防音・遮音リフォームのノウハウ

リフォームポイント

マンションでできる遮音、防音リフォームの方法

マンションでピアノを弾く

マンションという共同住宅での多いトラブルのひとつに「音」の問題があります。例えば、下階の居住者から歩く音がうるさいと言われた、水回りからの音漏れが気になる、部屋でピアノを弾きたいけど近所に迷惑をかけたくない等。

音の問題は主観的な(人によって気になったり、気にならなかったりします)要素が大きいので、正直、必ず解決できると言い切る事はできないかもしれませんが、リフォームすることで音の悩みを軽減することはできます。

本文では遮音、防音リフォームを具体的な例を挙げて説明したいと思います。

下階へ音が伝わることを軽減する方法

フローリングをカーペットに張り替える

遮音性能を上げるには、まず、「カーペット敷き」が有効です。現在がフローリングであれば、カーペットに張り替えることで遮音効果は高まります。何故かというと、カーペットがフローリングより遮音性、防音性があるためです。

フローリングの上にタイルカーペットを敷く

フローリングの張り替えまでは考えていない方は、現在のフローリングの上に「タイルカーペットを敷く」という方法もあります。タイルカーペットはネットで購入できて、素人でも張れますし、飲み物をこぼしてシミになってもそこだけ張り替えることもできる優れものです。防音性を売り物にしたタイルカーペットもありますので、是非調べてみてください。

置床を交換するなら、吸音材を併用する

マンションが二重床構造の場合では、二重床の空間にグラスウールの様な「吸音材を充填する」という方法があります。吸音材を充填するには、フローリングはもちろん、置床も撤去しなければならないため、工事は大規模になります。二重床構造のマンションで、大規模なリフォームをお考えの場合は採用してみたい施工方法です。

【参考】マンションの床構造別遮音性確保の方法の違い

マンションの床構造には2種類あります。「二重床」と「直床」です。

二重床とはコンクリート床の上に、置床(ユニットフロア)を敷き並べ、その上にフローリングなどの仕上げ材を張ったものです。一方、直床とは床コンクリートの上に直接仕上げ材を張ったものです。

二重床の場合は遮音性能がある置床を使用し、その置床の上にフローリングを張っていて、フローリング自体には遮音性能はありません。

一方、直床は仕上げ材であるフローリングそのものに遮音性能があります。(直床用のフローリングはフローリングの裏にあらかじめフェルトの様な遮音材が張り付けてあります。そのため、フローリングを踏むと若干沈み込み、フカフカした歩行感となります。)

フローリング仕上げで比較した場合、一般的に遮音性能は直床の方がよいと言われています。

ピアノや楽器を弾くために防音する方法

マンション内でピアノなどの楽器を弾くことは、あこがれの生活です。しかし、近隣への迷惑を考えると、なかなか難しいのが現実です。それでもピアノを弾きたい場合の防音対策は、どんなものがあるのでしょうか?

防音建材で部屋を作る

ひとつ目は、防音建材を使用して部屋を作り直す方法です。お部屋の壁・天井は通常プラスターボードで構成されていますが、これ単体には高い防音性はありません。また、入口のドアにも高い防音性はありません。

したがって、この壁や天井そして床を解体撤去して、防音建材を組み合わせて壁・天井・床を作り直します。入口のドアも防音ドアに交換します。この防音建材は大建工業の製品が有名です。

窓には内窓を設置する

遮音のためには窓の配慮は欠かせません。窓から音が漏れるのを防ぐためには内窓を設置し、空気層を設けます。通常、内窓は断熱効果を向上し、結露を防止する事が目的と考えられていますが、防音にも効果があります。特に内窓のガラスに防音ガラスを使用すれば、より防音効果を高めることができます。

部屋の中に既成の防音室を入れる

既成ユニットで構成される防音室を部屋の中に設置する方法です。2畳とか3畳とかの大きさのユニット防音室を部屋内で組立て設置します。楽器を弾くことが前提となっているため、単に遮音という事ではなく、音響調整部材を使用して音の響きを最適にコントロールする空間となっています。この防音室はヤマハの製品が有名です。

水回りからの音漏れを軽減する方法

竪排水管に遮音シートを巻く

マンションでは上階からの流水音が聞こえる事があります。上階からの流水音は室内のパイプスペース内にある「竪排水管」を排水が流れる音です。竪排水管の流水音を軽減するには、排水管用の遮音シートを排水管に巻き付ける事が有効です。

壁内に吸音材を充填する

上階からの流水音の他、トイレを流す音漏れのお悩みもあるかと思います。パイプスペースやトイレの壁内に吸音材であるグラスウールを充填すると有効です。

プラスターボードを二重張にする

また、壁を構成しているプラスターボードを二重に張ることも有効です。二重張にすると、壁の厚みが変わるので、扉など他の部位との納まりに影響が出てくるので注意が必要です。

空間を設ける

間取り変更伴うリフォームをお考えの場合には、トイレと居室を隣り合わせとするのではなく、間にクローゼットを設けるなどして空間を取ると、居室への音漏れが軽減できます。

まとめ

マンションで遮音のために内装や窓をリフォームする事で、現在よりも遮音性、防音性を高めることは可能です。自分でも知識をもって、マンションリフォームに精通した工事業者に依頼することが重要です。工事業者とよく相談して、よりよい環境となる住まいづくりを目指しましょう。