
リフォームポイント
太陽電池モジュールの選び方
公開日:2015年08月14日
太陽電池モジュールは、単に性能がよいものを選べばよいというものではありません。如何に設置環境に合ったタイプの機種を選ぶかが非常に重要です。
まずはパネルの特徴を知る
太陽光モジュールにはいろいろな種類があります。太陽電池の種類は、歴史があり発電効率の高い単結晶シリコン、単結晶シリコンを低コスト化してコストパフォーマンスに優れた多結晶シリコン、導入コストはかかるものの発電効率が非常に高いHITなど豊富。製造メーカーも国内、海外含めて複数あり、国内は比較的保証が長く、海外メーカーは安い傾向があります。
パネルの特徴を把握し、性能、保証、コストなど、さまざまな角度から比較検討することが大切です。
太陽光モジュールの発電量を知る
太陽光モジュールを選ぶ際、当然ながら発電量はとても重要です。発電量を予測する目安として、各メーカーがパネルの発電効率や年間予測発電量を提示しています。発電効率が高いほど多くの発電量が期待できます。
しかし実際の発電量は、発電効率が高いほど多いとは限りません。メーカーが発表している数値はパネルの温度を25℃と仮定しています。それよりも高くなると単結晶シリコンは発電量が低下します。発電効率が低いパネルのほうが、年間を通じると多く発電するケースもあります。発電効率を比較すると共に、環境を考慮することが大切です。
変換効率について
太陽光発電において変換効率といえば、太陽の光エネルギーをどれだけ電気エネルギーに変換できるか、その割合を指します。分かりやすく発電効率と表現されることもあります。100Wの太陽光で20Wの発電ができれば、変換効率は20%です。
変換効率にはセル変換効率とモジュール変換効率があります。1枚のモジュールは複数のセルで構成されています。セル変換効率とは、1つのセルの変換効率、モジュール変換効率は1枚のモジュールあたりの変換効率です。セル同士の電気抵抗があるため、モジュール変換効率のほうが低くなります。一般的に変換効率といえば、モジュール変換効率のことです。
実発電量について
実発電量とは、実際にモジュールを屋根に設置した時に発電する量のことです。モジュールの発電量を見る時は、設置前は変換効率を参考にします。しかし公表されている変換効率は太陽光の強さやパネルの温度など、世界共通の一定条件下で測定した数値です。
比較するには条件を統一する必要がありますのでこれは当然のことですが、実際に屋根に設置した場合に一定の条件ということはあり得ません。むしろその条件に当てはまるのは年間にごく短時間です。そこで実際の発電量が重要になってきます。モジュールを選択する上で、この実発電量のデータが見られるようであれば、変換効率と併せて参考にするとよいでしょう。
1kWあたりの価格で比較する

太陽光モジュールの発電量や価格は素材やメーカーによって様々です。誰もが安くて発電効率の良いモジュールを選びたいところですが、パネルの枚数や周辺機器などが違えば比較は容易ではありません。
そこで目安になるのが1kWあたりの価格です。kW単価といいます。設置費用や周辺機器も含めたすべての費用をパネルのkW単位の発電量で割ることで算出します。1kW発電するのにいくらかかるかを単純に比較することができ、コストを考える上でとても重要な数字です。
保証体制で選ぶ
太陽光モジュールには保証がついていますが、その期間や内容は様々です。どのような保証があって、どこまでが無償なのか、どこからが有償なのか、といった詳細も含めて把握し、比較検討することが大切です。
一定の出力を下回ると無償でモジュール交換をしてくれる出力保証、モジュール以外の周辺機器に対する製品保証、災害による故障に備える災害保証はほとんどのモジュールについていますが、保証期間にはバラつきがあります。他にも設置工事により屋根に不具合が出たときの保証、売電収入が一定の基準を下回ったときに不足分が支払われる売電収入保証など、メーカーによって多様な保証制度があります。
メーカーやデザインで選ぶ
太陽電池モジュールは、性能を重視すべきであるという考えもありますが、いくら変換効率が良くても屋根の形状によっては充分な発電が見込めない場合があります。たとえば寄棟や入母屋屋根の場合、三角形のコーナーモジュールを製造しているメーカーを選ぶことで、効率よく発電ができる例もあります。
また屋根の色や形状とのバランスもありますので、デザインを完全に無視するわけにもいきません。メーカーや太陽電池の種類によってデザインや色が違うため、既存の屋根にできる限りマッチするものを選ぶ必要があります。
各メーカーの特徴や性能を理解し、充分に比較検討を行った結果であれば、「デザインがよかったから」という理由で選択することに問題はありません。