
リフォームポイント
ヒートショック対策リフォーム!お風呂・廊下など部屋別にご紹介
公開日:2020年01月30日

死亡事故や寝たきりの疾患につながる恐れもあるヒートショック。こわいヒートショックを未然に防ぐことはできないのでしょうか。
当記事では、ヒートショックが起こりやすい場所・部屋別に、おすすめの対策リフォームをご紹介します。
ヒートショックとは
ヒートショックとは、気温差による血圧の急上昇・急降下がひき起こす、身体へのダメージの事を言います。
例えば、暖かいお部屋から寒い脱衣所に移動し服を脱ぐと、熱を外に逃すまいと血管が縮むので血圧が一気に上がります。次に、湯ぶねに浸かると血管が緩み、血圧が急降下します。このような血圧の変動はめまいや失神、重いものでは心筋梗塞・脳梗塞・脳卒中・不整脈などの疾患を引き起こすリスクがあります。
めまいなど比較的軽い症状でも、転倒による怪我や浴槽の中での溺死、などという事故にもつながっています。
高齢者、糖尿病・高血圧などの持病のある方、狭心症・心筋梗塞・脳梗塞などの病歴のある方、肥満ぎみな方は、特に注意しましょう。
ヒートショックが起こりやすい場所
家の中でヒートショックが起こりやすい場所は以下の通りです。
- お風呂・脱衣所
- トイレ
- リビングと隔たれた廊下
- 玄関(外から家の中に入ってきたとき)
つまり、急激な温度差があるところです。家の中で起こりやすいですが、暖かい家の中から少しの用事で外に出て、すぐに家の中に入ってきたときなども危険です。
家全体・各所共通で行うヒートショック対策は断熱リフォームを
ヒートショック対策の基本は断熱リフォームです。外気温の影響を受けないようにすることで、部屋間の温度差を無くし、ヒートショックを抑えることができます。
家全体の断熱がベストですが、脱衣所やトイレなど冷気が気になる場所に絞って施工することもできます。予算やお困り事をリフォーム業者に相談し、提案してもらいましょう。
各部屋共通で行うヒートショックを和らげるための断熱リフォームの箇所
- 床・壁・天井:断熱材による断熱
- 窓:窓交換・内窓設置による断熱
各所共通でヒーターの設置も対策のひとつ
各所共通のヒートショック対策はヒーターを設置することです。リフォームではありませんが、簡単にできる対策です。
単純に寒い場所にヒーターを設置し、温度差をなくすだけの話ですが、断熱リフォームと併用するとより効果的です。
ヒーターを検討される際には、速暖性やパワー、安全性、省スペース性、とコストなどのバランスを考慮されるとよいでしょう。
- 速暖性をとるなら
ガスファンヒーター(デメリット:ガス工事が必要) - パワーをとるなら
石油ファンヒーター(デメリット:立ち上がりに若干時間がかかる・灯油の補給が必要・換気が必要) - 安全性をとるなら
セラミックファンヒーター(デメリット:ガス・石油に比べパワーが弱い) - 省スペース性をとるなら
壁付けタイプ
部屋別のヒートショック対策のリフォーム
次は、お部屋別にヒートショック対策を見ていきましょう。
【お風呂】ヒートショック対策
昔ながらのタイル張りのお風呂をユニットバスに

