
成功するトイレリフォームのノウハウ
公開日:2016年12月26日

最近のトイレは、「用を足す場所」から「くつろげる場所」「リフレッシュできる空間」へと変化しています。例えば本や漫画を読む、インテリアにこだわる、洗面所と同じ間取りにして朝の身だしなみを整えるなどなど。1日の内に何回も行くトイレが快適であれば、家の中での落ち着ける空間も増えます。
トイレリフォームはそんな快適な空間へと変える大きなチャンスです。家の中でトイレは最も狭い部屋ですが、使用する回数が多く、さらには家族だけでなく来客者も訪れる場所です。そのため、快適さはもちろん、清潔な空間を保つことなどにも注目してリフォームしましょう。
トイレリフォームを成功させるための4つのポイント
トイレリフォームって「何から手をつけたらいいのかわからない」「やるからには失敗はしたくない」そう思う人も多いはずです。トイレリフォームを成功させるためには、ポイントを知ること。それがこの4つです。
- 1、トイレのタイプを知る
- 2、内装にこだわる
- 3、手入れのしやすいトイレにする
- 4、安全性にも配慮したトイレにする
この4つのポイントを抑えてからトイレリフォームをすることによって、今よりも快適なトイレ空間を手に入れることができます。では、具体的にみていきましょう。
【1つ目】トイレのタイプを知る
トイレリフォームと言えば、和式から洋式トイレへの変更や、内装の一新、間取りの変更などさまざまな内容がありますが、大抵は便器の交換が主なリフォーム内容です。しかし、その便器でもタンクがないものや収納や手洗いカウンターと一体になったものなど、最近では形状も変化しています。そのため、まずはトイレにどんなタイプがあるのか知っておくことが大切です。
タンクレストイレ

水を溜めるタンクがなく、水圧で水を流すタイプのトイレです。タンクがないことからコンパクトで、空間を広く使え、デザイン性も高いのが人気です。凹凸が少ないため掃除もしやすいのも魅力のひとつです。
ただし、便座は温水洗浄便器と一体になっているため、便座だけを交換することができない他、手洗いカウンターが必要な場合は別途で設ける必要がある、価格設定も高めであるのが欠点です。
タンク付きトイレ

水を溜めるタンクと便器と便座を組み合わせたタイプのトイレです。よく見かける一般的なトイレで、タンクに手洗いがついているものついていないもの、便座が便器と一体になっているもの、分離しているものなど種類はさまざまあります。 便座と分離しているタイプのものを選べば、便座を好みの機能がついたものに交換することができます。
欠点は、タンクレスに比べ凹凸が多いことから手入れがしにくいことが挙げられます。
システムトイレ(収納一体型)

便器や手洗いカウンター、収納などが一体型になったタイプのトイレです。狭いトイレでもデザインが統一されているため、見た目がスッキリします。手入れもしやすく、何より散らかりがちなトイレの小物をまとめて収納することができるのが魅力です。
このように、トイレのタイプはさまざまあります。使い勝手やライフスタイルなどを考慮し、適したトイレに交換するだけでも快適性は大きく変わります。それぞれの特徴を知った上でトイレのタイプを選びましょう。
【2つ目】内装にこだわる
トイレリフォームは、トイレの交換だけでなく、同時に壁や床、天井などの張替えや照明、設備の設置など内装を一新することでトイレ全体の印象をガラリと変えるケースも多くあります。この内装をほんの少しこだわることで、より快適な空間へと変わります。
便利な設備を取り付ける
トイレは狭い空間ですが、さまざまな設備があります。選ぶ設備によっては、トイレ内のグレード感がアップしたり、使い勝手がよくなったりします。では、一般的にトイレの設備は何があるのでしょうか。
- 手洗いカウンター
- 収納ボックス
- タオル掛け(タオルリング)
- ペーパーホルダー(紙巻器)
- 化粧鏡
- 棚 など

