床・フローリング張替えのノウハウ

メンテナンス(手入れ、掃除)

フローリングのワックスの種類と選び方

床ワックスとは、フローリングの床材が日常生活の中の摩擦によって傷がついたり、劣化したりするのを防ぐことを目的に床に塗る保護剤のことです。油性、水性、樹脂系などがあり、床材によって適したワックス剤は異なります。

床ワックスを塗ることで床の表面に塗膜ができ、傷や汚れがつきにくくなり、日常の手入れも楽になります。また、艶を出す効果もあり、見た目もきれいになります。一般的な床ワックスの効果に加えて紫外線による床材の日焼けを防ぐ効果や、滑りにくい工夫がされたものなど、付加価値がついた製品もあります。定期的に塗ることで床材を長持ちさせるとともに、綺麗な状態を保つことができます。

ワックスの種類

油性

油性ワックスとは、油を主成分とするワックスのことで、主に塗装されていない無垢材にしみ込ませて使用します。一般的なフローリングには不向きです。

水性

水性ワックスとは、昔からよく用いられた蝋を主成分とするワックスのことで、無垢材などに適しています。塗りやすいのが利点ですが、樹脂と比べ強度や光沢はなく、こまめに塗り直す必要があります。一般的なフローリングには不向きです。

樹脂(ウレタン・アクリル)

樹脂系ワックスとは樹脂を主成分とするワックスのことで、ウレタン樹脂系とアクリル樹脂系の2つに分かれます。戦後間もなくアメリカから入ってきたもので、現在の主流となっています。

ウレタン樹脂系は柔軟性があり、耐久性能も優れていますが、液体の粘度が高く塗りにくいところが難点です。乾くと硬くなり、重ね塗りも困難ですが、弾力性があるためフローリングに向いています。

アクリル樹脂系は密着性に優れており、塗りやすいところが利点です。美しい塗膜を形成しますが、耐久性はあまりなく柔軟性にも劣ることから、フローリングにはあまり向いていないとされています。

床ワックスの選び方

床用ワックスと言ってもその種類は数多くあり、成分によって適したフローリング材も異なります。
選び方としては、光沢の度合いや塗りやすさや形状、床材のタイプ、好みの光沢、塗りやすさも合ったものを選ぶようにしましょう。

まずは無塗装や無垢材を使用した床、一般的な化学床、クッションフロアなど床材の種類によって適したワックスを選ぶことが大切です。

次に光沢度合いや形状などを比較してみましょう。シートタイプ、液体、スプレー、練り状になったものなどがあります。ワックスは何年も効果が持続するものではなく、定期的に塗り直すことで床材を長持ちさせてくれる掃除用品ですので、作業のしやすさ、塗りやすさはとても重要です。

そして水まわりに適した防水タイプ、ペットのいるご家庭用に傷がつきにくいタイプ、空気中の有害物質を吸着する環境に配慮したタイプ、など付加された機能も見逃せません。特に光沢が強いタイプもありますので、人に見られることが多い場所に選ぶなど、使用する場所によって選ぶ方法もあります。

コーティングとの違い

フローリングを傷や汚れから保護し、日頃のお手入れを楽にするという点ではワックスもコーティングも同じですが、この2つには効果の持続性や耐水性といった機能面で大きな違いがあります。

ワックスの効果は数ヶ月から1年程度で、何度も塗り直す必要があります。塗ってすぐなら充分な保護や光沢が期待できますがその効果は一時的です。
また、水や摩擦に弱いため、液体をこぼして拭いたり、物を引きずって移動させたりすると、その部分だけが先に剥げてきます。部分的につやが落ちた状態は美観を損ない、保護効果も薄くなります。しかし、手軽ですぐに床をきれいに見せることができる点では使いやすい保護剤です。

一方のコーティングはワックスに比べて効果に持続性があり、5年以上も耐久年数があります。光沢も長続きするため、何度も塗り直す必要がありません。水や摩擦に強いため、長期にわたってフローリングを保護します。