
リフォームポイント
目的に合ったテラスの屋根の選び方
公開日:2016年11月30日

テラスは、子供の遊び場やちょっとした優雅な時間を過ごすための場、洗濯物を干すための場などさまざまな用途に使うことができます。明るくオープンなテラスも素敵ですが、テラスに屋根を設置するとさらに使い勝手や快適性が向上します。
しかし、どんな目的で屋根を設置したいのかによって、選ぶ屋根の種類も異なります。
テラスに設置する屋根の種類は大きく4つに分けられ、それぞれ特徴があります。目的にあった屋根を選ばなければ、役に立たないという結果になりかねません。屋根の種類の特徴を知り、目的を明確にして屋根選びをすることが重要です。
まずは、4つの屋根の種類をご紹介します。
テラスに設置する4つの屋根の種類

テラスに設置する屋根の種類は大きく分けて、「テラス屋根」「パーゴラ」「オーニング」「シェード」の4つです。それぞれの屋根の特徴を見てみます。
テラス屋根
柱と屋根材で構成された屋根。柱はアルミ形材、屋根材はポリカーボネートが一般的です。ガラスの200倍もの強度をもつポリカーボネートは、耐久性に優れ、材質によっては汚れがつきにくくお手入れが楽です。アール型・フラット型の屋根形状や外壁に固定・独立する設置方法など種類も豊富です。テラスだけでなく2階のベランダや勝手口などに設置することもあり、最も使われている屋根です。
- 光を取り入れながら雨や雪をしっかりとガードしてくれる。
- 比較的どんなデザインの家でも合うが、個性さには欠ける。
- パネルを取り付ければ、外からの視線も遮れる。
- 比較的自由な場所に設置できる。
パーゴラ
柱と格子状の棚で構成された屋根。イタリア語で葡萄棚という意味をもちます。柱は木材で、屋根材はツル性の植物を絡ませたり、ポリカーボネートや布を設置したり、用途に合わせて変えることができます。価格は他の屋根に比べて高めです。
- DIYで作ることも可能で、自分好みの屋根ができる。
- ツル性の植物を絡ませれば、見た目がおしゃれで個性的な庭になる。
- 屋根材によっては雨や雪も防げる。
- 柱や屋根材の種類によってはメンテナンスが必要。
オーニング
キャンバス地などの厚い布でできた屋根。主に建物の外壁に設置し、可動や手動で屋根を収納することが可能です。商品は限られますが、外壁に直接設置せず独立したタイプもあります。布製なので汚れると手入れが大変です。
- 角度調節や出し入れすることが可能なので日差しをコントロールすることができる。
- 色やデザインもカラフルなものが多く、外観のアクセントとして活躍する。
- 弱い雨であれば防げるが、横殴りの雨や強風の時は使用できない。
シェード
薄くて丈夫な特殊生地でできた屋根。専用の柱や金具を取り付けるだけで簡単施工、状況に合わせて取り外しも可能です。費用も安く、固定タイプや開閉タイプ、カラーや形状も豊富にあります。布の種類によってはすぐに洗えるが、汚れがつくと手入れが面倒です。
- 薄い丈夫な生地で通気性も抜群。
- パーゴラなどとも相性がよく、見た目もおしゃれに仕上がる。
- 雨除けには向いていない。
4種類の屋根の特徴
耐久性 | 施工性 | 屋根の可動 | 価格 | メンテナンス性 | |
---|---|---|---|---|---|
テラス屋根 | 強い | 比較的どこにでも可能 | できない | ピンキリ | 掃除しやすい |
パーゴラ | 屋根材による | 手間がかかる | 屋根材による | 高い | 塗装などが必要 |
オーニング | やや弱い | 設置自体は簡単 | できる | 安い | 汚れやすい |
シェード | 弱い | 簡単で取り外しも可能 | できる | 最も安い | 汚れやすい |
屋根本来が持つ“日差しを遮る”という点については、どの屋根の種類も同じ効果が期待が、上の表の通り、耐久性や施工性などは、屋根の種類によって大きく異なります。
屋根の特徴を把握したところで、次は、具体的な目的に適したテラスの屋根をご紹介します。
外観を引き立たたせてくれるようなおしゃれな屋根をつけたい

シンプルな屋根ではなく外観のアクセントとして、また建物が引き立つようなおしゃれな屋根をつけたいといった目的の場合、屋根の種類は「オーニング」や「シェード」がお勧めです。
街中のカフェなど店舗用としてよくみかけるオーニングやシェードは、近年、住宅用としての商品も多くあり、設置するだけで家をおしゃれに演出してくれます。また、赤や緑、青などのカラフルな色からストライプ柄などデザインの種類が豊富で、外観に合わせたカラーを選ぶことができます。
例えば、ヨーロッパ風や地中海風の住宅をイメージした真っ白な外壁の場合は青色、赤レンガ調の外壁の場合は、反対色である緑色をもってくると外観が引き立ちます。ストライプ柄は明るくポップな印象を与えてくれます。
日差しを遮る以外の機能性は重視せず、外観との相性を重視したい、簡単に設置でき尚且つオシャレにしたいといった目的の人にはオーニングやシェードの設置を検討しましょう。
雨の日でもしっかりと洗濯物をガードしてくれる屋根にしたい

天候に関わらず外で洗濯物を干したい、横からの雨の吹き込みを防ぎたいといった目的の場合、屋根の種類は「テラス屋根」がお勧めです。
よく選ばれる屋根材はポリカーボネートです。熱線や紫外線をカットしてくれることはもちろん、耐久性も抜群のため、雨や雪から洗濯物を守ってくれます。また、テラス屋根には、積雪量が多い地域や強風が吹く地域などに対応していたり、オプションを付けられたりできるものもあります。
種類豊富で迷ってしまいがちなテラス屋根ですが、雨や雪からしっかりと洗濯物をガードしたいという場合は、以下の3点を抑えておくといいでしょう。 ただし、サイズや形状は建物の外観との相性や敷地条件などバランスを見て決めることも大切です。
- 1)屋根形状はストレートタイプ(F型)よりもカーブタイプ(R型)を選ぶ
- 2)屋根のサイズはやや大きめを選ぶ
- 3)オプションで前面パネルや側面パネルを取り付ける
テラス屋根は、見た目はスタイリッシュで建物に馴染みやすいものが多いですが、屋根材のカラーは限られます。ですので、耐久性や機能性を最も重視したいという目的の場合にテラス屋根を選ぶことをおすすめします。
雨を防ぎながら、見た目もオシャレな屋根をつけたい

おしゃれにできるのがオーニングやシェード、雨除けになるのはテラス屋根ですが、どちらも妥協したくないという目的の場合は、「パーゴラ」がお勧めです。
パーゴラは、木製でできた格子状の棚です。いちから作るとなると、他の屋根よりも時間もお金もかかってしまいますが、屋根材が自由に選べ、選び方次第では見た目もおしゃれになり、雨も防ぐことができます。
例えば、屋根材にツル性の植物を選べば、他の屋根にはないおしゃれさがでるだけでなく、緑溢れる木漏れ日の中でお茶やプライベート空間を楽しむことができ、ポリカーボネートなどの屋根材を選べば雨も防ぐことができます。オーニングで使用されるキャンバス地や柔らかい薄い生地のシェードも屋根材として選ぶことも可能です。
施工の手間や費用はかかりますが、見た目も機能性も兼ね備えた屋根をつけたいという場合は、パーゴラを検討してみてはいかがでしょうか。