お風呂・浴室・バスリフォームのノウハウ

リフォームポイント

在来工法で作るお風呂の特徴とユニットバスの特徴

お風呂の在来工法とは

お風呂における在来工法とは、職人が住宅に合わせてお風呂を造る工法です。ユニットバスなどが普及する前は、在来工法でのお風呂工事が主流でした。

在来工法では、防水加工を施した上からコンクリートで壁や床を造り、タイルやモルタルを使って仕上げます。スペースや住居者の希望に沿って現場で一から造られ、デザインや素材、洗い場と浴槽の大きさなどは独自のものとなります。

在来工法でリフォームするメリット

在来工法の魅力は、「他にはない、オリジナルのお風呂が造れる」ことです。在来工法における自由度の高さは、以下のようなメリットを生みます。

どんな空間にもぴったり収まる

オーダーメイドに近い工法であるため、小さなスペースでもお風呂を造ることができます。
単に大きさだけではなく、少し変わった形のスペースにもぴったり収めることができます。

隣の部屋に影響がでない

ユニットバスとは違い、サイズの規格に縛られることなく工事することができます。もともとのお風呂スペースを活かしてリフォームするのであれば、隣の部屋に影響を与えることはほぼありません。

隅から隅まで、自分の好みに合わせられる

浴槽・床・壁・天井はもちろん、浴槽と洗い場の割合や窓・水栓・照明といったあらゆる部分にこだわることができます。
たとえば、浴槽ひとつとっても「どのような素材を使うか」「置き型にするか、埋め込み型にするか」など選択肢は様々です。和風のお風呂から高級ホテルのようなお風呂まで、自分の好みに合わせて造り上げることができます。

バリアフリー対策がしやすい

在来工法では自由自在にお風呂を造ることができるため、「脱衣所とお風呂の段差を無くす」、「手すりを設ける」、「滑りにくい床材を使用する」などの対策がしやすいのも特徴です。

在来工法でリフォームするデメリット

自由度が高い一方で、その分多くの手間(工程が増える、人手が必要)がかかることが難点と言えます。
以下のようなデメリットがあります。

工事に多くの日数が必要で、費用も高くなる

防水などの下地工事が必要となり、一からすべて造り上げるため、ユニットバスと比べて工期が長めで3週間程度を要します。多くの工程の発生に伴い、様々な職人の手を必要とするため費用が高めです。特殊な技術が必要となる場合にはさらにコストがかかります。

職人の技術力に左右される

在来工法には、高い技術が要求されます。大工が下地を作り、左官職人が壁や床を仕上げるというように、それぞれの工程に専門の職人が関わります。その内の一人でも技術力が低ければ、仕上がりに影響がでる可能性があります。経験豊富で確かな腕を持つ職人に任せることが重要です。

防水性に対する定期的なメンテナンスが必要

在来工法で造られたお風呂は、ユニットバスと比較すると防水性に若干の不安があります。しっかりと防水加工を施しても、経年劣化によって水漏れを起こす可能性があるからです。特に二階以上にお風呂を造る場合、万が一水漏れが発生したときに被害が大きくなるため、厳重な防水処理と適切なメンテナンスが必要となります。

ユニットバスとは

ユニットバスとは、あらかじめ工場で成型された浴槽・床・壁・天井などのパーツを、現場に搬入してから組み立てる工法のお風呂をいいます。

新築、リフォームに関わらず、現在ではユニットバスが主流です。従来のユニットバスと比較し、デザイン・サイズ・機能が向上していることもあり、ユニットバスが選ばれる割合はおよそ90%と言われています。

ユニットバスでリフォームするメリット

ユニットバスの主な特徴は、「規格化されている」「つなぎ目が少ない」「工程が少ない」ことです。この特徴によって、以下のようなメリットが生まれます。

安く済ませることができる

ユニットバスは、工事に必要な工程が少なく、人手も少なくて済むため費用を抑えることができます。また、規格が決まっているため、「工事費が想定よりも高くなってしまった」ということがありません。

早くできて、仕上がりにムラがない

ユニットバスでは基礎工事を必要とせず、2~5日ほどで造ることが可能です。在来工法と比較しても仕上がりにばらつきがでないことも利点と言えます。

隙間が少なく、防水性が高い

ユニットバスに使われる素材は非常に防水性が高く、加えて継ぎ目が少ないため断熱性にも優れています。特に二階以上にお風呂を設ける場合は断然ユニットバスがおすすめです。

お手入れが簡単

お風呂全体がほぼ一体化していることから、日々のお手入れが簡単です。また、経年によって防水性が失われることが無いので、定期的な防水対策は不要です。

ユニットバスでリフォームするデメリット

ユニットバスが規格品であることはメリットでもありデメリットでもあります。

自由度が低い

在来工法と比較すると、ユニットバスの自由度はかなり低くなります。現在ではユニットバスのデザインやサイズなどの選択肢が増えましたが、限界があります。

お風呂スペースが狭かったり変形していたりすると、さらに選択肢が制限されます。場合によっては、大がかりな工事が必要になるケースもあるので注意が必要です。

お風呂が狭くなる

ユニットバスは、壁が厚くできているため、防水性や気密性は高まりますが、その分お風呂が狭くなってしまうという欠点があります。

現在では改良され、壁は薄くなってきているものの、在来工法のお風呂からユニットバスにリフォームする場合、お風呂の広さを保つためには、周囲の壁をある程度壊す必要があります。