サッシの素材の種類

スチールサッシ

スチールサッシは鋼鉄製でできており、骨組みが丈夫で重厚感がある見た目が特徴です。
鉄骨造や鉄筋コンクリート造の建物の窓などによく使われています。錆びにくい材料ではありますが、まったく錆びないわけではないので、水分などに注意が必要です。また鋼鉄は重量があるため、開閉に力が要ります。長年の使用で戸車なども傷みやすく、手入れが欠かせません。

アルミサッシ

アルミサッシは、現在最も普及している代表的なサッシです。気密性や耐久性に優れ、耐候性や防火性もありながら、軽量で開閉がしやすく安価という特徴があります。
成形が容易ですので複雑な形状のサッシがつくれ、バリエーションが豊富です。強度があり、寸法精度が高いのも魅力です。

サビには強いですが、窓の内外の温度差によって結露ができやすいため、水滴をついたままにしていたり、長期間ホコリなどが付着している状態が続いたりすると腐食する可能性があります。また、柔らかいことによってキズがつきやすいという難点もあります。

樹脂サッシ

樹脂サッシは、主に塩化ビニール樹脂を材料としてつくられています。
樹脂はアルミに比べて熱伝導率が1000分の1ほどであるため、断熱性に優れています。そのため、結露が生じにくいことからカビやダニも発生しにくいというメリットもあります。

また、気密材を用いているため遮音性にも期待ができます。Low-Eガラスなどのペアガラスとの組み合わせによっては、さらに高い遮音性と断熱性を得る事ができます。
このことから、樹脂サッシは北海道や東北などの寒冷地に多く普及していますが、快適でエコな暮らしが重視されるようになってきた最近では、地域を問わず選ばれるようになってきました。

アルミよりも強度が劣りますが、厚みがある構造になるため価格は高めになります。
しかし成形や着色が容易であることから、開閉スタイルなどのデザインをはじめ、カラーバリエーションも豊富です。さまざまなスタイルの住まいに合わせられる窓枠であることが魅力です。

木製サッシ

木製サッシの歴史は古いですが、気密性が優れたアルミサッシが登場して以来、徐々に廃れていきました。しかし独特の温もりを感じさせる風合いとやさしい肌触り、優れた断熱性などから、最近では再び人気が出てきています。

自然の樹木を使うだけに、腐食や摩耗、変形などの問題があることは否めませんが、使用する樹木の種類によって、それぞれ木のデメリットを克服するような工夫がなされたものが出ています。

無垢材だけを用いたものでは木材を充分に乾かして含水率を低くし、反りや曲がりを防ぐ工夫がされたものがあります。集成材・積層材を用いたものでは気密性を高める特殊な構造のものなどがあります。そのほか耐久性を高めるための特殊加工をフレームに施したものなどがあります。

使われている樹木の種類や加工方法などによってメンテナンス方法も異なりますので、木製サッシを採用する際には、メンテナンスの周期や日頃の手入れ方法などを充分に確認する必要があります。

複合サッシ

複合サッシとは、異なる素材を組み合わせた窓枠のことです。素材にはアルミ、樹脂や木を組み合わせるなどしたものが多く見られます。
外側には耐久性のあるアルミを使い、内側には結露ができにくい木製を使えば、それぞれの素材の弱点をカバーし合うことができます。

樹脂製、木製の単一サッシよりもコストを抑えることができますが、アルミ製の単一サッシよりは高くなります。アルミサッシよりは性能が良いですが、複合サッシが適しているかどうかは気候やその他の条件にもよりますので、よく検討してから選びましょう。