
メンテナンス(手入れ、掃除)
畳のメンテナンス方法
公開日:2015年08月10日
毎日の手入れの仕方
畳の手入れをするのに掃除機を使用する場合は、畳表を傷めないよう目に沿ってゆっくりとかけます。
ホウキを使用する場合は、出がらしの茶葉をしばらく水につけ、固く絞ったあと畳の上に撒き散らしてから掃くと、埃も一緒に取る事ができます。
雑巾で畳を拭く場合、濡れた雑巾を使ってしまうと畳の光沢を失い、黒ずみや傷の原因になるので、乾いた雑巾、もしくは固く絞った雑巾を使用します。水拭きする際は、必ず換気も行いましょう。なお、直射日光が畳表に当たり続けると変色する恐れがあるので、カーテンや障子で遮るようにしましょう。いずれにしても、畳は優しく丁寧に扱うことが大切です。
様々な汚れの対処方法
家具の跡がついてしまった場合
熱湯でしぼったタオルをあて、上からアイロンをかけるか、霧吹きで少量の水をかけます。仕上げにドライヤーや扇風機の冷風でしっかりと乾燥させることで、へこみが戻ります。
家具の跡が畳に付かないようにするためには、下に板を置く事で跡がつきにくくなります。
汚れやシミになってしまった場合
醤油や灯油などの液体類やペットの排泄物がついた場合は、小麦粉をふりかけて手早く水分を吸収させます。その後、掃除機を使い吸い取ります。
ブラシで粉を掃き取った後、酢を混ぜたお湯で雑巾がけします。洗剤液での雑巾がけも効果的ですが、汚れが酷い場合は表替えや新しい畳に入れ替える必要があります。
クレヨンの汚れは少量のクリームクレンザーをつけた布で拭き取りますが、使い古しの歯ブラシを使えば、畳の目に入り込んだ汚れも綺麗に取り除くことができます。
インクのシミには牛乳で湿らせた雑巾で拭くか、または、レモンを絞って濡らし塩素酸ソーダを薄めたもので拭くと効果的です。
焼け焦げがある場合
オキシドールを含ませた脱脂綿で漂白すれば目立たなくなります。
まだ目立つようならスチールウールで表面を軽く擦り取ってから、再度漂白します。それでも取れな場合は、新調や張替をしましょう。
畳縁が汚れてしまった場合
掃除機に付属している隙間用の吸口で埃を取り、住居用洗剤をつけた歯ブラシで優しくこすります。
お湯で固く絞った雑巾を叩きつけて洗剤を取り除き、仕上げに乾いた雑巾で乾拭きしてドライヤー等の冷風で乾かします。
畳のカビ・ダニ対処法
カビやダニの発生条件を知る
ダニ、カビともに繁殖、発生条件は似ており、温度、湿度、酸素、養分の環境条件が整うと発生、繁殖します。特に温度と湿度が重要な条件となります。
カビは室温20~30℃、湿度65%以上の環境の場合に発生しやすいと言われています。
畳の原材料である天然のい草は、湿気を吸放出できる機能に優れており、新しい畳ほどこの機能が高く、カビが発生・繁殖しやすいです。
ダニは、室温が25~33℃、湿度が60%~90%の高温多湿が発生条件です。他にも食べかすやフケなどのダニの餌になるものがあり、さらにダニが潜り込めるような場所があれば大量発生に繋がります。
また2階よりも1階のほうがカビやダニが発生しやすいと言われています。一般的に2階は高温ですが湿度が低いため発生条件には当てはまらず、一方1階は建物の床下があり湿度が高くなりやすいことから、1階のほうが発生しやすいのです。
時期としては、気温が高く湿気がたまりやすい条件が続く6~9月が一番ダニ、カビの繁殖、発生しやすい時期だと言えるでしょう。
発生しやすい環境とは?
