
基礎知識
窓の種類
公開日:2015年09月02日
窓の開閉方法による種類
引き違い窓
横にスライドさせて開ける横引き窓の一種で、二枚のガラスを左右どちらからでも開けられるようになっている、日本で最も一般的な窓です。
開閉方法が横に引くだけなので誰にでも簡単に扱え、コストも抑えられるというメリットがあります。
開閉面積が大きいため隙間が生じやすいですが、外部に網戸を固定することができるため、大きな虫などの侵入は防げます。また、窓ごと枠から取り外すことができるため、大きな荷物の搬入時にも便利です。二枚の窓の気密性を高めるクレセント錠のみでは防犯上充分ではないため、補助錠をつけるのが望ましいでしょう。
はめ殺し窓(フィックス)
開閉できない窓のことで、フィックス窓とも呼ばれます。主に明かりを取るための窓で、丸型、角型、細長いスリット型等、豊富なデザインがあることを生かし、インテリアの一部として使われるプランも多く見られます。吹き抜けの上部になどに取り付けられることが多い窓ですが、欠点は掃除が困難であること、空気を逃がしたり取り込んだりできない事です。
外開き窓

左右どちらかを軸にして外側に開く窓のことです。ガラスが1枚の片開き、2枚の両開きのほか、フィックス窓と組み合せたものなどがあります。欧米ではよく見られるタイプの窓で、通風、採光、気密性に優れ、横幅が狭い窓に重宝されます。
内倒し窓・外倒し窓
下側を軸にして上部が内側に倒れるように開くタイプの窓です。外側に倒れるのは外倒し窓です。換気、排気に優れているため、キッチンなどの水まわり、手の届きにくい場所に多く用いられます。高い場所に設置する場合は専用のフック棒で開閉します。防犯性はありますが、掃除が困難といった欠点もあります。
滑りだし窓
上下あるいは左右の溝に沿って開閉する窓です。
上下の溝に沿って開閉するものを縦滑りだし窓と呼び、開ける角度によって風を調整することができます。全開すると90度になりますが、一定の角度以上は開かないようにストッパーがついているタイプもあります。
左右の溝に沿って開閉するものを横滑りだし窓と呼びます。ガラスの部分が庇の役割となり、雨が吹き込んでくるのを防ぎ、風を通すという特徴があります。また滑りだし窓では、網戸は内側に取り付けることになります。
折りたたみ窓
折れ戸のように折りたたんで開口部を大きく開くことができる窓です。両側に折りたためるタイプを両折れタイプと呼びます。リビングとウッドデッキなど、室内と室外との繋がりをもたせたい場合などに適しています。ただ、網戸を取り付けにくいのが欠点です。
上げ下げ窓

二枚の窓を上下にスライドさせて開ける窓です。
気密性が高いため寒冷地などでよく採用されています。下側だけが開くタイプは、片上げ下げ窓またはシングルハングと呼ばれ、二枚とも動くタイプは両上げ下げ窓またはダブルハングと呼ばれます。
ダブルハングは場所を取らずに開口部を広く確保でき、上下から通風もできるメリットがあります。窓が重いと開閉に力が要ることや、内側から掃除がしにくいことなどが欠点です。
回転窓
真ん中を軸に回転する窓で、横軸を中心に回転するタイプと縦軸を中心に回転するタイプがあります。掃除がしやすいメリットがありますが、カーテンや網戸を取り付けにくいのが欠点です。
ルーバー窓
横長の複数のガラス板が水平に重なっており、ハンドルやチェーン、電動などで角度を変える方法で開閉する窓です。ジャロジーやガラリ窓とも呼ばれています。
通風、換気の性能に優れていますが、気密性、防犯性に劣るのが欠点です。また外部からの視線を遮るため、面格子が付いたものや、ガラスの片面が不透明になったものもあります。
オーニング窓
横滑りだし窓が縦に複数枚並んだような構造になっており、ハンドルや電動で同時に開閉することができる窓です。ルーバー窓と似ていますが、ガラス一枚一枚にサッシがついているためルーバー窓よりは強度が増します。窓の開く角度が調節可能なことから、視線を遮りながら通風が確保できます。
出窓

建物の外壁よりも外側に張り出した形の窓です。
張り出した部分は台形、弓形、多角形など様々なデザインがあり、弓形の出窓は外の景観を広く感じることができます。もともとはヨーロッパから入ってきたため、洋間に合わせやすいと人気があります。
窓の位置による分類
地窓
地窓は床に接した位置、つまり低い所に作られる窓でローサイドライトとも呼ばれます。
形は横長で、光は部屋の奥までは届きませんがプライバシーの保護には効果的です。和室や廊下に適しており、反対側にも窓を設置することで空気の流れができ、換気効果が高くなります。地窓からの景色は、全体が見えるよりも趣深いものがあります。
天窓(トップライト)

屋根あるいは天井に付けられた窓で、ルーフウィンドウやトップライトとも呼ばれています。小さい面積でも光をたっぷりと、効率よく取り入れることができるので採光を重視したい方にはおすすめです。コストや手入れが大変といった欠点もありますが、プライバシーも保ちながら明るい空間を実現できるため、人気があります。
高窓
高窓は、天井や吹き抜けなどに近い位置の壁に付けられた明り取り用の窓で、ハイサイドライトとも呼ばれています。部屋の奥まで光が差し込み、天窓よりはコストもかかりません。設置する位置的に元々は開閉ができない窓でしたが、最近では開閉操作可能なものが増えてきました。
腰窓
腰窓は床面から80㎝~90㎝くらいの高さに窓の下側がくる位置に設置された窓で、大人が立った時の腰のあたりに位置します。換気もでき、設置する場所も選びません。
掃き出し窓
掃き出し窓とは、床高さと窓の下枠に差がなく、人が出入りできるほどの大きな窓のことです。ほうきなどでホコリを掃き出すことができることから、この名前で呼ばれています。人が出入りすることができるので庭やベランダに面した部分に使われることが多く、テラス窓とも呼ばれています。
肘掛け窓
肘掛け窓は、床から40㎝前後の位置に付けられた窓で、座った姿勢の時にちょうど肘を掛けられる高さにあることから呼ばれるようになりました。見た目にも落ち着く位置にあるのが特徴です。