床・フローリング張替えのノウハウ

リフォームポイント

フローリングの張替え方法と張替え時期

重ね張り

重ね張りとは、今あるフローリングの上に新しいフローリング材を直接重ねる工法です。
既存のフローリングを剥がす工事をしなくて済む為、工事費や施工期間が小規模になります。また騒音も少ないので周囲への迷惑も少ないのもメリットです。

しかし床が二重になることでその分の床の高さが上がり、段差に躓いたり、扉や家具の配置を変更したりする必要が出てきます。その結果、調整で費用がかかってしまうこともあります。

この高さに関しては、重ね張り専用の薄いフローリング材を用いる事で解消できます。通常フローリングは12mmから15mmの厚さですが、重ね張り専用の床材は1.5mmから6mmとより薄い作りになっているため、床の段差も気になりません。

重ね張りの注意点

フローリングの場合のみできる工法である

既存の床がフローリング以外の、畳やカーペットなどの材質である場合は、重ね張りをする事ができません。新たに貼る床材だけではなく元の床材もフローリングである場合のみ、この工法は適用できます。

床鳴り等は解消できない

現在床鳴りの不具合が発生している場合、重ね張り工法では解消することはできません。床鳴りを解消するためには今のフローリングを剥がし、張替える工法を用いてリフォームをする必要があります。
また既存の床が腐食している場合は、補修してからリフォームを行いましょう。

重ね張り用のフローリングの材質について

重ね張り専用のフローリング材は薄さによって段差が発生しにくいですが、選ぶ際は表面の仕上げにも注意して選びましょう。表面が天然木ではなく、化粧シートに木目を印刷した種類の可能性があります。天然木と同じに見えても、手触りや床の上を歩いた時の感触が違うので材質を確認しましょう。

張替え

今の床材を剥がし、新しい床材を貼るのが張替え工法です。

既存の床はフローリングに限らず、畳やカーペット、クッションフロアであっても問題なくフローリングに変更することができます。
床を剥がすことでリフォームの前後で高さが変わらず、好みのフローリング材を選択できる点、剥がした時に下地の様子を確認できる点がメリットです。下地の腐敗に関しては、軽度の凹凸ならばリフォーム工事の一部として調整まで行ってくれる業者も多いです。

一方、下地調整を併せて行なってくれるとはいえ、そもそも既存の床材を剥がす分、工事の費用も時間も重ね張りより掛かります。
また下地調整はあくまで軽度の症状に限ります。確認できるのは良い事ですが、重度の傷や腐敗が見られる場合には、下地の取り替え工事から始めなければいけません。この場合の費用は別に請求される為、経済的な負担はより大きくなります。

畳の張替えリフォームはこちら

張替えの注意点

張替えは段差をなくす

フローリングを張替えする方法でのリフォームをする場合、下地に段差が発生している箇所があれば、併せて段差をなくす工事もすると生活が便利になります。
小さな段差であれば、下地を二重にしたりスローブを設置したりする事で解消でき、後々のバリアフリー工事も楽になります。

一緒にやっておきたいリフォームも検討する

床やフローリングの張替えリフォームを行う際は、床暖房の導入も検討しましょう。後から床暖房を設置するとなると床の工事をやり直さなければいけなく、費用も掛かります。一度で済むよう、床の張替えと同時に取り付けましょう。

張替える床材の厚みにも注意

重ね張りと異なり段差がないといっても、新しく貼る床材の厚さも考慮する必要があります。今の床材より厚いものを選ぶと当然、周囲の床との間に段差が生じます。ドアの開閉などに影響がでないように注意が必要です。

フローリングの張替え時期

フローリングは設置してから約10年から15年程度、状態が良ければ20年程が張替えの目安です。しかしフローリングの種類や普段の使用具合によって張替えするタイミングは異なります。

一般的には反りや汚れ、色あせと言った、目に見える変化が生じたら張替えを検討しましょう。
また目に見える変化はなくてもフローリングの上を歩いた時に、きしみや床鳴りがする場合も同じです。特に床鳴りは、床板の反りや下地の傷みが原因となる場合が多いですが、自分では判断しにくいため確認だけでも業者に依頼したほうが良いでしょう。原因によっては工事内容も変わってきます。

傷み以外の張替えのタイミングとは

フローリングに傷みなどが見つかった時に限らず、常に生活環境に適した床材を選ぶ事も重要です。例えば、ライフサイクルの変化や家具とのデザインを調整したい時、壁紙を張替える時(壁紙・クロスの張替えのタイミング)、床材に必要な機能が生じた時などのタイミングにも張替えを検討しましよう。
老朽化する前に替える事で工事毎のコストも低くなり、経済的にも有効です。