床・フローリング張替えのノウハウ

床材

タイル

タイルは耐久性、耐水性に優れた床材ですので、濡れることが多い外まわりや水まわり、玄関などによく用いられます。色やデザインが豊富で、キッチンやダイニングに使われることもあります。

リビングの一角をタイル張りにすることでインナーテラスとしてのスペースをつくることもできます。
床暖房仕様のものや、滑りにくい加工がされているもの、掃除がしやすい工夫がされているものなど、付加価値を高めた商品もさまざまあります。

タイルの種類

陶器質タイル 多孔質で吸収性があり、叩くと濁音を発するのが特徴です。原料は陶土や石灰などで、これを1,000~1,200℃で焼成します。色やデザインが美しい施釉タイルで、寸法精度が良いという長所があり、主に内装に使われます。
せっ器質タイル 粘土や長石などを原料としており、これを1,200℃前後で焼成します。素地に透明性はありませんが、焼き締まっており、吸水性が5%以下と小さいのが特徴です。素朴な味わいがあるタイルで内装、外装、床材すべてに使われます。
磁器質タイル 石英や長石、粘土などを原料としており、これを1,200~1,350℃で焼成します。
吸水性はほとんどなく、吸水率は1%以下です。素地は硬く透明性があり、叩けば金属音を発するのが特徴です。耐凍傷性、耐摩耗性に優れており、外装タイルや公共の床タイル、水まわりなどによく使われます。

釉薬(うわぐすり)

釉薬が施されたものを施釉タイル、施されていないものを無釉タイルと分類します。施釉タイルは表面の色が輝いて見え、無釉タイルは素焼きの質感が特徴です。

用途による分類

タイルは用途で分類すると内装タイル、外装タイル、床タイル、モザイクタイルの4つになります。

内装タイル 内壁に使用されるため、寸法精度の優れた陶器質が向いています。一部寒冷地では、耐凍傷性に優れた磁器質、せっ器質を使うこともあります。
外装タイル 外壁に用いられるタイルですが、強度と耐久水性、耐候性、耐久性に優れており、色ムラが少ないことも求められます。磁器質やせっ器質がよく使われます。
床タイル 耐候性や耐久水性はもちろんのこと、耐摩耗性、耐衝撃性なども求められます。磁器質やせっ器質が主に用いられます。
モザイクタイル 表面積が50㎠以下の小さなタイルをまとめてユニット化したもののことです。内装、外壁、床に用いられ、磁器質が使用されます。

タイルのメリット・デメリット

タイルのメリット

タイルのメリットは、汚れがつきにくく耐水性にも優れているためメンテナンスが楽であること、耐久性に優れているため長期間使用できコストパフォーマンスが良いこと、デザインが豊富なので個性的な空間を演出できること、などが挙げられます。水まわりに強く、湿気によるカビの発生も抑え、清潔に保つことができます。燃えにくく、ある程度の衝撃には耐えられるため、安心できる素材でもあります。

タイルのデメリット

一方で表面が冷たいので冬は寒い、濡れていると特に滑りやすく万が一転倒した時は硬い素材だけに痛い、といったデメリットもあります。
さらに衝撃に強いとはいえ、重いものを落とすと割れたりひびが入ったりする可能性はあります。タイルの表面には汚れがつきにくいですが、目地の汚れは目立ち、手入れが必要なことも欠点です。また床材の中では高価な素材であり、導入費用は高くつきます。