ウッドデッキリフォームのノウハウ

メンテナンス(手入れ、掃除)

ウッドデッキに使う塗料の選び方

木材の塗装

ウッドデッキは、定期的な塗装(メンテナンス)をすることによって、美観向上はもちろん、木の表面を保護し、ウッドデッキを長持ちさせる効果があります。

しかし、ウッドデッキの塗装に使う塗料といってもその種類は豊富で、油性や水性、造膜性や浸透性などさまざまです。またその選び方は、ウッドデッキの使用状況や劣化具合などでも適した塗料は変わるため、どれを選んでいいのかわからない人も多いはずです。

ここでは、そんなウッドデッキに使う塗料の選び方をご説明します。正しい塗料を選び、ウッドデッキを少しでも長持ちさせるために、ぜひお役立てください。

最初に、屋外用の塗料を選ぶ

観葉植物

ウッドデッキに使用する塗料は、屋外用の塗料が適しています。

ウッドデッキは、常に雨や風、紫外線にさらされている環境にあります。初めは綺麗なブラウンの色味であったとしても紫外線などの影響によって表面が日焼けし、放っておくとグレーに退色してしまいます。

屋外用の塗料は、そういった紫外線をカットしてくれる効果や、水分が木の内部へ侵入するのを防ぐ効果があるなど、屋内用の塗料よりも耐候性が高い成分で作られています。そのため、ウッドデッキは屋内用の塗料よりも屋外用の塗料が適しています。

もし、屋内用の塗料を使うとどうなるか?色褪せやヒビ割れの原因になります。塗料を選ぶ際は、最初に屋内用塗料なのか屋外用塗料なのかを確認してから選びましょう。

次に、「造膜型」「浸透型」と「水性」「油性」の性質を選ぶ

木材と虫眼鏡

屋外用の塗料を見つけたら、次は性質の異なる塗料の中から選びます。

塗料には、「造膜型」と「浸透型」の塗料があり、その造膜型と浸透型の中でもそれぞれ「水性」と「油性」に分かれます。仕上がりの見た目もそうですが機能やメンテナンス性など特徴が異なります。

種類は以下の4通りに分けられます。

  • 1、「造膜型」+「油性」
  • 2、「造膜型」+「水性」
  • 3、「浸透型」+「油性」
  • 4、「浸透型」+「水性」

塗料の選び方次第では、ウッドデッキの寿命に大きく関わります。それぞれの性質の特徴や違いなどを知り、ウッドデッキに適した塗料を選びましょう。

造膜型と浸透型の違い

造膜型と浸透型2つの塗料の大きな違いは、木材の表面に塗膜を作るか作らないかです。

造膜型 浸透型

表面に塗膜を作り、木を保護するタイプの塗料で、ペンキなどがこの造膜型に含まれます。塗膜を作ることで木の内部に水が浸透するのを防ぎ、耐久性や耐水性を高めます。

しかし、塗膜があることによって木目や質感は失われ、木の呼吸も妨げます。塗膜にできたヒビから雨水などが侵入してしまった場合、塗膜が乾きにくくするため、結果、木を腐らせてしまうことがあります。

塗料を木の内部に染み込ませて保護するタイプの塗料です。ステインと呼ばれる塗料も浸透型です。表面に膜を作らず、カビや防虫、紫外線などを内部から保護します。木目や質感をそのまま残す事ができ、木の呼吸も妨げません。

塗膜がないので塗装が剥がれてくることはありませんが、耐久性や耐水性は造膜型に比べ劣るためメンテナンスの頻度は上がります。

油性と水性の違い

油性と水性が大きく違うところは、溶剤の種類です。溶剤とは、一般的な塗料の成分である顔料、樹脂、添加剤などを液状にして塗りやすくするための役割をもつもので、乾くと蒸発してなくなります。

油性 水性

油性の溶剤の多くはシンナーなどの有機溶剤を使います。そのため刺激臭が強く、乾燥するときには有害な物質が発生します。また、その有機溶剤などの道具が必要となります。

しかし、乾燥が早く、水性に比べよく浸透することや耐久性が高いため、屋外で使用する木材の塗料では、油性を使う人が多いです。

水性の溶剤は水です。塗りやすく、何よりも油性のような刺激臭は少ないため安全性が高いのが特徴です。小さいお子さんやペットを飼っているご家庭、初心者に向いています。

一般的には耐久性や浸透性の高さから、油性を使う人が多いですが、近年、安全面や健康などの影響から水性を選ぶ人も増加してきています。

ウッドデッキの性質に適した塗料は?

ウッドデッキに適しているのは、一般的に「浸透型」+「油性」の塗料です。 塗膜を作らず内部から保護してくれる浸透型は、木が持つ風合いや質感、木目などを残し、さらに水や紫外線による木材の伸縮にも対応し、重ね塗りも容易であることからウッドデッキに適していると言えます。また、浸透型の中でも防虫剤や防腐剤、防カビ剤などが入ったものがおすすめです。 浸透性や耐久性の高さから油性のほうが一般的には使われていますが、安全や健康面を気にする場合は、「水性」を選びましょう。

既にウッドデッキの表面が剥がれている、グレー色になっているなど傷みが激しい場合の塗装は、しっかりと表面を保護してくれる「造膜型」+「油性」が適しています。

ウッドデッキの塗料は、前回と同じ塗料を選ぶ

ウッドデッキとビーグル犬

ウッドデッキの塗装は、前回が造膜型であれば造膜型、浸透型であれば浸透型と同じ種類の塗料を塗るのが一般的です。

しかし、前回の塗装から月日が経過し、塗装がひどく剥がれているなどの場合は、異なる塗料を塗ることは可能です。たとえ部分的に表面に塗装が残っていてもサンダーややすりなどの下地処理をすれば塗ることができます。この下地処理が綺麗にできているかどうかによって塗装の仕上がりも大きく変わります。

古くなりひどく剥がれてきている場合以外は、基本的には前回と同じ塗料がベターです。

まとめ

ウッドデッキの塗装は、長く使う上で必要不可欠なメンテナンスで、中でも大事なのが塗料の選び方です。 塗料は、屋外用や屋内用の他、油性や水性、表面に膜を作る塗料や内部に浸透させて保護する塗料など、さまざまな種類があり、性質も異なります。

それぞれの塗料の性質を知り、ウッドデッキが置かれている環境や劣化状態に合わせた塗料を選ぶことが大切です。