
リフォームポイント
4つに分類される洋式便器の選び方
公開日:2015年07月27日
洋式便器の種類として、タンクレス便器、タンク付便器、ロータンク便器、収納一体型便器の4つに分類されます。トイレ空間の広さや求める機能性などによりどの便器へリフォームするのかが変わってきます。各洋式便器の種類の特徴、メリット・デメリットを紹介します。
1.タンクレス便器の特徴
タンクレス便器は水溜用のタンクがなく水道管と直接繋がっている便器です。タンクがある場合は通常13~20L程度の水を使いますが、タンクレス便器の多くはこれ以下の水量で済むので節水になります。
タンクがないためトイレを広く使えて、便器周りの掃除も簡単にできます。手洗い場は別途設ける必要がありますが、工夫次第で見た目のよいトイレ空間を演出できます。
しかし、タンクがない分水圧が弱くなり水の流れが悪くなることがあります。また、排水時の音が比較的大きいことや水を流す際に電気を使うので停電時に利用できないといった点に注意が必要です。
水圧は建物の場所が高くなるほど弱くなる傾向にあります。水圧の低い場所にタンクレス便器を設置する場合は、ブースターの設置、水流を工夫して流れやすくした製品や汚れの付きにくい素材でできた製品を選ぶようにしましょう。
2.タンク付便器の特徴
タンク付便器は、水溜用のタンクと便器が一体になった便器です。
メリット

タンクレス便器よりも安価で売られていることが多く、水圧を容易に確保できるため水圧の低い場所でもしっかりと水を流せます。水を流す際に電力が不要なので停電時でもタンクの水を使用できます。断水時にもタンクに水が溜まっていれば水を流せます。災害や停電に備えるのであればタンク付便器を選択しておいたほうがよいでしょう。
また、タンクレス便器に比べて排水時の音も気にならない製品が多いことも特徴です。壁が薄い家、住宅密集地などの音が響く場所への設置に向いています。
デメリット
タンク付便器は水溜用のタンク大きさがトイレ空間を圧迫し、インテリアを損ないやすく、掃除の手間がかかるなどのデメリットがあります。
3.ロータンク便器の特徴
ロータンク便器は、タンクの高さを低く(low)したタイプの便器です。
メリット

ロータンク便器はタンクレス便器とタンク付便器の中間に位置する便器で、タンクがないのは不安だけど、タンクを付けてインテリアを損なうのは嫌だという方には最適なタイプです。
タンクを低くすることにより、デザインによってはタンクがあることに気付きにくい設計になっていたり、掃除がしやすいようにタンクと便器のつなぎ目を失くしたりなどの工夫を凝らした製品が多いことが特徴です。
デメリット
排水時の音の問題はタンクレス便器と同様にある程度大きくなっており、洗浄の際の水量はタンク付便器に若干劣ります。タンク付便器のタンク水量は約13Lなのに対し、ロータンク便器のタンクでは5L程度となっています。
4.収納一体型便器の特徴
収納一体型便器は、手洗い場や収納がすべて一体になっている便器のことです。
メリット

タンクレス便器とタンク付便器のメリットを併せ持った製品といえます。
例えば、タンク付便器では便器の背後にタンクが設置されているため、その両脇や細かい部分の掃除が大変です。しかし、収納一体型の多くは便器の背後が平らのキャビネットになっていて、でこぼこがありません。
トイレ用品や配管も隠せるため、掃除がしやすく見た目も綺麗になります。タンクもキャビネット内に収められ、いつでも強い水圧で流すことができます。また、水圧や停電時の対応を考慮する必要がありません。
デメリット
キャビネットがある分値段は高めに設定されています。トイレスペースが狭いと、キャビネットが収まりきらなかったり、窮屈になったりして逆に快適さを損なうこともあります。使用しているトイレのスペースとのバランスを考える必要があります。