最近では、シンプルなものや個性的なもの、素材など種類は豊富にあります。設置する際は、使いやすさと空間にあったカラーやデザインを選びましょう。
また、収納やタオル掛け、ペーパーホルダーなど、設置する位置によっては使いにくくなることがあります。収納は手の届きやすい位置に、タオル掛けやペーパーホルダーは使いやすい位置に設置するよう心がけましょう。
明るすぎず、暗すぎない照明にする
トイレの照明は、明るすぎても暗すぎてもよくありません。
ホテルや飲食店でよく見かける、照明を落としたトイレや間接照明を使ったトイレは、雰囲気もあり、オシャレにも見えるため実際に自宅で採用する人も多いですが、あまり暗すぎると自分の健康状態の確認ができない、掃除がしにくい、本が読みにくいことがあります。
また反対に明るすぎると、目が冴えていない夜中にトイレに入ったときに眩しく感じ、寝付きが悪くなる可能性があります。
できるだけ柔らかい光、明るさが調節できるものなどにするといいでしょう。さらに消し忘れが多いトイレは、センサーで反応するタイプのものを選ぶと省エネにもなり経済的です。
落ち着く内装のカラーにする
トイレリフォームは、トイレ交換と同時に床や壁、天井などを張り替えるケースも多くあります。基本的には白色が選ばれることが多いですが、独立した空間であるため、派手なカラーや柄をもってくることもできます。だだし、それがリラックスできる色や柄であるのかよく考えてから選びましょう。
また、トイレが複数ある場合は使う人に合わせてカラーや柄を変えても良いでしょう。 例えば、小さなお子様がいる場合は、少し遊び心があるポップな壁紙、来客用のトイレがある場合は、落ち着いた雰囲気の壁紙を選んでみるのも面白いです。

【3つ目】手入れのしやすさも重要なポイント
快適性と同じく大事なのがトイレの清潔感です。その清潔感を保つためには、手入れがしやすいこともトイレリフォームをする上で大きなポイントです。最近では、トイレ本体はもちろん、床材や壁材、換気扇なども手入れがしやすいものが登場しています。
トイレの形状や素材、機能に注目する
最近のトイレは、掃除がしやすい形状のトイレや汚れがつきにくい加工が施してあるトイレなど、各メーカーでもさまざまな工夫がされています。
タンクレストイレのように形状がシンプルで凹凸が少ないものであれば、掃除も簡単です。また、掃除がしにくく汚れが溜まりがちだった便器のフチ裏部分をなくしたものや、素材を汚れのつきにくい素材にしたものなど、従来のトイレよりもグンと清掃性が向上しています。さらに、自動洗浄機能や水を流すと共に汚れを落としてくれる機能なども充実しています。
掃除がしやすい形状のトイレや機能に注目し選ぶことによって、トイレの清潔感が高まります。
床材・壁材は汚れに強いものを
トイレは、思っているよりも汚れが飛び散ります。清潔感を保つためには、床や壁などの手入れも欠かせませんが、毎回使用するたびに掃除は困難です。そこではじめから汚れに強い床材や壁紙を選びましょう。汚れがつきにくくなり、お手入れも楽になります。
特に、床材は水や洗剤などに強いものがおすすめです。デザイン性が高いフローリングが人気ですが、基本的に木は水に弱い性質です。アンモニアや洗剤などが付着すると変色したり、腐食してきたりするため表面の耐久性があるかどうかなどチェックしてから選びましょう。
さらに、トイレは臭いも気になるところです。壁材で消臭効果が得られるものを選ぶと、臭いが抑えられ清潔感あふれます。
換気扇も手入れがしやすいものを選ぶ
トイレの清潔感を保つためには換気が必要です。小窓をつけて自然換気する場合もありますが、換気扇を設置する場合は、換気扇の手入れがしやすいかどうかを確認しましょう。
換気扇も、ルーバーや羽根の部分、フィルターなどが簡単に取り外せたり、掃除機で手入れできたりするものなどさまざまな工夫がされています。設置する際は、取り付け位置や清掃のしやすさなどを考慮してプランを立てましょう。
【4つ目】安全性にも配慮したトイレにする
トイレは家庭内でも事故が発生することが多い場所です。そのため、トイレリフォームのプランを考える時、快適性や清掃性と同時に「安全性」にも配慮することが大切です。
高齢者がいる場合はもちろん、将来、高齢になったときのことを考えてバリアフリーのトイレプランをたてることも考えましょう。
手すりは必須
トイレでは、座る・立つなど動作が多いため、安全性を高めるためには手すりの設置は必須です。一般的には、利用する人の利き手側に逆L字で設置します。ですが、利用する人の身長や体形によって位置は異なるため、使う人が使いやすい位置に設置することが大切です。
手すりはⅠ型やL型、跳ね上げなど形状もさまざまあります。

