
基礎知識
畳の種類
公開日:2015年08月10日
畳は大きく3つに分けられる
縁あり畳
私たちがよく目にする一般的な畳で、畳床、畳表、畳縁で構成され、使用する材料の組み合わせによって更に細かく分類されます。
バリアフリーを意識した住宅が増えていていることから、近年では13~18mm程の薄い畳が主流になっています。
縁なし畳
畳の周辺に縁がない畳のことで、縁がない分加工や機械での量産が難しく、畳職人によって一つずつ手作業で製造されています。
主に頑丈な琉球畳表を用いて作られており、和室のみならずフローリングの一部分に並べて敷き、畳の雰囲気を楽しむスタイルが増えています。
昔は畳縁があるほうが格式は高く、反対に畳縁がない畳は庶民の使用する畳として定着していました。しかし、原料が高価な上、製造するために特殊な技術と時間が必要になるため、現在では高級な畳として扱われるようになりました。
床の間用畳
床の間に用いられる畳で、昔は龍髭畳表と呼ばれる特殊な畳表を用いていましたが、現在では畳表に畳縁のみを施した薄縁が主流となり、畳自体は使われていません。
いろいろな畳の種類
琉球畳

琉球畳とは、縁がなくサイズも通常の畳の半分で、正方形の形をしています。
もともとは琉球、つまり沖縄で生産された強度のあるい草を使った畳のことを指していましたが、最近では縁がなくて正方形であれば、普通のい草や樹脂、和紙を使っていても琉球畳と呼ぶことがあります。ちなみに沖縄産のい草は太くて固く、光沢と艶のあるベージュ色の品種が特徴です。
琉球畳はデザイン性が高く、特縁がないので部屋がスッキリと明るく見え、洋室にも合います。二色の畳を格子状に並べるなど、琉球畳ならではの楽しみ方ができるため最近では注目を集めています。
和紙畳
和紙畳とは、通常はい草で編む畳表を和紙でこより状に編んでいる畳のことです。
ダニやカビが発生せず、アレルギーの心配がなく、耐久性も一般的な畳の3倍もあることから、張替えの頻度も3分の1で済むため経済的です。
また日焼けによる色褪せもほとんどないことや、い草よりも肌触りが柔らかく、調湿性や撥水性にも優れています。
カラーバリエーションが豊富なため、好みの色で部屋の雰囲気を変えることができるのも魅力です。
収納畳・高床式畳
収納畳・高床式畳とは、畳の下に収納スペースがあるユニット畳のことです。収納の分だけ高くなるため、高床式と名付けられています。
洋室の中に一部だけ和室スペースをつくることができ、大容量の収納が可能なのでとても便利です。大がかりな工事は必要なく、一畳分や半畳分のユニットをいくつか組み合わせるだけで簡単に畳スペースをつくることができるのも特徴です。
収納は引き出しになっているタイプや、畳の部分を蓋のように取り外せるようになっているタイプがあります。
洗える畳
洗える畳とは、畳表にポリプロピレンでできた人工い草を使用した水洗いができる畳です。
天然い草は湿気に弱いため、水拭きや湿気の多い場所への設置はできませんでしたが、撥水性、耐水性に優れた畳表に縁や畳床も耐水性の材料を使用することで、丸洗いが可能な洗える畳が誕生しました。
ダニやカビが発生しにくく、汚れてもすぐに洗えて清潔に保てるため安心です。またポリエチレンの発泡体を挟んでいるため保温効果や吸湿性にも優れています。水まわりやペットがいる家庭、小さい子供がいる家庭などに適しています。
置き畳(ユニット畳)
置き畳とは、畳のように敷き込むのではなくフローリングなどの上に置くだけの、薄い敷物として使う畳のことです。洋室やリビングに手軽に畳コーナーをつくれる便利なアイテムです。
縁のない半畳の大きさが一般的ですが、縁のあるタイプや三角形のタイプなどもあり、カラーバリエーションも豊富です。
洋室やリビングに使用することが多いこと、また畳が1枚ずつ独立していることからフローリング畳、リビング畳、ユニット畳、システム畳と呼ばれることもあります。材質も天然い草、麻、和紙、樹脂など豊富でいろいろな種類を組み合わせて使うこともできます。
置き畳の特徴は、カーペットに比べて衛生的でダニやカビも発生しにくいことや、保温性や吸湿性に優れています。不要になったら押し入れ等にしまうことや、別の場所に移動させて使うことも容易にできます。
さらに賃貸住宅などで洋室から和室へのリフォームができない場合でも、置き畳は簡単に畳のスペースをつくることができ、収納にも場所をとらないなど多くのメリットがあります。
カラー畳

カラー畳とは、染料で色をつけた畳表を使用している畳のことです。天然のい草に色をつけているものもあれば、化学繊維もあります。
カラー畳は好きな色を選ぶことができますのでインテリアに合わせて楽しむことができます。
ユニット式のカラー畳なら組み合わせも選べて活用の幅が広がります。明るい色とシックな色を交互に並べたり、3色以上でカラフルな畳スペースを演出したり、と楽しめます。洋室に合うカラーを選んで敷き詰めても良いですし、リビングの一部に和室スペースを設けるのも良いでしょう。
染料でコーティングしていますので、通常の畳よりも毛羽立ちや傷みは少ないという長所があります。また変色もしにくく目立ちません。
但し、色ムラが発生しやすい点には注意が必要です。使っているうちに薄くなっていきますが、畳によってその度合いが異なり、ムラになることがあります。
カラー繊維の場合は水拭ができ、色褪せも少ないので長く使えます。カビやダニが発生しにくい加工がされているものがほとんどです。
化学畳
化学畳とは、通常はワラを使っている畳床にワラ以外の化成品を使っている畳のことです。
ワラを使用していないことからダニやカビが発生しにくく衛生的なのが特徴です。また日焼けによる変色が少なく、価格が安いというメリットもあります。
使われている化成品は、ワラよりも軽いポリスチレンフォームやインシュレーションボードなどであるため、軽くて持ち運びが楽です。
一方でワラを使った畳に比べると寿命が短いという欠点があります。
他にもインシュレーションボードや発泡材を断熱材として使っているため、通気性や吸湿性がほとんどありません。そのため湿気が床下にたまり、結露の原因となることがあります。さらには化学物質を使用しているため焼却時に有害物質が出てしまい廃棄処分が容易にできないなどの問題もあります。