お風呂のヒートショック対策の1つ目は、従来のタイル張りでひんやりしているお風呂をユニットバスに替えるリフォームです。
ユニットバスは従来のスペースの中に箱を入れるイメージなので、躯体との間に空気層ができ、入った時の冷え込みを緩和します。床・壁・浴槽などに断熱材が入っているタイプも多くあり、タイル張りのひんやりするお風呂よりも格別に暖かいです。また、床や壁の素材もタイルとは違って、触れてもひんやりすることはないので、冬のお風呂に足を踏み入れても寒さを感じにくいです。
浴室暖房機の設置
お風呂のヒートショック対策の2つ目は、浴室乾燥暖房機をつけるリフォームです。
ユニットバスまでご予算を割けない場合、床にすのこやマットをひき、浴室内を暖房で暖めておくだけでヒートショック対策になります。大半の機器には、暖房機能だけでなく乾燥や換気の機能がついているおり、便利に使えます。
浴室乾燥暖房機はユニットバス用だけでなく、在来のお風呂にもつけられるタイプが用意されています。電気式とガス式があり、早く暖まるのはガス式、比較的工事が簡単なのが電気式、といったイメージです。
もちろん、ユニットバスにリフォームする際にオプションで付けることもできます。
【脱衣所】ヒートショック対策
タオルウォーマーの輻射熱を利用

脱衣所のヒートショック対策として、タオルウォーマーを設置するリフォームです。
タオルウォーマーは、タオルを乾かし温めてくれるだけでなく、輻射熱で脱衣所をじんわりと暖めます。また壁面を利用するので、狭い脱衣所のスペースをとらないで済みます。
乾燥しにくい、埃が立ちにくい、など長所がある一方、暖房効果は強くないので、おしゃれで補助的なヒートショック対策として捉えましょう。
タオルウォーマーの種類と特長
- 電気式オイルヒーター
電気で暖めたオイルを循環させるタイプ(コンパクトなものが多く気軽につけられる) - 電気式不凍液循環タイプ
電気で暖めた不凍液を循環させるタイプ(比較的大きめ暖房効果あり・デザイン豊富) - ガス温水循環式
ガスで暖めたお湯を循環させるタイプ(暖房効果が高い)
【廊下】ヒートショック対策
床暖房を入れるか電気カーペットを敷く
廊下のヒートショック対策の1つ目は、床暖房や電気カーペットで足元を暖かくするリフォームです。
床暖房を入れられればベストですが、工事費や光熱費もそれなりにかかるのでコストを考えながら検討してください。
コストを抑えたい場合は、電気カーペットを敷くことで底冷えを軽減できます。
玄関との境を間仕切り
廊下のヒートショック対策の2つ目は、玄関との境をカーテンで仕切るリフォームです。この対策は、ヒーターの設置など暖かい空気を入れる対策と併用しなければあまり効果は望めません。
玄関ドアから入る冷気を遮断し、暖かさを確保します。突っ張り棒で吊るすか、落下が心配ならカーテンレールを取り付けてもよいでしょう。
またシンプル志向の方には、ロールスクリーンもおすすめです。開放時に横にたまりが出来ずスッキリする一方、上げ下げに多少手間がかかるのと、左右の隙間がカーテンよりも開く点がデメリットです。
【トイレ】ヒートショック対策
温水暖房便座に交換

トイレのヒートショック対策は、トイレを暖房便座や温水暖房便座に替えるリフォームです。肌に接する便座を暖め、ヒートショックのリスクを抑えます。
トイレの空間が寒くてヒートショック現象を引き起こすということは想像でき、それはヒーターの設置などで対策ができます。
実は見落としがちなのが、トイレの便座です。冬に冷たい便座に腰を掛けて、便座が冷たいとヒートショックを起こす原因になります。ですので、その便座を暖かいものに変えるだけでヒートショックを抑えることができます。
便座だけ取り換えることができるので、気軽に対策できます。
リフォームでヒートショック対策をして、安心安全な生活を送ろう!
いかがでしたでしょうか。
共通でできるヒートショック対策リフォームと、ヒートショックが起こりやすい部屋、箇所別の対策をご紹介してきました。
ひとつだけでも効果はありますが、複数の対策を上手に組み合わせると、より効果的な対策リフォームができます。
ヒートショックの対策=部屋間の温度差の緩和、ですので、リフォームすると冬の暮らしが暖かく快適になります。なるべく早期に対策をとって、安心安全な生活を送って下さい。