- 日中外出していて部屋を閉め切っている事が多い
- 畳の上に敷物を敷いている
- 部屋の風通しが悪い
- 梅雨の時期や雨の時期などが続いた場合
- 部屋の位置や日当たりが悪い
- 建物の構造上、床下に湿気を貯めやすくなっている
カビやダニを防ぐポイント
カビやダニの対策として、1番効果的なのは発生させない環境を作る事です。日常生活において防ぐポイントを把握しておくことで畳も長持ちし、快適な環境にもなります。
畳にカビやダニを発生させないためには、日頃から湿気をためないようにする、掃除機をこまめにかけるなどの日常のお手入れが重要となってきます。また畳干しや大掃除といった定期的なお手入れも行い、ダニ、カビの原因となる要素を取り除くことが大切です。これらを習慣づけることで、畳は長持ちし、かつ清潔に保つ事ができるでしょう。
窓を開けるなどして換気をする
窓が2つ以上ある場合は向かい合った窓を開け空気の流れを作ります。その際、空気の入り口となる窓は全開ではなく少しだけ開けるようにするとさらに空気の流れが速くなり、効率的に換気をすることが可能です。ここでの換気のポイントは晴れた日の外気温が低い時間に行うことです。換気扇がある場合はなるべくまわすようにしましょう。
雨が続く場合や梅雨の時期は除湿をする
天気の悪い日が続く梅雨時期や、日中家に人がいない家はエアコンの除湿機能や除湿器を使っての除湿をします。日常生活の炊事や洗濯などでもかなりの湿度が出てしまうのでこまめに湿度をチェックし湿度が上がりすぎないように注意します。外出時は除湿タイマーを2~3時間かけて家をでると生活で出た湿気を取り除いてくれます。
掃除の仕方に気を付ける
掃除は、畳が傷まないように畳の目に沿って行うことがポイントです。掃除機でたいていの埃は取れますが、固く絞った雑巾で拭き、お茶の葉を畳に撒いた後ほうきで掃くと畳の目のこまかいところまで掃除できます。また掃除が終わったら、よく乾燥させることも大切です。
畳の上には絨毯やカーペットを敷かない。また重い物も置かない。
カーペットや絨毯を畳の上に敷いたり、重いものなどを置いたりして畳の呼吸を妨げてしまうと、畳が吸った湿気がたまり、湿度が上がってしまう為、カビやダニの発生原因になってしまいます。
室内に洗濯物を干さない
洗濯物を室内に干すという行為も湿度を上げてしまいます。どうしても部屋干しをする場合は、除湿器や乾燥機などを併用して湿度が上がりすぎないように工夫します。
年に2回は畳干しをする
畳を乾燥させるためには春と秋の年2回、畳干しを行うことが有効な手段です。
畳干しのやり方は、まず先のとがったもので中央の畳から外します。
干すときは畳床側を日光に向け、埃をたたき出してから4~5時間ほど干します。この時、畳表を日光に向けないように気を付けましょう。
もし畳干しができない場合は、少しだけ畳を持ち上げて風を通しておくだけでも効果があります。なお、畳干しを行う際はどの畳がどこにあったかわからなくならないようにしるし等をつけておく注意も必要です。
発生してしまった場合の対処とは
カビ
カビが生えてしまったらまず慌ててふき取る様なことはせず、まずは窓を開けて風を入れる、エアコンのドライ機能を使用するなどして十分に乾燥さることが重要です。
十分に乾燥したらカビが、畳の目に入り込まないように畳の目に沿って時間をかけて掃除機で丁寧に吸い取ります。もし乾燥させずに拭き取ると、カビがシミになって残ってしまう場合がありますので注意しましょう。
それでも取れないカビは、漂白剤や消毒用アルコールを布にしみこませ、やさしく拭き取ってください。この時、換気は十分に行ってください。
ダニ
ダニが発生してしまったら、晴れた日のアスファルトまたはコンクリートの上に畳の裏側を上にして干します。また、部屋を暗くして一時間ぐらいおくと、ダニが活動しだすためそのタイミングで掃除機をこまめにかけるという方法も有効です。