
リフォームポイント
床材の選び方
公開日:2015年08月13日
目的から選ぶ
快適性
日本では、欧米のように土足で家の中を歩き回る習慣はありません。
基本、靴は玄関で脱ぎ、家の中ではスリッパや靴下、あるいは素足で歩き回ります。また、床に座ったり寝転がったりなど肌が床に直接触れることが多いでしょう。だからこそ、床材は肌触りなどの快適性を重視することが大切なのです。
肌触りの良いカーペットや、木のぬくもりを感じることができるフローリングに人気が集まるのも、こういった日本の風習が影響しています。日本には四季があるため、夏は涼しさを、冬は温もりを感じられるような床材を求めることでも快適さを得られます。
機能性
床材を選ぶ時は、安全性や掃除のしやすさなど、機能性を重視することも大切です。いくら手触りが良くて見た目が気に入ったとしても手入れが大変であったり、滑りやすく危険であったりすれば、良い床材とは言えません。
重視すべき機能は丈夫さ、手入れのしやすさ、水に強い、滑りにくくて安全、階下に音が響きにくいなどです。なかなかこれらの機能すべてを備えた床材は難しいので、家庭環境や設置する場所などから優先順位を決めて選ぶと良いでしょう。
小さいお子さんや高齢者がいるご家庭なら安全性を重視、水まわりの床材であれば耐水性や手入れのしやすさを重視します。ペットがいる場合は、丈夫さや臭いのつきにくさ、手入れのしやすさなどを重視するなどして選びましょう。
デザイン性
床材を選ぶ時は、その部屋に適した色や柄など、デザイン性を重視することも大切です。
いくら良い床材を選んでも、部屋全体とのバランスが取れていなければ快適な空間を演出することはできません。視覚的にも調和のとれた床材を選ぶことも重要なポイントです。
インテリアの基本としては、床、壁、天井と上にいくにつれて明るい色を選ぶと天井が高く、安定感のある雰囲気になります。反対に床よりも天井の色を濃くすると、圧迫感が出るので注意が必要です。色合いも、同系色や反対色で組み合わせると部屋の雰囲気もガラリと変わります。
照明によっては床の映りかたも変わるため、選ぶ照明器具とのバランスも考え、床材を選ぶと良いでしょう。
部屋別に選ぶ
水まわり(キッチン・トイレ・洗面)
キッチンやトイレ、洗面所、脱衣所といった水まわりでの床材選びでは、掃除が楽になるよう手入れがしやすいこと、キズや汚れに強いこと、周囲との調和が取れたデザイン性の3つがポイントになります。
水まわりではどんなに気をつけていても水や洗剤などが飛び散ります。キッチンではそこに油汚れも加わります。水や油汚れが床の劣化につながらないよう、サッと水や汚れが簡単に拭き取れるようなクッションフロアや複合フローリングが適しているでしょう。
さらに、キッチンは食器や調理道具などを落としたりすることが多いため、キズがつきにくく、汚れにも強いものを選ぶ必要があります。
水まわりは使用頻度が高く、毎日目にする場所ですので、周囲との調和が取れたデザインにすることも大切です。システムキッチンや洗面台、便器といったそれぞれの場所にある物との調和を考え、コーディネートしましょう。特にクッションフロアは種類も豊富なため、統一感を出せるデザインのものを見つけやすいです。
リビング・ダイニング
リビングやダイニングは家族団らんの大切な場所であり、家の中で多くの時間を過ごす場所でもあることから、床材は快適性を重視することが大切です。
裸足で歩くことや、時には寝転がることも多い場所ですので、肌触りの良い無垢フローリングやカーペット、コルクタイルなどが適しています。快適性では畳も優れており、子供やお年寄りにも優しい素材です。
ペットや小さいお子さんがいるご家庭なら汚れにくい、手入れがしやすいといった機能性で選ぶことも大切です。クッションフロアや複合フローリングが適しており、手入れのしやすさだけでなく、消臭機能や耐久性に優れたものを選ぶと快適性も増すでしょう。
子供部屋
子供部屋の床材を選ぶ時は安全性を重視し、滑りにくく、柔らかい素材が良いでしょう。硬すぎる素材や、滑りやすい素材にすると危険性が高まります。
走っても転びにくく、万一転んでも怪我がしにくい床材にはクッション性があるコルク床やカーペットが適しています。
しかし、落書きや食べこぼしなどで汚れることも多い子供部屋は、カーペットなどの繊維でできているものは一度汚れがついてしまうと落としにくいという欠点があります。張替えが簡単なタイルカーペットを選ぶと良いでしょう。
また子供が飛び跳ねたりしても階下に音が響かないよう、防音にも注意しなければなりません。防音性にも優れ、手入れがしやすい素材にはクッションフロアシートが適しています。
デザインや色など豊富な種類があるため、子供の成長に合わせて選んでもいいでしょう。
寝室

寝室は一日の疲れを癒し、明日への活力とする重要な場所です。快適な眠りを実現するためにも、床材には色味や快適性が重要です。
明るい色は意識が冴え、眠りを妨げるため、基本的には明るさを抑えた色や鮮やかな色は避け、濃い色を選びましょう。天井から壁、床へとだんだんと明度を落として色を選ぶと落ち着いた印象の部屋になります。
また、安眠を妨げないよう音にも配慮する必要があります。
音を吸収し、静かな部屋を作る床材にはカーペットが適しており、裸足で歩くことも多いので、足触りが良いことも利点です。カーペットは汚れが落ちにくい、ダニやホコリが心配という方もいますが、防ダニ加工や汚れ防止加工が施された製品など、優れた機能をもつカーペットを選ぶと問題ありません。
玄関・階段
玄関

玄関は訪問者に必ず見られる場所であり、家の顔でもあります。床材選びでは、インテリアとの調和や安全性ももちろん大切ですが、高級感を演出することも重要なポイントです。
高級感を出す床材として適しているのは石材です。特に輝くような風合いの大理石は高級感を演出するのに最も適した床材です。明るい色にすると玄関が広く見え、さらにハイグレードな印象になります。
また、その他の石材や鏡面タイプのフローリング、腰壁材にしてもグレード感を出すことができます。
但しいくら高級な床材を使っても、階段や玄関框とのバランスが悪ければ台無しです。トータルコーディネートを考えて選ぶようにしましょう。
階段
階段は家の中でも最も事故が多い場所でもあるため、安全性を第一に考えて選ぶことが重要です。
滑りにくく、転んでも衝撃を和らげてくれる床材にはコルクやカーペットが適しています。
施工方法は、既存の床の傷みが激しい時は、床材自体を張替えることもありますが、基本は既存の床の上から貼るだけなので、リフォーム工事も比較的簡単です。
階段も玄関や廊下の床、壁などとコーディネートを考えて色合いを選ぶと良いでしょう。