
リフォームポイント
和室の魅力
公開日:2015年08月13日
和室の最大の魅力は、1つの空間を様々な用途にあわせて利用できる点です。
居間や子供の遊び場など、普段は誰もがくつろげるスペースとして利用している和室も、布団を敷けば寝室に、来客時には客間に様変わりします。
限られたスペースを効率よく活用できるので、日本の住宅事情に適しているといえます。
最近では洋風な間取りが主流になりつつあるため、和室が配置されていない家も多くなりました。
しかし、“い草”の香りや障子から差し込む穏やかな日差しなど、日本人にとって和室は「ほっ」とできる安らぎの空間であることに違いはありません。この空間こそが、洋風にはない日本ならではの部屋で和室の魅力です。
和室で使われている畳・障子・ふすまの特徴
畳

和室における畳は、なくてはならない床材のひとつです。反対に畳を求めて和室を設けるという方も少なくありません。
原料である“い草”を編み込んでできたのが畳です。断熱性に優れ、部屋の湿気を調節してくれる役割があるため季節を問わず快適に過ごす事ができます。クッション性があるので転んでも安心で、吸音効果がある事が特徴です。
畳といえば、色は淡いグリーン、畳一枚一枚を囲っている縁(へり)があるイメージでしたが、近年では畳の色や縁の材質もバリエーション豊富なので洋室との相性も良く、部屋のアクセントにもなるように変化してきました。
障子

障子とは、和室の扉や窓に設置されている日本特有の建具のひとつで、主に室内を仕切る役割をもっています。和紙が張られている障子は、閉めた状態でも外の光を取り込むことができるほか、通気性や断熱性にも優れているため、室内の冷暖房を調整する役割も果たしていることが特徴です。
障子はシンプルなものから、ガラスを入れた障子のようなデザイン性があるものまで様々な種類があります。
ふすま

和室に入る際、まず目につくのがふすまです。部屋の間仕切りや押入れの戸などに用いられるふすまは、軽いため、開閉しやすく簡単に取り外せるので、和室の雰囲気を変えたい時に最適です。
ふすまは主に布や紙が張られており、吸湿性などにも優れています。近年では汚れに強いビニールコーティングされたものも人気です。
デザインもシンプルなものから腰模様、総柄など様々あり、部屋の用途や雰囲気にあわせて自由に選ぶことができます。
和室のメリットとデメリット
和室のメリット
和室の最大のメリットは、日本人にとって癒しの空間であることです。
気温に関係なくいつでもすぐに横になることができ、“い草”の香りの効果で気分を落ち着かせてくれます。
和室は風通しが良く、畳や障子、ふすまの機能によって湿気の多い時期でも比較的涼しく快適に過ごすことができます。
客間として使用する際は直接畳の上に座るので、たとえ来客数が多くても「椅子が足りない」という心配をしなくてもよく、寝室としての利用も可能です。
和室のデメリット
和室のデメリットは、畳やふすまなど傷みやすい材質が多いため、定期的なメンテナンスが必要になることです。綺麗な状態で長持ちさせるためには、こまめな手入れも大切となりますが、コーヒーなどをこぼしてしまうと、掃除や拭きとりに気を使い、シミになってしまうこともあるため、注意が必要です。
また、家具を同じ場所に置いたままにすると、ダニやカビが発生してしまうこともあります。
和室を設けたものの、思ったより使用頻度が少なく持て余してしまうこともあり、和室を設けた分、リビングやダイニングが狭くなってしまうといったケースも発生します。
和室の活用法
和室といえば伝統的で趣のあるイメージが強く、仏間や応接間として利用することを想定して設ける人が多いようですが、和室は用途に合わせて様々な使い方をすることが可能です。
【和室の主な用途】
- 取り込んだ洗濯物を畳んだりアイロンをかけたりする家事スペース
- 食事をしたり、横になってくつろいだりするリビングダイニングスペース
- 机を置いた落ち着いた雰囲気の書斎や勉強部屋
- 寝室
- 来客時の客間や応接間
- 小さな子どもの昼寝やおむつ替えのスペース
- 子どもの遊び場
和室につきものの押入れは、頻繁に使うことのない来客用の布団など大きな物を大量に収納することができるので、とても便利です。
このように和室を多目的スペースとして活用するためには、こまめに片付けて自由に使えるスペースを常時確保しておくことが重要です。タンスのような大きな家具を置いてしまうと、客間として利用しにくくなるほか、どんどん物が増えてしまい、ただの物置場になってしまうケースも少なくないので注意が必要です。