
空間づくり
戸建ての2階以上にお風呂を設置するメリット・デメリットと注意点
公開日:2015年07月03日
今までの住宅の間取りでは1階にお風呂場があることが多かったですが、最近では戸建ての2階や3階にお風呂を設置するような間取りも増えてきています。
戸建ての2階以上にお風呂を設置する目的は、1階部分を広くとりたい、家事の動線を短くしたいなど様々です。ここでは、戸建ての2階以上にお風呂を設置した場合のメリットやデメリット、設置する際の注意点を把握しましょう。
2階以上のお風呂のメリット
家事の動線が短い
浴室が2、3階にあれば、家事の動線が短くて済むメリットが発生します。
通常はお風呂の隣かその付近に洗濯機を置きます。お風呂を2階以上に設置するなら、洗濯機もセットで配置しましょう。そうすることで物干し竿までの距離が短くなるというメリットが発生します。
特に敷地面積の少ない都心では、物干しは2階のベランダで行う場合が多く、洗濯機が同じ階層にあることで、洗濯機から物干しまでの動線が短くなり、効率よく家事をすることができます。
来客者に生活感を隠せる
来客に生活感を隠せる点もメリットです。
1階部分は来客用のスペースとして使い、お風呂を含めた2、3階を家族のみのプライベート空間として分けて活用すると、洗濯物などの生活感を来客に見られずに済みます。
広い窓を設置できる
2、3階のお風呂には広い窓を設置しやすいです。
1階に広い窓を設置した場合、道などに面していると外から見えてしまう可能性が高く、視線が気になることがあります。しかし、2階以上のお風呂であれば外からは見えにくくなり、防犯性も高まります。窓が広いと、換気もしやすくなり、カビ等の発生を防げます。
2階以上のお風呂のデメリット
水漏れの恐れ
2、3階のお風呂において何より注意すべき点は、水漏れです。
もし2階で水漏れが発生した場合、その影響は1階にも及びます。1階部分の天井が染みになったり、柱が腐敗したりするなど、対処する場所が多くなります。特に、木造住宅では水漏れの影響を受けやすく、もし水漏れを確認したら早急に対処する必要があります。ユニットバスでの水漏れの可能性は低いですが、従来工法のお風呂の場合は注意しましょう。
水圧の強さ
2、3階のお風呂では、シャワー利用時の水圧の強さが弱くなる可能性もあります。特にオール電化の家庭に起こり易い現象です。オール電化の場合、そもそも貯湯タンクの水圧はガスを用いるタイプより弱いのですが、高層階に浴室がある事で更に水圧が弱くなることがあります。
一方、オール電化ではないタイプの貯湯タンクは、水道の水圧が影響を与えます。必ずしも水圧が弱くなる訳ではありませんが、強い水圧でシャワーを使いたい場合は事前に確認しておきましょう。
老後の階段が不安
現在、特にデメリットを感じなくても、将来的に困る可能性も視野に入れなければなりません。老後の階段が不安になる場合です。エレベーター等を設置する一般家庭は殆ど無い為、階段の上り下りが大変になり2階のお風呂が不便に感じてしまう可能性があります。
2階以上にお風呂を設置したい場合、将来のことや同居している家族の年齢を考慮し、家族で階段の昇降を手伝う等、理解を得る必要があります。
2階以上にお風呂を設置した際の注意点
水の音
お風呂を利用中に、水の音が下の階に響く可能性があります。特にお風呂を設置している場所の直下の階には響き易いため、1階を客間や寝室にする場合、防音設備等の対策をする必要があります。木造建築の場合は水の音がより響きやすくなるので注意しましょう。
浴槽の重さ
浴槽には200~300リットルもの水が入ります。水だけでも300kgの重さになります。建物の1平方メートルあたりの荷重を確認しましょう。ユニットバスによる重さの分散や、柱等の荷重に有利な場所に設置する等の対応が必要です。木造住宅である場合は特に念入りに荷重の確認を行います。
1階に手洗い場が必要になる場合も

お風呂を2階にする場合、1階に別途手洗い場を設けることも考えましょう。来客が来た際、2階まで上がることになり多少不便になります。1階に手洗い場または洗面台が設けられない場合は、トイレに手洗いカウンターを設置するなどの工夫をしましょう。
配管や耐震性の注意
2階以上にお風呂を配置する分、配管を通すためのパイプスペースが必要になる場合があります。また、1階から2階にお風呂を移動させた場合、排水管や給水管の工事も伴い、場合によっては新しく配管を引く必要が出てきます。
重量があるお風呂を上階に持ってくる場合は、お風呂を置く場所の階下の補強工事も必要だということを覚えておきましょう。補強を怠ると、外壁にクラックが入ったりすることがあるので、注意してください。