
リフォームポイント
和式トイレから洋式トイレにリフォームする方法と費用をご紹介
公開日:2019年03月04日

昭和30年頃までは、日本の住宅のほとんどは、和式トイレだったと言われています。昭和34年に日本住宅公団が、洋式トイレを採用したことから洋式トイレの急速な普及が進みましたが、築年数が経過している住まいではまだ和式トイレの住まいがあります。
バリアフリー化が進み新築では安心、安全な住まいになっていますが、築年数が経過している住まいはまだバリアフリー化が十分ではありません。和式トイレもそのひとつです。
和式トイレは用をたすのに体に負担がかかります。自宅をバリアフリーにするのに、和式トイレを洋式トイレにリフォームすることは不可欠でしょう。
和式トイレから洋式トイレへのリフォームといっても大規模なものから、簡易的なものまで様々あります。まずは、この記事を読んでいただき、どのようなリフォーム方法があるのかを掴んでいただき、ご自分に合ったリフォームの方法を見つけてみてください。
和式トイレから洋式トイレリフォームの工事の流れ
まず、掴んでいただきたいのは、和式トイレから洋式トイレにリフォームする際に、どのような工事の流れになるのかを理解していただきたいと思います。一般的な工事の流れの紹介ですので、これに限らない場合もございます。例えば、解体が発生しない工事もございます。
1.和式トイレ本体、床、壁の解体
和式トイレは床に埋め込まれています、また段差がついていますのでそれらを解体しなくてはなりません。
2.配管工事
洋式トイレに合わせて、配管を施工し直さなくてはなりません。
3.内装工事
大体の和式トイレの場合の床は、タイル貼りなどになっている場合がほとんどです。これは、汚物などが、洋式トイレに比べて散乱しやすい為、水洗い等をできる仕様としている為です。その為、洋式トイレにするタイミングで内装工事もやりかえる場合がほとんどです。
4.洋式トイレの設置
最後に洋式トイレを配管等と接続して、しっかり固定して完成です。
和式トイレから洋式トイレへのリフォーム3つの方法
洋式トイレのリフォームには、いくつかの方法が存在します。ここでは、それぞれの工法の特徴を紹介していきます。
一般工法による洋式トイレリフォーム
従来から行われている方法は、一般工法で、在来工法とも呼ばれています。この工法は、工事の流れで説明した通りの方法で、既存の便器を床ごと壊して、新しい便器を設置する工法です。後に述べる、新工法ができるまではこの工法しかありませんでした。
工事は、大掛かりになりますので、トイレ全体をリフォームしたいなどを考えているのであればよろしいかと思います。
既存を中途半端に利用する事は無いので、しっかりとトイレがリフォームされるでしょう。
リモデル工法による洋式トイレリフォーム
リモデル工法とは、TOTOが持つ特許工法で、既存の和便器の上部だけを撤去し、既存配管を利用した上で、新しい便器を新設する工法です。従来の一般工法の一週間ほどかかる工期を2日間ほどに短縮することができる画期的な工法です。LIXIL社にも類似工法は存在します。
この工法は、公共建築等をメインにした工法なので、一般住宅には向いていません。でも、フラットな床構造の場合は検討価値があるかもしれませんので、設備業者に相談してみましょう。
和式トイレを簡易取り付け工法で洋式トイレにリフォーム
簡易取り付け工法は、本当に簡単にできる工法で、TOTO社ではスワレット、LIXIL社では和風アタッチメントという商品名で売り出されています。
取り付けは、既設の和風便座に被せるだけです。固定や配管工事は発生しますが、既設のものを取り外すような大掛かりな工事は必要ありません。本当にトイレだけを洋式化したいという人には良いかもしれません。
便器自体も陶器製で洗浄機能もしっかりしているので清潔感を保てます。もちろんウオシュレットだって取り付け可能です。
和式トイレから洋式トイレにリフォームする費用相場
トイレリフォームにおける費用は、一般的には製品代、取り付け工事費、解体工事費、内装等工事費により構成されます。
ここでは、紹介してきた工法についての費用相場をご紹介します。
一般工法による費用相場
価格差は、便器自体の値段で大きく左右されますが、だいたい30~40万円程が、内装工事までを含む相場という所になります。ウォシュレット等を取り付けると10万円プラス、タンクレス等にすると40万円程プラスとなります。
リモデル工法による費用相場
便器の値段等の上がりは説明した通りですが、リモデル工法の費用相場もだいたい30~40万円程です。解体工事費は削減されますが、TOTO等の認定工事店等しか施工できないところが、値段が高い理由かもしれません。
一般工法と同じく、ウオシュレットなら10万円、タンクレスなら40万円ほどプラスになります。
簡易取り付け工法による費用相場
紹介してきた工法の中では一番安く10~20万円程でしょう。やはり、工事内容が一番少ない分、工事費も安くなっています。簡易取り付け工法の場合は、タンクレスという考え方はありません。ウオシュレット付きなら10万円プラスとなります。
和式トイレから洋式トイレにすると附属工事がかかる事も
和式トイレを洋式トイレに変更する方法を紹介してきましたが、状況によっては様々な附属工事が発生することもありますので注意してください。
代表的な附属工事を紹介します。
コンセント工事
ウオシュレットを取り付けようとお考えになった場合、コンセントがないとウオシュレットを使うことはできません。和式トイレの場合には、そのようなコンセントを備えている事が少なく、電線をどこからか引っ張ってこなくてはなりません。
天井に照明などがついているはずなので、そちらから電線を持ってくるなど配線工事が必要です。
安易に配線を組み替えるとブレーカーが落ちるなどの原因になりますので、適切な方法をリフォーム会社等に相談しましょう。
内装工事
内装工事は、リフォームをどのようにするかによって工事内容が大きく異なってきます。
和式トイレの場合は、大体床面がタイル貼りになっているので、床をフローリングやクッションフロアなどに変更する場合は多いでしょう。また、タイルは壁面に立ち上がっているので、天井まで壁面を張り替えると費用がその分高くなります。
予算等の都合になりますが、今回のリフォーム目的はなんなのかをしっかり定めて臨みましょう。
介護保険を利用して補助を受けることができる
和式トイレから洋式トイレにリフォームするきっかけが、高齢化や病気などによる介護という方も多いのではないでしょうか。当然、リフォームとなると費用はかかるので、少しでも出費を減らしたいと考えるのが普通でしょう。
そんな方に知っておいていただきたいのが介護保険を利用して補助を受けることができるシステムです。
介護保険は、介護を必要とする人を相互で助け合うことを目的に、40歳から支払いの義務が生じ、介護を必要とする高齢者などへの医療負担をする仕組みになっています。
介護認定されており、住宅等の改修を必要とする場合には、地方自治体等から金額の補助を受けることができるのが、介護保険の住宅等改修補助です。一般的には、20万円程を上限とされていますが、自治体によっても異なるようなので、お住まいの地域で確認してみましょう。
まとめ
和式トイレから洋式トイレへのリフォームについて、工事方法の種類や金額面、介護保険利用などを紹介してきました。
和式トイレの不便さをリフォームで解消して、高齢者でも安全に暮らせる住まいづくりを目指して下さい。
介護保険や補助金が出ているので、まだ和式トイレを利用されている方は積極的に検討してみてはいかがでしょうか。