スペースは広めに、ドアは引き戸に
トイレのスペースは可能であれば広めに確保しておきましょう。将来、車椅子での生活や介助が必要になった時、トイレのスペースを広めにとっておくことで、出入りもしやすく、介助も行いやすいです。 ちなみに、横に立って介助を行う際は、便器から50㎝以上スペースがあると楽に行えます。
ドアは可能であれば引き戸、もしくは外開きのドアにしましょう。万が一、トイレ内で倒れたときにドアが開かないのを防ぐことができます。
ちょっとした床でも段差はなくす
高齢になってくると、ちょっとした段差でもつまずいてしまうことがあります。転倒して怪我の危険性もあるので、段差のないフラットな床にしましょう。トイレの中はもちろん、トイレにつながっている廊下なども段差を解消しておきましょう。
トイレリフォームのタイミングは15年~20年を目安に行う
トイレリフォームをしたいとは考えているけれど、「まだトイレは使えるし…」「後回しにしよう」なんて思う方も多いのではないでしょうか。確かに、広さや内装を一新しない限り、そこまで変化しない場所なので踏み切れないこともあるかもしれませんが、トイレにも当然、寿命やリフォームをした方がいい理由があります。
一般的なトイレリフォームのタイミングは、15年~20年が目安です。この目安の時期の他、破損やライフスタイルの変化などもタイミングのひとつです。
トイレと言えば、便器や便座、タンクで構成されていますが、便座以外の便器とタンクは基本的に陶器でできています。陶器は、頑丈で破損しにくいため、欠けたり壊れたりしなければずっと使い続けることは可能です。
しかし、トイレはタンクの中に部品が入っていたり、配管が繋がっていたりします。そのため、その部品の交換が必要です。時期はメーカーや状況にもよりますが、基本的にタンクの中の部品は5~10年、配管やパッキンなどは15~20年を目安に交換します。便器やタンクも当然、ヒビが入ったり、汚れが落ちにくくなったり、変色してきたら交換する必要があります。
トイレは浴室や洗面所など他の水まわりのリフォームと一緒にリフォームすることが効率的です。そのことも考慮すると15年~20年が目安です。
昔に比べ、トイレの機能や性能は格段に進化しています。リフォームすることによって手入れが楽になったり、節水性があがり電気代や水道代がお得になったりと多くのメリットがあります。タイミングがきたらリフォームを検討しましょう。
あなたの理想のトイレはどんなトイレ?
15年~20年が経ち、トイレリフォームのタイミングで、あなたはどのようなトイレ空間にしたいのでしょうか。タイミングが近づいてきたらイメージを持って準備をしておきましょう。 ここでは、簡単にトイレのイメージを6つご紹介します。
ホテルのような高級感があるトイレ

