窓・サッシ交換のノウハウ

リフォームポイント

窓リフォーム(防犯編)

家の防犯は窓から

空き巣や泥棒の侵入経路は窓のガラス破りが最も多く、戸建て住宅では実に7割以上にもなります。
方法は、工具を使って窓ガラスの一部に音を立てることなく穴を開け、そこから手を入れて解錠するこじ破り、ガラスそのものをハンマーなどで叩き割って侵入する打ち破りなどです。
いずれも家人が留守の間に、あるいは気付かれない間に素早く犯行を遂げることを目的としていますので、ガラス破りに時間がかかりそうな窓は狙いません。つまり侵入されにくい窓、防犯性能が高い窓にすることが、空き巣や泥棒への防犯対策としては非常に効果的です。

防犯対策

防犯ガラスにする

防犯ガラスとは、二枚のガラスの間に特殊な中間膜をつくり、割れにくい構造になっている窓ガラスのことです。一枚ガラスは簡単に割れますが、強靭な樹脂中間膜で接着している防犯ガラスは割れにくく、こじ破りや打ち破りに時間がかかります。

更にこの中間膜によって、万一割れても破片が飛び散りにくいため、安全性が高いガラスとも言えます。
また割れにくいだけでなく紫外線をカットする効果もあり、カーテンの色褪せや、畳焼けなどを防ぎUV対策にもなる防犯ガラスもあります。

さらに、通常の防犯合わせガラスをより強めたものが、防犯合わせペアガラスです。
ペアガラスの片側もしくは両側を合わせガラスにすることで、防犯性と断熱性を高めたものです。

他のガラスの防犯性能とは

・フロートガラス、型板ガラス

フロートガラスは一般住宅で最も多く採用されている普通の一枚ガラスですが、厚さは3mmほどで、簡単に破られるため、防犯性能は高くありません。
また、型模様のガラスを採用している型板ガラスは、フロートガラスよりは厚みがあるものの、防犯性能は同じく期待できません。

・網入板ガラス

網入り板ガラスとは、中に金属の網が入っており、防火を目的としたガラスです。金網を容易に切断できることを考えると、防犯性能は高くありません。

・強化ガラス

強化ガラスとは、フロートガラスを加工して表面の強度を高めたものですが、地震などで割れにくいというだけで、工具を使えば簡単に割ることができます。

・ペアガラス

ペアガラスは、2枚のガラスの間に中空層を設けた断熱性能に優れたガラスです。ガラスが2枚になる点では1枚ガラスより防犯性は高いものの、充分といえるレベルではありません。

シャッターや面格子も有効的

窓の防犯対策として、面格子や可動式のシャッターを取り付けるのも有効な手段の1つです。
ガラス破りに加えてシャッターや面格子をも破らなければなりませんので、泥棒や空き巣からすると時間がかかる、侵入しにくい窓、とうつります。壁に穴を開けて取り付けるタイプ、サッシの枠に取り付けるタイプがありますが、いずれも容易に取り外せないことが重要です。
ただし、面格子やシャッターは、犯行の抑止力を主な目的としているため、必ずしも破られないということではありません。

ステンレス面格子は防犯性が高い

面格子には縦面格子、ヒシクロス面格子、ステンレス面格子、可動ルーバー面格子などの種類があります。この中で最も防犯性が高いのは、強度の高いステンレス面格子です。
面格子を破って侵入する方法には工具などで面格子ごと取り外す、格子の一部を切り取る、バールなどで曲げる、等が考えられますが、強度のあるステンレスは簡単に切り取ったり曲げたりできませんし、取り付け部分にも外しにくい細工がされているため防犯性が高いと言えます。

その他の対策

その他の窓の防犯対策としては、窓に補助錠を取り付ける、CPマークが付いた防犯フィルムを貼る、内窓を設置する、といった方法があります。
錠が2つ以上あれば、それだけ侵入に時間がかかります。防犯フィルムは窓ガラスを破りにくくするフィルムです。やはり侵入に時間がかかりますので、泥棒が諦めやすくなります。
内窓を設置すれば、破らねばならない窓が2枚になる上、外からでも見えますので侵入自体を諦める泥棒が多くなるでしょう。
但しこれらの方法はすべて、侵入に時間を稼ぐ対策です。必ずしも破られないということではありませんので、対策をしたからといって油断しないようにしましょう。

CPマークとは

CPマークとは、官民共同会議の防犯性能試験に合格した防犯建物部品に貼付されるマークのことです。
例えば防犯フィルムの性能試験では、こじ破り、打ち破り、焼き破りの3種類行われ、こじ破りのみで1分以上、打ち破りと焼き破りは人が通れる状態になるまでに5分以上かかったものが合格の基準です。

多くの空き巣が、侵入に5分以上かかると諦めると考えられており、CPマークは1つの安全基準になります。年々犯罪が凶悪化する中で、優れた防犯建物部品を見分ける目安となります。