サンルームリフォームのノウハウ

リフォームポイント

サンルームで使用する屋根・床・窓の選び方

サンルームでリラックスする女性

サンルームで使用される屋根・床・窓には、それぞれ様々な材質や形状があります。
例えば、屋根の材質にはガラスやポリカーボネート、形状には曲線型やストレート型があります。床材は、土間やウッドデッキ、フローリングなどの材質が挙げられます。サンルームを一から作る場合はもちろんですが、既製品を設置する場合でも材質や形状などを選択してサンルームを作ることができます。思い描くサンルームを作ることができます。

ただ、選ぶ材質やデザインによっては、サンルームの印象や設置後の使い勝手などに大きく影響してくるため、選ぶことは容易ではありません。外観との相性やイメージだけで選んでしまうと後悔してしまうケースもあるため、材質や形状を知った上で選ぶ事が大切です。

ここではそんなサンルームの屋根・床・窓の材質や形状の適した選び方をご紹介します。ぜひ、サンルームを選ぶ際にお役立て下さい。

サンルームの屋根の選び方

サンルームから見える空

サンルームの屋根は、太陽の光を取り込むためにとても重要な部分です。選び方によっては快適性などが異なることがあります。主に使用される材質には、ガラス、ポリカーボネート、アクリルがあり、屋根の形状はフラット型かアール型の2つから選びます。まずは、それぞれ特徴を知っておきましょう。

3つの屋根の材質の特徴

特徴
ガラス 温度変化がなく傷にも強いのが特徴です。加工しにくく割れやすい為、安全性が求められる場所には向いていませんが、不燃素材であるため高い耐久性を持ちます。透明度は高いですが、紫外線はカットしません。お手入れはガラスクリーナ―が必要など他の材質に比べやや手間がかかります。
ポリカーボネート 非常に割れにくい性質を持ち、安全性に優れています。お手入れも簡単で、年に数回の水洗いで十分です。ガラスのような透明度はありませんが、紫外線をカットしてくれます。
アクリル 耐久性・加工性が高く、ガラス同様透明度も高いのが特徴です。高温には弱く燃えやすいため温度変化がある場所には向いていません。お手入れはポリカーボネートと同じく水洗いで済みます。

屋根の形状

屋根の形状には、大きく分けて「アール型」と「フラット型」の2種類があります。
アール型は、カーブがかっている形のものを差し、フラット型は真っ直ぐな形をしているものを差します。これはメーカーなどが出す既製品を選ぶ際に選択できる場合があります。見た目に多少の差はありますが、機能的には特に大きな違いはありません。

選び方

形状は外観のデザインや好みで選んでも構いませんが、材質は選び方によっては快適性が大きく変わります。

最近の主流はポリカーボネートです。価格は高めですが、温度変化や衝撃に強く、紫外線もほとんどカットしてくれます。室内の温度上昇も抑えてくれるため、サンルーム内で快適に過ごしたいという場合はポリカーボネートが適しています。

一方、ガラスやアクリルは、ポリカーボネートに比べ透明度があります。その透明度から本格的なサンルームにしたいという場合や、太陽の光をふんだんに取り入れたいといった場合はガラスやアクリルが適しています。但し、紫外線をカットする性能は劣る為、サンルーム内が暑くなりやすいので注意が必要です。

ちなみに、ガラスとアクリルでは、アクリルの方が価格は低めに設定されている為、安く仕上げたいという場合はアクリルがお勧めです。

サンルームの床材の選び方

サンルームと猫

サンルームで使用される床材の代表的な材質は土間とウッドデッキです。その他には、フローリングや塩ビ素材のデッキボードが挙げられます。これらの床材は、室内からの印象や使い勝手に大きく関わってきます。まずは、それぞれの床材の特徴を知りましょう。

サンルームの床材の特徴

特徴
土間 コンクリートやタイルでできているため、耐久性が高く、サビや腐食、変色などがありません。手入れも水で洗い流すだけなので簡単です。他の素材に比べ、踏み心地は固くて冷たいですが、屋外としての利用が可能です。
ウッドデッキ 耐久性が高く、木の風合いを感じられるのが特徴です。木の種類も様々ありますが、樹脂でできた人工木が主流となっています。価格は高めですが、高級感があります。ささくれもできることがないため、小さな子供がいても安心です。また、手入れも水で洗い流すだけと簡単です。
フローリング 室内で使用するフローリングと同じであるため、素足での踏み心地が良いのが特徴です。木の質感や自然の暖かみを感じることもできます。但し、水に弱く、直射日光の影響も受けやすいため、フローリングが日焼けしたり劣化することがあります。価格はウッドデッキとデッキボードの中間あたりです。
塩ビデッキボード 塩ビ(プラスチック)素材でできたデッキボードは、耐候性に優れており、錆びたり腐ったりしないのが特徴です。ツルツルとした表面で、手入れも簡単に行えます。カラーもグレーや石目調、木目調などがあります。価格は最も安く設定されています。

