ベランダ・バルコニーリフォームのノウハウ

リフォームポイント

ベランダ(バルコニー)に屋根を後付できる?

ベランダ屋根

急な雨で、ベランダに干した洗濯物がびしょ濡れになった。自宅を新築した時、ベランダの屋根まで考えが及ばず後悔した。

実はこういったお話はよくあります。もちろん新築時やリフォーム・建替え時、ベランダ屋根の設置が方角やスペースの関係で無理だった、と諦めるケースもあります。しかし、リフォームであれば、何かしらお悩みを解決する方法が見つかるもの。

今回はベランダ(バルコニー)に屋根を後付けすることについてご紹介していきます。

ベランダ(バルコニー)に屋根を後付することは可能

そもそも、ベランダ(バルコニー)に屋根を後付できるのでしょうか?

結論から申しますと、ベランダ(バルコニー)に屋根を後付けすることは可能です。あとで思い立ってから付けることが可能です。

「ベランダ」「バルコニー」「テラス」の定義

この記事では、ベランダ(バルコニー)と表現していますが、実は定義があるのでまずはベランダとバルコニー、テラスの定義をご説明したいと思います。

実は、これらの用語の定義ははっきりとしておらず、リフォーム業者によっても曖昧なカテゴリの部類なのです。こちらでは、戸建住宅における一般的な用語としてご説明します。

  • ベランダ
    1~2階にあり、建物から張り出したスペースで、屋根・庇がある事が多い。
  • バルコニー
    主に2階にあり、建物の外面に張り出したスペースで、屋根がない。
  • テラス
    建物からの床と同じ高さの庭・道路、街路に向けて張り出した部分で、リビングやダイニングと繋がって設けられたスペースで、屋根がない。

以上は全てに当てはまる訳ではありませんが、参考にしてください。少なくともこの記事の中ではご説明した定義で話を進めます。

整理しますと、主に屋根を設置できるのはバルコニー、テラスということになります。次は用途について考えてみましょう。

屋根つきバルコニーの使用用途を考える

バルコニーに屋根をつけたい理由を考えてみます。理由と使用用途をはっきりさせることで、ご自宅のバルコニーにどのような屋根が最適なのかが判ってくるはずです。

まず、このようなお悩みはありませんか。

  • 干していた洗濯物が雨に濡れて困る
  • とにかく日差しが眩しくて、カーテンが開けられない
  • 雨や雪などが窓に当たる
  • バルコニーの劣化が気になる

例えば、洗濯物が濡れて困るのなら、程々~大きめの屋根が良いですし、天候対策なら、簡易的な屋根で良いかもしれません。バルコニーの劣化を防ぎたいのであれば、バルコニー全体が覆われるような大きいものが適当となります。

つまり、ご自宅のバルコニーにはどのような屋根が相応しいか、リフォーム前にぼんやりとでも想像することが大切です。

バルコニー屋根の種類は2タイプ

では次に、バルコニー屋根にはどのような種類があるのか見ていきます。

まず、バルコニーの屋根にはフラット型とアール型があります。バルコニーの方角や風向きなどから、ご自宅に合う形状の屋根を選びましょう。

なお、一般的な屋根の素材は、ポリカーボネートです。熱線軽減タイプもあります。

フラット型

屋根が直線的な形状をしており、見た目もスタイリッシュで、開放感があるのが特長です。急な雨の吹込みから、洗濯物を守るのは難しいというデメリットがあります。

アール型

屋根がカーブ状になっており、前からの雨の吹込みを防ぐほか、降雪時には雪が滑り落ちやすい特長があります。遮光性はフラット型よりも優れています。

バルコニーに屋根を設置するポイント

設置する屋根の方角を確認

バルコニーに屋根を設置する目的としては、洗濯物が濡れないように、室内に入ってくる太陽光を抑えるなどが多くの理由です。そのため設置する屋根の方角を確認し、屋根が役割を果たせる場所なのかをしっかりと抑えておく必要があります。

たとえば南や南東は非常に日当たりが良いので、洗濯物もよく乾き、急な雨でも屋根があれば濡れることもないため、屋根の設置に最適だと言えます。しかし、北や北西だと年中日差しが殆ど当たらないので、洗濯物や布団を干しても乾きが悪く、屋根を取り付ける意味もないと言えるでしょう。 また、その他の方角でも屋根の役割を果たすかどうかを考えてから設置しましょう。

屋根を選ぶ際は地域性や機能性を考慮する

バルコニーに設置する屋根を選ぶ際は、住んでいる地域の気候に適したタイプのものを選ぶことが大切です。 例えば、積雪地帯だと耐雪性に優れた屋根材を選ぶ必要があります。雪を落としやすくするために屋根の角度に配慮した商品なども見られます。 強風や突風などが多い場所であれば、パネルの厚みを増したものや、屋根が抜けにくいように施されたものなどを選ぶことで、耐風性が高くなります。どちらも合わせて確認しておきましょう。

