床・フローリング張替えのノウハウ

リフォームポイント

床の構造

床・フローリングの張替えリフォームは、その下の床の構造と密接に関係しています。床の構造次第でフローリングの種類が限定されてしまう場合もあります。ここでは、マンション編と戸建て編で床の構造をご紹介します。

マンション編

直貼り工法

直貼り工法とは、主に鉄筋コンクリート造りのマンションなど、建物の躯体に強度がある場合のみ用いられます。コンクリートスラブにボンドなどの接着剤を塗り、下地とフローリングを直接貼りつけ施工する方法です。

下地には特殊緩衝材のついた柔らかい木質床材が使用されます。この緩衝材がクッションの役割を果たし、弾力性はもちろん遮音性能も高くなるため、階下や周辺への音の振動が気になるマンションの床材として最適です。また、下地が必要ないため、釘が打てない場所にも施工が可能で、床の厚みを最小限に抑えることもできます。
ただし、貼れるのは直貼り専用のフローリングに限られるため、多くの種類から選べないことが難点でしょう。

二重床工法

二重床工法とは、鉄筋コンクリート造りのマンションの床に使用される工法の一種です。
コンクリートスラブとベースになるパーティクルボードの間に設置された支持ボルトによって構成されており、その上に合板とフローリングを施工する方法です。
この支持ボルトを立てることで床下に空間が生まれ、ガスや電気などの配管の移動がスムーズになります。リフォームする際に水まわりなどの間取り変更が可能であること、メンテナンスが容易であることが大きなメリットです。

支持ボルトは高さを調節することができるので、段差の少ないバリアフリー住宅にも向いています。さらに二重床は音や衝撃を吸収する性能にも優れているため、遮音効果も期待できます。

マンションフローリングの注意点

マンションでフローリング床のリフォームを行う際は、マンションの管理組合で設けている管理規約を確認することが大切です。
管理規約は区分所有法に沿って作成されており、使用する材料や防音規定など、マンションによっては細部に至るまで厳しい規約を設けています。中にはリフォーム自体を禁止しているマンションもあります。

フローリングリフォームが可能でも事前に管理組合や階下、近隣住人への同意や承諾を得た上で、必要書類を提出しなければ工事を実施することができないケースもあるので注意しましょう。

なお、遮音フローリングへのリフォームを実施する場合は、使用するフローリング材がLL-45またはLL-40の遮音等級基準を満たしている必要があります。その場合も事前に管理規約を確認した上で、不明な点は管理事務所や組合に相談し、リフォームすることをお勧めします。

戸建編

根太(ねだ)貼り工法

根太貼り工法とは、戸建て住宅のフローリングに用いられる最も一般的な工法です。主に木造住宅の床組である根太に接着剤と釘を用いてフローリング材を施工するため、比較的低コストで済みます。接着面積が狭いので、ウレタン系ボンドなど強度に優れた接着剤を使用します。

捨て貼り工法

捨て張り工法とは、戸建て住宅のフローリングに用いられる工法の一種です。木造住宅の床組に下地合板などを下張りし、その上から接着剤と釘を用いてフローリング材を施工します。通常は強度の強いボンドを使用しますが、下地合板とフローリングの接着面積が広いので、木工用ボンドを用いてコストダウンを図ることもあります。しっかりとした構造になるため、床下からの湿気も防いでくれます。