手洗いカウンターや間接照明、ダークな色味で高級感を演出。誰もが落ち着ける空間に。
カラフルなトイレ

壁や床をイエローで統一し、シンプルになりがちなトイレをカラフルに。明るく清潔感も。
内装にこだわったトイレ

2色のタイルを床に敷き詰め、手洗いカウンター、奥には間接照明と、内装にとことんこだわったトイレ。さらに、手入れもしやすい。
温もりがあるトイレ

全体を木材で統一したトイレ。
行くたびに温もりを感じることができます。
シンプルなトイレ

カラーを白に統一し、シンプルで清潔感があるトイレに。
朝の身支度も同時に行えるトイレ

洗面台とトイレが一緒になった間取り。朝の身支度などもここで済ませば、時間短縮に。
理想やイメージは掴めましたか?トイレにもさまざまな種類があり、壁・床の素材やカラー、広さ、窓の有無など内装によっても印象が全然違うことがわかるかと思います。
トイレをおしゃれに演出する3つの方法
みなさんは何も飾っていないトイレと、照明や小物にこだわっているトイレと、どちらのトイレがおしゃれで印象的だと思いますか?
多くの方が、小物にこだわっているトイレの方が印象に残り、おしゃれだと感じるのではないでしょうか。そんな空間を、リフォームを機に自宅のトイレも演出してみてはいかかでしょう。 トイレをこだわることによって、毎日のトイレが素敵な空間になるだけでなく、来客者からもいい印象をもたらすことができます。
そのおしゃれになる3つの方法をご紹介します。リフォームするタイミングでご検討ください。
1.間接照明を上手く使う
照明は空間を演出する上で重要な役割をもちます。落ち着いたトイレや明るいトイレ、高級感があるトイレなどさまざまありますが、雰囲気を出す方法としてよく用いられるのが間接照明です。しかし、間接照明といっても位置や照らし方などによって雰囲気は大きく変わってきます。
実際に、間接照明を使った2つの例をみてみましょう。
*置き型の例*

置き型の間接照明を使ったトイレです。小さめの照明で低い位置に置くと全体的に落ち着いた雰囲気になります。
*壁付け型の例*

壁に間接照明を設置したトイレです。壁に向かって光を当てることで柔らかい印象になり、トイレ全体に広がりや立体感ももたらしてくれます。
このように、間接照明ひとつでもトイレの印象が大きく違うことがわかります。設置する際は、コンセントや別途工事が必要になることもあるので注意しましょう。
2.収納で見せ場を作る
トイレ内の収納方法や素材などを工夫することによって空間のアクセントとなり、おしゃれに演出することができます。
例えば、壁を一部分凹ませて飾り棚として利用できるようにする方法は、収納スペースや小物を置く場所になり、見せ場を作ることができます。また、素材や形にこだわった収納棚を置けば、そこに目を向かせることができます。
作る際は、トイレ全体のデザインに合わせて素材や収納を選びましょう。

3.観葉植物や小物でみせる
トイレ内に観葉植物や好みの絵、本、写真などを置くこともひとつの方法です。トイレ内のワンポイントになるだけでなく、居心地のいい空間にすることもできます。
観葉植物や本など以外の小物では、以下の4つ方法で演出することもできます。
- ウォールステッカー(壁に貼れるシール)を貼る
- ペーパーホルダーやタオル掛けを個性的なデザインにする
- 予備ロールをデザインがある包み紙で包む
- トイレタンクを飾る

まとめ
どんなトイレ空間にしたいのか、イメージやポイントは掴めたでしょうか。リフォームをする上で大事なのは快適さと清潔感と安全性です。
最近のトイレは、フタが自動で開閉したり、便器内を自動洗浄したり、手入れがしやすい形状になっていたりなど機能性が向上しています。また、省エネ性やデザイン性にもこだわるなど、各メーカーさまざまな工夫がされていることなどから、トイレ本体を交換するだけでも快適性や手入れのしやすさが大きく変わります。
トイレは狭い空間ですが、こだわってリフォームをすることで、家の中でくつろげる場所が増え、快適な空間になるでしょう。