
リフォームポイント
屋根塗り替えリフォームの前に知っておくべきこと
公開日:2019年07月04日
塗料の選び方

屋根は紫外線や風雨を最も受ける場所であり、最も劣化が早い場所でもあります。それだけに屋根に施す塗料には高い耐久性が求められます。一般的には、外壁よりも屋根の方に耐久性の高い塗料を選ぶと良いとされています。
また、耐久性はメンテナンスのコストにも大きく影響します。塗り替えのサイクルを考慮し、長い目で見て塗り替え費用が一番安く済む塗料であることが重要です。たとえば、塗料の価格が低くても、3~5年おきに塗り替えが必要な塗料は、経済的とは言えません。塗料の価格については予算との兼ね合いになりますが、「安い塗料を使えばメンテナンスコストが抑えられる」というわけではありません。
耐久性やコストパフォーマンス以外にも、屋根材に適しているか、防水性や耐候性など必要な(あるいは欲しい)機能を備えているか、環境に配慮できる塗料といったポイントは、しっかり押さえて選択しましょう。近年では、特に遮熱塗料を屋根に塗装するケースが増えています。屋根表面が高温になる事を防ぎ、室内温度の一定化と省エネを狙った対策として需要が伸びてきています。
塗料を選ぶポイント
- 耐久性
- 長い目で見たコスト
- 環境に配慮
- 防水性、遮熱性などの機能
- 屋根材との相性
色の選び方
屋根も外壁と同様、住まいの印象を大きく左右しますので、色選びは慎重に行いたいものです。ただ単に好きな色を選ぶのではなく、周囲との調和や外壁、住まいのデザインとのバランスも考えます。
屋根の色を決める上で最も重要なのは、外壁の色とのバランスです。通常、屋根は外壁よりも暗い色にします。たとえば外壁がベージュの屋根には、ダークブラウンなどの濃い色で合わせるのが一般的です。上手に配色するポイントは、家全体の色を2色から3色でまとめること。同色で濃さが違う色を3色まで用意して組み合わせると大きな失敗がありません。
ここで注意したいのは、実際の仕上がりがサンプルの色よりも明るく見える傾向にあるということです。イメージ通りの色に仕上げるには、いいと思った色よりワントーン暗めの色を選ぶ必要があります。このようにカタログや小さなサンプルと実際の仕上がりでは誤差が生じます。実際の住宅で気に入った配色や屋根の色があれば、業者と一緒に見て参考にするというのもよいでしょう。併せて、近隣の住宅がどのような配色になっているのかも参考にし、自分の家だけ浮いてしまわないようにする配慮も大切です。
また、意外と見落としやすいのが、ドアの色や窓枠、サッシの色などとの調和です。屋根の色ひとつ決めるのにも、家全体のバランスが重要となります。塗り替えは、そう何度もやり直せるものではありませんので、失敗がないようじっくり選びましょう。
色を選ぶポイント
- 外壁とのバランス
- サンプルよりもワントーン暗めの色を選ぶ
- 近隣の家の屋根の色も考慮
- ドアの色や窓枠、サッシノ色との調和
屋根塗装する際は、できれば他の箇所と同時に行う
屋根塗装を行う時は、外壁塗装と同時にすることをおすすめします。1番の理由は施工費用の節約です。屋根塗装だけ、外壁塗装だけ、どちらも足場を組まなければなりません。屋根と外壁を同時に塗り替えできれば、足場代は1回分だけで済みます。また、別々での施工は、業者によって単価が高い場合もあるようです。
外壁と屋根の塗り替えを同時にするには、どちらも同じタイミングで塗り替え時期がくるようにする必要があります。屋根塗装の方が先に劣化してしまわないように、外壁よりも耐久性の高い塗料を用いることで塗り替え時期のコントロールが可能です。屋根塗装に耐久力の高い塗料を選ぶのにはこういった理由もあります。
また、屋根塗装の色は外壁、ドアや窓枠など建物の付帯部分とのバランスが大切ですので、それぞれをバラバラに塗り替えするより、建物全体の配色が安定します。既存の色に合わせた配色は、難しさがある上に色の選択肢も少なくなります。また、一部がキレイになることで、既存の部分の傷みや汚れが際立ってしまう可能性も。
屋根塗装に影響が出る季節や天気
屋根塗装は基本的にどの季節でもできますが、適さない湿度や天候があります。まず、雨や雪が降っている日は作業できません。また、塗料の乾きが早すぎる、あるいはなかなか乾かないといった気温の中での施工は不向きです。作業の効率が落ち、仕上がりにも悪い影響を与えます。
気温が5度以下になると、塗料の乾きが遅くなり工期が延びます。真冬に施工する場合には日の出ている時間帯を選び、霜がおりるほど気温の低い日には作業を行わないのが一般的です。一方、真夏の施工では早朝や夕方に作業をします。昼間は屋根表面が非常に熱く、作業員の靴が溶けてしまうほどの高温になるため屋根にのぼれない場合があります。
梅雨時や秋雨の時期も適していませんが、雨が降らず、湿度が85%以下であれば施工が可能です。ただし、雨が多い時期は中断が多くなり、工期は延びがちになります。
このように気温と湿気、天候に注意すれば一年を通して施工は可能ですが、塗装に影響が出る季節や天気を考慮しておきましょう。
太陽光電池モジュールが設置されている屋根の塗装
一般家庭にも太陽光発電が普及してきましたが、太陽光電池モジュール(以下、太陽光パネル)が設置されている家の屋根の塗り替え、どうするかご存知でしょうか。
太陽光パネルが設置されている部分は、太陽光や風雨が直接当たる他の部分に比べると劣化は遅いですが、全く劣化しないというわけではありません。屋根の塗り替え時期がきたら、パネルの下も含めてすべて塗り替えるのが望ましいでしょう。
しかし、一旦設置した太陽光パネルを取り外し、塗り替えをしてから再度設置するとなると、手間とコストがかかります。高価なパネルですから慎重に作業しなければならず、数十万円請求されることもあります。しかも、塗装業者すべてがこの作業をできるわけではありません。勝手に取り外すとパネルの保証が受けられなくなる可能性もありますので、設置業者に連絡する手間もかかります。
太陽光パネルの耐用年数は20~30年といわれていますが、屋根のメンテナンス時期はもっと短い間隔で行わなければなりません。屋根材の中には塗り替えが不要と言われているものもありますが、太陽光発電を導入する場合は屋根のメンテナンスについても考慮する必要があります。いずれにせよ、太陽光パネルの設置は塗り替え直後、あるいは葺き替え直後にすべきです。