過ぎた直後に故障して交換が必要になる可能性もあります。

太陽光発電を導入する際は、パネルやその周辺機器全ての保証期間、内容、定期点検の有無と有償かどうかなどをよく確認することが大切です。

住宅に負担がかかる

太陽光パネルを取り付けるための架台を屋根に設置する際、屋根に穴を開ける工法を選んだ場合、施工が悪ければその穴が原因で雨漏りが発生する可能性があります。

また太陽光パネルには重量があり、何枚も並べると架台の重量と合わせて数百kgにもなることがあります。屋根の重さがこれだけ増えると建物の重心が上がり、耐震性が低下する可能性があります。場合によっては建物や屋根の補強工事が必要となります。

最近ではパネルの軽量化、発電効率の向上が進んでおり、徐々に負担は軽減されています。ただ、少なからず住宅に負担がかかることには変わりありません。