
リフォームポイント
テラスに屋根を設置する前に決めておきたい6つのこと
公開日:2016年11月24日
テラスを設置する際は、同時に屋根を取り付けることをおすすめします。
屋根を付けることによって、雨や強い日差しから守ってくれる他、プライバシーの確保や室内の省エネ効果も期待でき、暮らしに快適性や利便性がプラスされます。屋根のデザインも豊富で、工事も比較的簡単なため、リフォーム等で後付けする方も多くいます。

しかし、テラスに付ける屋根といっても、素材や設置方法、屋根の形状など種類は豊富にあります。設置する前にこれらを明確にしておかないと、思っていた使い方ができない、イメージと違ったなんてことになりかねません。
満足のいく屋根になるよう、6つのことを設置する前に明確にしておきましょう。
屋根を設置する目的を明確に

なぜ、テラスに屋根を設置しようと思いましたか?
あれば何かと便利だからでしょうか。確かに、屋根があれば天気に関係なくテラスで洗濯物を干したり、子供が遊んだりと多目的な過ごし方ができます。ですが、ただ単にデザインが気に入った、外観のアクセントとして設置したいなど、安易に屋根を選んで設置してしまうと、思ったような使い方、過ごし方ができないことがあります。
そうならないためには、屋根の設置目的を明確にしておくことがポイントです。
以下で設置目的の例を見てみます。
- 雨や雪の日でも洗濯物を外で干したい
- 強い日差しを遮りたい
- 雨や太陽光を防ぎながらも個性的な屋根を付けたい
- 目隠し機能として設置したい
外出先での急な雨から洗濯物をしっかりとガードしたい、洗濯干し場としては使わず室内に入ってくる日差しだけを遮りたいなど、はっきりとした使い方や過ごし方を決めておくと、目的に適した屋根が見つかります。
では、次に屋根材にはどんな種類や特徴があるのか見てみましょう。
設置する屋根材を決める
テラスに設置する屋根材にはさまざまな種類があり、その特徴も異なります。また、選ぶ屋根材によっては快適性や使い方が変わります。それほど屋根材選びは重要です。

どんな種類があるのか、素材と特徴を簡単にご紹介します。
テラスに使用される屋根材 | 特徴 |
---|---|
ポリカーボネート板 (熱線遮断・FRP) |
プラスチックの一種で、軽量で衝撃にも強い。紫外線もほぼ100%カット。温度上昇の元となる熱線もカットしてくれる。 |
アクリル板 | アクリル樹脂でつくられたもので、透明で光沢が美しい。加工性も高い。 |
スチール折板 | 耐荷重性が高く、主に積雪地域に使用される。採光性は劣りますが、最近では明かり採り用の商品も出ている。 |
塩化ビニール(波板) | 軽量で採光性に優れている。また柔らかく施工性が高い。 |
布製 | 厚手で丈夫な生地から薄い生地まで様々。耐久性は劣りますが、紫外線をカットし、デザインも豊富。アクリルやポリエステルなどの素材もある。 |
つる性の植物 | 柱や屋根に植物を這わせ、植物によって紫外線などから守る。ツキヌキニンドウやノウゼンカズラ、モッコウバラなどの種類がある。 |
日差しだけを遮りたいという場合は、布製や植物などでも充分ですが、しっかりと日差しも雨も防ぎたいといった場合は、アクリル板やなどの屋根材が適しているでしょう。最近ではその機能性の高さからポリカーボネートが採用されています。
どの屋根材にするかは目的に合わせて決めましょう。
屋根の設置方法は固定式か独立式か
次に、屋根の設置方法を明確にしておきましょう。
その方法は、建物の外壁に設置する「固定式」と、外壁に穴は開けず柱で支えて設置する「独立式」があります。建物の状況や設置する場所などによっても異なりますが、どちらが適しているのかは、それぞれの長所や短所を把握してから決めましょう。
独立式の特徴
長所 | 短所 |
---|---|
|
|
独立式は、建物に直接設置せず柱のみで固定する設置方法です。
建物を傷つけることなく屋根を設けることができる他、雨樋やエアコンの室外機が邪魔し、固定式では設置できなかった場所にも設けることができます。建物に制限がある、穴を開けずに綺麗に保ちたいという方には向いています。
固定式の特徴
長所 | 短所 |
---|---|
|
|
固定式は、建物の外壁に屋根を固定させて設置する方法です。
商品によっては、外壁と柱の2ヶ所を固定します。雪や風などの影響を受けにくく、商品のバリエーションも豊富です。建物の構造や外壁に制限があり、設置できない場合もありますが、制限がなく雨や雪からしっかりとガードしたいという方には向いています。
設置する屋根のサイズ
テラスに設置する屋根のサイズは、テラスよりもひと回り大きいサイズがおすすめです。
雨や雪など横からの吹き込みを防いでくれる他、掃き出し窓よりも少し大きめのほうが建物の見栄えも良いです。
ただし、適したサイズは建物の形や窓の位置・大きさなどによって異なるため、見た目や実用性など総合的なバランスを考えて決めることが大切です。
屋根のサイズの見方は基本、間口(間)×出幅(尺)で表されています。

間口(間)とは、建物の開口部にあたるところを指します。
1間=約1,818mm。
出幅(尺)とは、建物からの距離を指します。
1尺=約300mm。
※製品やメーカーによっては、1間~3間、3尺~15尺まであります。また、多少サイズの表現が異なる事もあります。
屋根の形状はフラット型かアール型かを選ぶ
テラスに設置する屋根の形状には、大きく分けて平面なフラット型、丸みを帯びたアール型の2つがあります。フラット型はストレート型やF型、アール型はカーブ型やR型とも呼ばれています。
現在、屋根材に多く選ばれているポリカーボネートなどの製品に限られますが、このどちらかの屋根の形状を選ぶことができます。
以下はそれぞれの特徴です。
フラット型(ストレート・F型) | アール型(カーブ・R型) |
---|---|
|
|
このように多少の違いはありますが、どちらの形状でも屋根自体の強度は変わりません。最近では、スタイリッシュなイメージの住宅が多くなったことでフラット型のほうが人気ですが、選ぶときは外観との調和や実用性などを加味してから選ぶことが大切です。
必要なオプションを選ぶ
テラスに屋根を設置する際、その周辺には他に何が必要なのかを考えて下さい。必要なオプションを選ぶことで、テラスでの利便性や快適性があがります。

以下、主なオプションです。
- 物干し
- パネル(前面・側面)
- サンシェードカーテン
- デッキ接続用部材
- 屋根補強部材
- 雪除けカバー
- たて樋カバー
- 枯葉よけネット
- 外部コンセント
- 雨水タンク
- センサー照明
メーカーや商品などによっても異なりますが、屋根周辺にはさまざまなオプションがあります。
テラスを洗濯物干し場として利用する場合には物干しを選び、隣家や外からの視線が気になるという場合や雨の吹き込みを完全に防ぎたいといった場合には、前面や側面にパネルやスクリーンなどを選択します。
自宅のテラスに必要なものは何かを明確にし、オプションを選ぶことが大切です。
まとめ
テラスに屋根を設置する際には、目的や屋根材、設置方法など、さまざまなことを明確にしておく必要があります。
先に明確にしておくことによって、どんな屋根が自宅に適しているのかがわかり、満足のいく屋根を設置することができます。快適性や使い勝手もよくなり、テラスでの過ごし方も変わります。