
基礎知識
太陽電池モジュールの設置方法
公開日:2015年08月14日

太陽光発電装置を設置できる屋根の種類は瓦タイプ、スレート、金属屋根、折板屋根、陸屋根です。陸屋根は集合住宅の屋上のような形状で、勾配がなく平らな屋根のことをいいます。屋根材によって太陽電池モジュール設置方法は異なり、工法の種類は実にさまざまです。ここでは主に使われている工法をいくつか例に挙げご紹介します。
瓦屋根の場合
アンカー工法
アンカー工法とは、瓦に穴を開けて架台を取り付けるためのアンカーボルトを通し、太陽光パネルを設置する工法です。アンカーを取り付ける場所の瓦は一旦取り外します。ビス周りや瓦に穴を開けた部分はシールとコーキングにて止水処理をします。瓦屋根の一般的な工法です。
支持金具工法
支持金具工法とは、瓦と瓦の間に支持金具を差し込み、そこへ架台、太陽電池モジュールを取り付ける工法です。金具を取り付ける部分の瓦は一旦外し、金具を差し込む分だけ削って戻します。支持金具は瓦の下に設置する補強板にしっかりと固定します。比較的安価な方法です。
アルミ瓦工法(支持瓦工法)
アルミ瓦工法(支持瓦工法)とは、瓦と同じ形をしたアルミ製の部材を瓦と交換し、架台やパネルを取り付ける方法です。アルミ製の部材をアルミ瓦、もしくは支持瓦と呼んでいます。各工法の中で最も高額ですが、瓦を丸ごと差し替えるため、瓦に穴を開けることへの不安が解消される工法です。
スレート屋根の場合
ラックレス工法
ラックレス工法とは、パネルを固定するためのラックを必要とせず、防水処理を施した金具で穴を開けてパネルを設置する工法です。既存の剣先を使わないため、剣先の状態やパネルの位置を制限されることがありません。施工にかかる手間が少ないので工期が短くて済みます。
スレート金具工法
スレート金具工法とは、スレートに穴を開けて金具を取り付け、その金具に横桟用の金具と横桟を取り付け、横桟にパネルを取り付ける工法です。架台に必要な部材が比較的少ないため、工期も短く、施工費用も抑えられるのが特徴です。
金属屋根の場合
板金金具工法
板金金具工法は金属屋根に直接金具を固定して発電装置を取り付ける工法で、金属屋根の種類に応じて取り付けの仕方が変化します。下穴、ビス頭、そして金具の周囲などは、雨漏りを防ぐため防水処理を施す必要があります。金属屋根では一般的に用いる工法です。
つかみ金具工法
嵌合部のサイズや屋根勾配など、金属屋根が特定の条件を満たした場合に可能な工法がつかみ金具工法です。屋根にビスを打たない事が特徴で、熱による伸縮によってピス穴に施した防水効果のあるコーキングが切れてしまう可能性をなくしています。
陸屋根の場合
陸屋根は水平であるため、傾斜架台を設置してその基礎部分をアンカーで固定し、そこへ太陽光モジュールを設置します。どの陸屋根でも設置可能というわけではなく、屋根の厚みによっては設置できない場合もあります。
平らな屋根は雨が流れない為、アンカーを打つ箇所を始め、防水工事が必須です。陸屋根工法では基礎や防水の工事を必要とし、工期も長いため施工費用が最も高い工法といえます。
基本となる2つの工法

太陽電池モジュールを屋根に固定する方法はたくさんありますが、おおまかに2種類に分けられます。どちらの工法にも一長一短あるため、短所をカバーするためにさまざまな工夫がなされています。
垂木固定工法
垂木固定工法とは屋根の野地板と垂木が重なっている箇所に穴を開け、垂木に取り付け金具を打ち込んで発電装置の架台を設置する方法です。穴を開ける箇所が少ないため、雨漏りの可能性が少なく、それでいて強度もしっかりしています。
ただし金具を設置(固定)できる箇所が制限されるほか、垂木や金具のサイズによってはうまく固定ができない箇所がでてしまう可能性があるため注意が必要です。
野地板固定工法
野地板固定工法は屋根の野地板に金具を直接打ち込む工法です。野地板は屋根の下地部分で雨漏りを防ぐ機能を持った箇所ですが、そこに穴をあけ、ねじを通して発電装置の架台を設置します。場所を選ばず固定することができ、固定するねじの数を増やして補強することも可能です。しかし雨漏りの可能性、メーカーによっては保証が無い点を考慮する必要があります。