選び方

ウッドデッキやフローリング、デッキボードは、空間を広く見せたい、部屋としてサンルームを使いたいといった場合に適しています。室内の床と同じ高さで設置することができるため、床の色味や方向などを合わせれば空間に一体感が生まれ、部屋を広く感じることができます。 また、室内との連続性を持たせることができることからソファやテーブルを置いて食事を楽しむなど、ひとつの部屋としての使い方も可能です。

ウッドデッキ、フローリング、デッキボードの中から選ぶ場合は、メンテナンス性や価格などで選ぶと良いでしょう。高級感を求めるのであればウッドデッキやフローリング、手入れが楽で安く仕上げたい場合はデッキボードが適しています。

一方、コンクリートやタイルを使った土間は、庭との繋がりを重視したいといった場合に適している床材です。建物の構造上、室内よりも一段下がった場所に設置されることがある土間は、子供の水遊び場やガーデニング、ペットの遊び場といった目的で使用することができます。室内を広く見せることに関してはウッドデッキなどよりは劣りますが、使用するタイルなどの素材などによっては広さを持たせることも可能です。

サンルームの窓の選び方

おしゃれなサンルーム

サンルームで多くの面積を占めている窓は、太陽の光だけでなく、風も取り込む重要な部位です。その窓の材質や形状もさまざまあり、選び方次第ではサンルーム内での使い方や快適性が変わってきます。サンルームで使用される窓の材質や形状の特徴を知り、適した窓を選びましょう。

サンルームの窓の材質

サンルームの窓の材質は、屋根材と同じく「ガラス」「ポリカーボネート」が挙げられます。
「アクリル」は屋根材で使用する事もありますが、一般的に窓には使用されていません。そのため、ガラスもしくはポリカーボネートから選択することになります。

サンルームといえばガラス、というイメージのように一般的に窓はガラスでできています。耐久性が高く、温度変化にも強いといった特徴をもち、種類も一枚ガラスや強化ガラス、ペアガラスなどがあります。

一方、ポリカーボネートは、ガラスより透明性は劣りますが紫外線をカットする効果や衝撃に強いといった特徴がある人気の材質です。ただし、既製品の場合、選択できる商品が限られてくることもあるため、選ぶ際は注意が必要です。

窓の形状

特徴
テラス窓 左右に開閉する窓で、最もスタンダードなタイプです。引き違い窓とも言い、2枚や4枚など開口部のサイズにあわせて設置可能です。施錠もできるようになっているため防犯面でも安心です。
折りたたみ窓 その名の通り、閉めたり折りたたんだりすることができる窓で、開口部を全面に開放することが可能です。サンルームの前面や側面にも設置できます。商品によっては腰壁パネルとの組み合わせも可能です。
ルーバー窓 ガラスでできた羽根状のルーバーを、ハンドルなどを使って回転させ、羽根の角度を変えることのできる窓です。窓を全開にせず光や風を取り込むことができるのが特徴です。開閉することはできない為、開放感は劣ります。
高窓 腰から上だけ開閉できるタイプの窓です。サンルームで使用する高窓の場合、下部分は開閉できないガラスまたはパネルとなっているため、小さな子供がいる家庭などに多く選ばれています。
FIX窓 はめ込み式で開閉できないタイプの窓です。はめ殺し窓とも言います。開閉できないため風は通りませんが、光は取り込むことができます。

選び方

サンルームに使用される窓には様々な形状、種類があり、選び方次第では使い勝手や快適性が異なります。

たとえば、多くの風を取り込み、屋外と屋内との一体感をもたせたい場合、選ぶ窓はテラス窓や折れたたみ窓が適しています。開口部が大きいため、窓を全開にするだけで開放感が得られ、通風性も抜群です。また、側面や前面に設置することで、どこからでも出入りできるようにもなり、屋外と屋内を頻繁に行き来する場合は使い勝手が良くなります。

一方で、高窓やFIX窓、ルーバー窓といった窓は、サンルームを部屋として利用する場合に適しています。 腰壁から下を開閉できないFIX窓にし、その上部をルーバー窓や高窓にするなど部分的に窓を開けられるようにすることで、部屋と同じ空間を確保することができます。全面を開閉できないことで開放感などは劣りますが、安全性は高まるため小さいお子様がいる家庭におすすめです。

上記の窓の他、既製品によっては片開きドアや縦滑り出し窓などもあります。サンルームの使用目的によって窓の種類を組み合わせ選択することで使い勝手は変わります。

まとめ

サンルームで使用する屋根・床・窓は、それぞれ様々な材質や形状があり、選ぶものによってはサンルームの印象や使い勝手が大きく変わってきます。

そのためにまずは、なぜサンルームを設置したいのかなど目的を明確にすることが大切です。その上でサンルーム内での過ごし方や好みの雰囲気を考えることによって自然と選ぶべき材質や形状は見えてくるでしょう。