
リフォームポイント
床暖房をリフォームで取り入れる
公開日:2015年08月04日
床暖房の魅力とは
床暖房とは、床を加熱することで放射されるふく射線、熱伝導や対流によって暖める方法です。
エアコンやストーブを使用した場合、暖かい空気が天井に溜まりやすいため足元が寒く感じてしまいがちですが、ふく射熱を利用した床暖房であれば、足元はもちろん部屋全体が均一に暖かくなり、快適に過ごすことができます。また、においや音もなく、ホコリが舞い上がることもないので、空気が汚れたり音が気になったりすることがありません。
大きさや形も選ばず、仕上げ材によってどんな部屋にでも合わせることができます。設置場所も床下なためスッキリとした空間を保つことができるのも床暖房の魅力でしょう。
床暖房のリフォーム方法
床はそのままで設置する方法
既存の床上に直接、床暖房の設備を施工します。
床を解体する手間が省けるため比較的簡易なリフォームで、工期は短く、コストも抑えることができます。
ただし、床材の種類が限られ、場合によっては施工できないケースもあります。また床の高さが現状より12~18㎜ほど増すため、部屋の一部分のみに床暖房を設置する際は、見切り材を用いて段差を解消する必要があります。
床をまるごと剥がして設置する方法
既存の床を一旦全て剥がしてから床暖房の設備を施工します。
下地から工事をし直すため、床ごと張替えたい場合や、家全体のリフォームと合わせて床暖房を導入する場合におすすめです。
解体作業を含めて工期は1週間程度かかり、設備費用とは別に撤去する費用なども発生します。
ライフスタイルで選ぶ、電気式と温水式
床暖房には電気ヒーターが搭載されたパネルを設置する「電気式」と、お湯を床下に循環させて室内を温める「温水式」の2種類に分けられます。
電気式の場合、初期費用は抑えられますが電気代が高くなるため、部屋の一部分だけの利用や、1日のうち数時間しか使用しない家庭におすすめです。
なお、電気式の中には貯熱式もあります。電気代が割安な深夜に貯熱した熱を昼間に使用できるため、在宅時間が長い家庭では電気代が大幅に節約できます。
温水式の場合は、熱源機の設置や配管工事が必要になるため初期費用はかかりますが、多くの部屋に設置する、広範囲に設置する、1日中つけっぱなしなど長時間使用する家庭にはおすすめです。
このように各家庭のライフスタイルに合わせて、電気式か温水式の床暖房を選びましょう。
床暖房リフォームをする際のポイント
床材の種類を選ぶ
床暖房といえば、フローリングのイメージが強いかもしれませんが、そのほかさまざまな種類の仕上げ材でも設置が可能です。ここでは選ばれることの多い素材、コルク、カーペット、無垢材、畳のそれぞれの特徴を紹介します。この他にも、タイルや石材、塩ビシートなども床暖房に対応したものがあります。リフォームする際は、素材の特徴を把握してから選ぶことがポイントです。
コルク | ワインの蓋などにも使われるコルク材は、表面が柔らかくて肌触りが良く、寝転がっても快適ですので床暖房に適しています。滑りにくく、万一転倒しても表面が柔らかいので衝撃をやわらげてくれます。 |
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カーペット | カーペットはダニの温床になりやすいですが、床暖房の場合は熱を嫌うダニが表面に出てくるため、効率良く退治することができ、ダニの温床になりにくいというメリットがあります。 |
無垢材 | 無垢材は自然の風合いを楽しめる床材ですが、メンテナンスに手間がかかる仕上げ材でもあります。床暖房には乾燥状態の良いものが使われます。 |
畳 | 和室を床暖房にする場合、薄くて熱が伝わりやすい専用畳を使用します。厚さは15~30mmほどですが耐久性があり、クッション性も失われないように作られています。また畳の種類も豊富なため部屋のイメージによっても選ぶ事ができます。 |
床材は床暖房対応のものを
床暖房で使用する仕上げ材は、どんな床材でも良いというわけではありません。
必ず床暖房に対応したものを選んでください。対応していないフローリングなどを使用すると、熱によって反りや割れ、それによって隙間などが発生する場合があります。
またその他の床材にも床暖房に対応したものがありますので、選ぶ際には確認してから選びましょう。
設置する広さ
床暖房は、設置する面積が広ければそれだけ初期費用もランニングコストもかかります。部屋全体に設置するほうが効果的と思われがちですが、大きな家具の下や、日頃誰も通らないような部屋の隅っこにまで設置する必要はありません。
直接足が触れる場所を中心に、部屋の5~7割程度設置するのが一般的でしょう。部分的な設置でも十分な効果が期待できます。少ない面積の設置で効率良く効果を得るために、家具の配置等に工夫すると良いでしょう。