また、屋根材には汚れの付きにくいもの、強度や防火性に優れたものなど、選ぶ材質によって機能が異なります。近年では適度な採光と紫外線カットを兼ね備えたタイプや、熱を吸収して気温の上昇を抑える省エネタイプなども人気です。バルコニーの使用目的や用途、地域に合わせて選びましょう。

バルコニー屋根の設置費用

一般的なバルコニーに屋根を後付けする場合の工事費用は、以下のように成り立っています。

【リフォーム総費用】
1.本体費用(メーカー品) + 2.オプション品 + 3.工事費用(諸経費含む)

費用相場:10万~30万円

業者によっては本体価格の値引きがあり、業者ごとに費用に違いがあります。なるべく相見積もりを取った上で判断しましょう。

1.本体費用

エクステリアを扱うメーカーは数多くあります。各社一般的なタイプ、柱がないタイプ、積雪地域などに対応した高性能なタイプまで、価格帯が異なります。主に耐荷重性能が2種類用意されている事が多く、内容としては積雪~20cm地域用(600N/㎡)、積雪~50cm地域用(900N/㎡)などとなっています。

次に、参考例として価格をご覧ください。参考例は価格帯として一番お求めやすいタイプですが、屋根の形状、素材、間口により変動していきます。

1階テラス屋根/柱2本設置/Y社

【商品】屋根形状アール型/ポリカーボネート/柱2本
【仕様】間口 : 1.0間(約1m80cm) × 出幅 : 3.0尺(約90cm)
【価格】メーカー希望小売価格(税込)¥92,448

2階バルコニー屋根/自在桁仕様/L社

【商品】屋根形状フラット型/ポリカーボネート/造り付け屋根
【仕様】間口 : 1.0間(約1m80cm) × 出幅 : 3.0尺(約90cm)
【価格】メーカー希望小売価格(税込)¥103,140

2.オプション品

目隠し効果がある前面パネルや、取付金具、隙間ふさぎ材、竿掛けなどがあります。

3.工事費用(諸経費含む)

上記に加えて標準工事費、オプションがある場合はオプション工事費が加算されます。標準工事費は、工事が一日で終わる場合3万円(税別)~の場合が多いようです。工事日数や、基礎工事、間口・柱の本数により変動します。

バルコニーに屋根を設置したときの固定資産税

バルコニー屋根を後付したあとの固定資産税が気になるところですが、バルコニーの突きだし部分が外壁から1m以内であれば、固定資産税額には影響しません。

ただし、出幅1m以上のバルコニー屋根設置や、敷地に柱を建てる際には注意が必要となります。後付した屋根部分が建物面積と認められた場合、課税の対象になる場合があります。

ところで、屋根を設置するリフォーム前に、建築確認申請が必要となる場合があります。リフォームの前に、固定資産税のことと合わせて業者や自治体の窓口に相談すると良いでしょう。

バルコニー屋根のよくある質問

Q1. バルコニー屋根を後付するのに不向きな方角は?

洗濯物を干すことを目的とするなら、日照条件が良い南・南東方角は最適です。北・北西方角は、洗濯物の乾きが悪く、屋根をつけるのには向かないでしょう。その他の方角もあまり日差しは期待できませんが、目隠しや風・雨除けの目的なら良いでしょう。

Q2. 外壁に穴を開けたくないが、対応できる?

外壁に穴を開けてしまうと、ハウスメーカーの補償対象から外れてしまうケースがあるようです。しかし各エクステリアメーカーで、壁に接続せずに設置ができる【独立タイプ】が用意されています。ただし、【独立タイプ】は1階設置に限られます。

Q3. 色はどのように選べばいい?

バルコニー屋根は、カラー設定が大きく二種類に分けられます。まずはアルミ単色のブロンズ色・シルバー色・ホワイト色など。次に木目調のフィルムを貼ったタイプがあります。木目調タイプは単色よりもやや高価格となります。

バルコニー屋根のカラーは、既存住宅のサッシ色に合わせるのが基本です。例えば、住宅サッシの色がブロンズなら、ブロンズ色のバルコニー屋根を選ぶと良いでしょう。

Q5. 柱なしタイプのメリット・デメリットは?

柱なしタイプのメリットは、見た目がスッキリとして、動線を遮られないことです。デメリットは、柱が無いことから強度不足となり、屋根の出幅が1200mm程までのサイズに限られてくることです。

まとめ

バルコニー屋根を設置することによって、雨で洗濯物を濡らす心配もなくなり、安心して外出できるようになります。

バルコニーの屋根は積雪地域やタイプによって価格帯が変わってきます。まずはメーカー各社の特長を確認しながら、お好みのバルコニー屋根を選定しましょう。

満足度の高いリフォームにより、ゆとりのある生活ができるようになると成功でしょう。