ベランダ・バルコニーリフォームのノウハウ

リフォームポイント

ベランダ・バルコニーのリフォーム前に考える4つのこと

ベランダ

ベランダ・バルコニーのリフォームは古くなったから交換する、補修するためだけではありません。目的を明確にし、さまざまな事に配慮することで快適性がアップし、満足度が高いリフォームになるでしょう。

目的を明確にする

ベランダやバルコニーをリフォームする際は、完成後にどのような目的で使いたいのかを明確にすると、どの部分をどんな方法で行えば良いのかが解りやすくなり、必要な材料やそれに掛かるコストの計算にも役立ちます。ここでは比較的活用されやすい、物干し場としてのリフォームとアウトドアリビングとしてのリフォーム内容についてご紹介します。

物干し場をメインとしたリフォーム

洗濯物は基本的に外に干すことが多く、ベランダやバルコニーを利用する家庭は多いでしょう。そのため物干し場をメインとしたリフォームを行うのであれば、屋根の設置を検討すべきでしょう。外出時の急な雨でも屋根があれば洗濯物は濡れず安心です。

また、最近の屋根の素材には紫外線をカットできるものもあり、室内の家具やカーテンだけでなく、お肌の日焼けも防いでくれる効果があります。

他にもオプションとして、収納式の物干しや棚などを設置すると物干し場の機能性もアップします。収納式の物干しは、洗濯をしないときはしまっておくことができるため、見た目もスッキリします。洋服だけではなく、靴や布団を干すことができるタイプの物干しや、棚を設置しても便利なため、検討してみるのも良いでしょう。

アウトドアリビングをメインとしたリフォーム

アウトドアリビングとは、広めのベランダやバルコニーの屋外空間をリビングと一体化させ、屋内と同じように生活の場として使える空間のことです。ガーデニングをしたり、バーベキューをしたり、テーブルや椅子を出しておしゃれにお茶会を楽しんだりといった使い方があります。

これらをメインとしたリフォームの場合、もともとのベランダ・バルコニーの広さによっては、大きさ自体を変えたほうが良いでしょう。その際は、奥行を広めに取るのがポイントです。但し、階下にある部屋の採光や柱の位置には十分配慮してください。ベランダ・バルコニーは豪華になったが下の部屋の日当たりが悪くなったでは、リフォームの成功とは言えませんので注意が必要です。

また、床にウッドデッキやタイル等を敷き詰めるリフォームも多くみられます。ベランダ・バルコニーと接する部屋の床と高さを合わせることで、その部屋も広く見える効果を生み出します。敷き詰めるタイルを同系色にすると、部屋の広さもより強調されるでしょう。

風通しや日当たりもチェックポイント

目的やデザインが決まっても、風通しや日当たりの確認も大事なポイントです。そのためには、設置する位置やフェンスの種類に注意しましょう。

設置方法には、2階の窓に後付けするタイプの柱建てと2階窓の屋根に設置する屋根置き式があります。

アウトドアリビングを目的として奥行を広げれば、それだけ階下の影になる部分が増え、日当たりに影響を及ぼします。柱建ての場合は柱の位置にも注意し、日当たりをチェックしましょう。

また、ベランダ・バルコニーそのものは屋外にあるので、風通しが良いかもしれません。しかし、デザイン性を重視し、風が通りにくいフェンスを選ぶと、室内への風通しが悪くなり湿気もたまってしまう可能性があります。風通しが良いかどうか確認してから選びましょう。

目隠し機能やメンテナンスにも配慮

目隠し機能がついたフェンスを選ぶことで、外からの視線を遮ることができます。最近は、バリエーションも豊富で様々な種類の中から外観などに合わせたフェンスを選ぶこともできます。

しかし、見えにくさも重要ですが風通しの悪さは湿気を溜める原因にもなるため、目隠し機能と通風性を兼ね備えた商品を選ぶなどしましょう。

また、ベランダ・バルコニーは屋外にある分、室内よりも腐敗が進みやすい場所です。雨風にさらされて腐敗する事を防ぐために、リフォーム時に防水加工を施すのも良いでしょう。但し1回の加工で永久に防水できる訳ではないので、定期的なメンテナンスが必要になります。

メンテナンスを怠ると、美観が損なわれるだけでなく、雨漏りなどの原因にもなりかねません。マンションなどの集合住宅では階下の住人に迷惑がかかってしまう可能性がありますので、点検や手入れをしっかりと行いましょう。

安全対策もしっかりと

一般的な住宅においてベランダやバルコニーは、洗濯物を干したり観葉植物を楽しんだりと大事な存在です。

しかし、地上からの高さもあるため家庭内でも転落する事故が多い場所でもあります。未然に防げるよう安全対策を施すことが必要です。特に小さい子供がいる場合、子供は予測もしない行動をするためしっかりと安全に配慮しなくてはなりません。リフォームをする際には、安全にも注意した上で行いましょう。

手すりの高さは110㎝以上と定められている

マンション等にバルコニーや屋上を設置する場合、高さ110cm以上の手すりや金網などの壁を設ける必要があります。これは転落事故を防ぐために建築基準法で定められており、マンションや3階以上の戸建住宅に適用されます。戸建て住宅の2階以下にある場合は適用されません。

なお、手すりなどの材質や強度については特に規定がありませんので自身で確認する必要があります。

手すりの隙間にも配慮する

ベランダやバルコニーに格子状の手すりを設置する場合、高さだけでなく間隔や隙間についても配慮が必要です。

一般的には11cm以下、つまり小さな子供の頭が通り抜けない寸法を基準に設計されています。頭は通らなくとも体だけがすり抜けてしまう危険性の高い箇所の場合は、念のため9cm以下にすることをおすすめします。

足がかりをつくらない置かない

踏み台や子供用の椅子、ガーデニング用の鉢など、どのようなものでも小さな子供がよじ登れる物であれば足がかりとなります。また、プライベート保護の目的で設置された格子状のラティスも、足をかけるには十分の隙間があります。

これらがベランダやバルコニーに置いてあると、子供がよじ登ることができるため、手すりを乗り越えて転落してしまう可能性があります。

そのための対策は簡単です。

足がかりになるようなものを作らない、置かないことで、転落の危険性を回避できます。どうしてもベランダに必要なものであれば、手すりから離れた場所に固定するなどの工夫が必要です。

物を置けないような手すりの形状に

ベランダやバルコニーの手すりに物を置くと、落下して事故に繋がる恐れがあります。

普段から物を置かない習慣をつけておくことが大切ですが、斜めのものや丸みを帯びた形状の手すりを採用すれば、物を置くことができないので事前に落下事故を防ぐことが可能です。