
リフォームポイント
窓の断熱リフォームのメリットと3つの方法
公開日:2019年01月23日
窓を断熱リフォームするメリット

熱には、より温度の低いところへと移動して混ざり合おうとする性質があります。つまり夏には外部の熱が冷房の効いた室内の空気と混ざり合おうとし、冬には暖めた空気が外部へと逃げようとします。
これを防ぐために住まいには断熱材が使われていますが、充分に断熱ができていない場所があります。それが窓です。夏場外部から家の中に入ってくる熱全体を100%とした場合、窓からの侵入が実に71%にものぼります。その次に多いのは面積の広い外壁ですが、それでも13%です。冬場は外部への流出の48%が窓、その次が外壁で19%です。
つまり熱が逃げたり侵入したりする場所はダントツで窓が一番であり、窓の断熱リフォームをすることが、住まいの断熱性を高める最も効果的な方法です。
窓断熱には3つの方法がある
窓の断熱対策には様々な方法がありますが、リフォームによる対策としては主に3つの方法が取られます。単純に窓を丸ごと取り換える工事が断熱効果を一番高くできますが、予算効率を考えると必ずしも最良の方法でない可能性があります。どのタイプのリフォームが一番効率がよいか、住宅の環境や予算とのバランスを考慮して選びましょう。
窓ガラスの交換
ガラス交換による窓断熱リフォームとは、既存のサッシはそのままにしてガラスだけをより断熱性能の優れたものに交換する方法です。2枚のガラスの間に乾燥した空気層が密閉され、断熱効果を高めているペアガラス、中間に特殊金属膜をコーティングしてさらに断熱性を高めたペアガラス、中間に真空層があるガラスなどがあります。
通常のガラスより厚みがあるため、そのままでは既存のサッシにはめ込むことができません。そこで既存のサッシに変換用アタッチメントを差し込み、そこへ交換したいガラスをはめ込む、という方法をとります。
アタッチメントの差し込みはとても簡単な作業で、あとはガラスを交換するだけ。短時間でリフォームができ、費用も抑えられるのがメリットです。ただし既存のサッシがアルミの場合、サッシ自体の結露を防ぐことはできません。
内窓の設置
内窓の設置による窓断熱リフォームとは、既存の窓の内側にもう1枚樹脂製(あるいは木製)の窓を設置することによって断熱効果を高めるリフォーム方法です。
窓が二重になり、間に数cmの空気層ができるため、断熱効果は飛躍的に向上します。内窓の設置によってできる空気層には、音を吸収する防音効果もあります。音には空気を伝わって耳に届く空気音と、振動により伝わってくる固体音とがありますが、内窓は主に空気音に対して防音効果を発揮します。
また内窓により熱や紫外線を二重に跳ね返すことで、遮熱性の向上、紫外線カットの効果もあります。加えて防犯対策にも役立ちます。これは侵入するには二つの窓を破らねばならず、空き巣などのターゲットになりにくいことが理由です。防犯性の高い鍵や特殊フィルムを施せばさらに防犯性能を強化することができます。
窓の交換
窓の交換による断熱リフォームとは、窓もサッシもすべて断熱仕様のものへ交換することで断熱性を向上させるリフォームのことです。丸ごと断熱仕様にするため、ガラスだけの交換よりも断熱効果はアップします。
ただしこの方法を選ぶ場合、外壁を一部壊して作り直す必要があります。サッシの一部が壁に埋め込まれているからです。一部クロスの張替も必要になる場合があります。工期も費用もかかりますが、サッシの種類を自由に選べ、窓の大きさを変えられるなど、自由度が高い方法です。