床・フローリング張替えのノウハウ

床材

無垢フローリング

無垢フローリングとは、天然の木から1枚の板に加工して作られた床材です。集成材とは異なり、繋ぎ目のないものを指します。天然木を使用しているため、木そのものの風合いや肌触りが魅力で、人気があるフローリング素材です。

無垢フローリングの特徴

優れた調湿機能

無垢フローリングは天然木をそのまま加工しているため、木の特性でもある調湿効果があります。
梅雨のジメジメした季節には余分な湿気を吸収し、寒くて乾燥した時期には湿気を放出するので、年間を通して快適な室内環境を保つことができます。また、乾燥を抑えることで静電気を防ぐ効果も期待できます。

肌触りの良さ

無垢フローリングの内部には成長の過程でできた無数の導管や細胞があり、乾燥すると空気の層になるので、触るとほんのり温かみのある肌触りを感じることができます。
この木材特有の心地の良い肌触りは、触ったり歩いたりするだけでも安らぎを得られるのです。
冬のヒヤッとする感触も軽減されますし、夏もベタつかずサラッとした感触なので裸足でも気持ちよく過ごすことができます。

断熱性が高い

天然木は熱伝導率が低いため、外部の極端な温度変化による影響も少なくなります。
夏の熱い空気の侵入を最小限に抑え、冬は室内の暖かい空気を閉じ込めてくれるので、季節を問わず快適な生活を実現できるでしょう。断熱性が高いと冷暖房も効きやすくなるので省エネかつ経済的です。ただし、無垢材の厚さや樹種によって異なります。

癒し効果をもつ

無垢材が持つ独特の香りは、嗅ぐだけでとても癒されます。
無垢の木から取れる精油分(フィトンチッド)は、アロマテラピーの原材料としても活用されており、精神を安定させて落ち着いた気分にしてくれる効能があります。
無垢フローリングを使用することで、家にいながら森林浴と同じようなリフレッシュ感を日々味わうことが可能です。さらに嫌な匂いや生活臭などを消臭・脱臭する効果もあるので、心身共に癒されて健康的な生活を送ることができます。

時間の経過と共に味わい深くなる

無垢フローリングは美しい木目が魅力ですが、紫外線の影響で成分が変化することで表面が変色してしまい、新調した際の美しさは徐々に失われてしまいます。
しかし、経年と共に木が元々持っている力強さや美しさがにじみ出てくるので、その変化を楽しみ、美しいと感じることができるのです。
無垢フローリングに限らず、無垢の木から作られた家具や楽器などは時間の経過と共に飴色の艶を帯びてアンティークとしての魅力を増し、より味わい深いものになるのです。

無垢フローリングの欠点

割れや反り、膨張が発生する

無垢材特有の調湿機能によって木材が伸縮と収縮を繰り返すため、反りや曲がり、割れが生じるケースがあります。そのため、換気や熱風などに配慮する必要があります。

傷つきやすい

天然の木から取りだされているため、柔らかく傷がつきやすいという欠点があります。しかし、天然木の種類によっては傷がつきにくい木材もあります。

木目や色味のバラつきがある

天然木を使用するため均一化が難しく、個々に木目や色味が異なります。

価格が高い

無垢材そのものも価格は高めですが、施工に手間と時間がかかるためその分料金も加算され高くなります。

無垢フローリングの素材

木の種類はさまざまあり質感や硬さ、木目などが異なります。その木の種類には、大きく分けて広葉樹と針葉樹の2種類に分けることができます。広葉樹と針葉樹それぞれどのような特徴や素材の種類があるのかをご紹介します。

広葉樹の特徴とは

広葉樹とは葉が広くて平たい樹木の総称で、ケヤキやナラなどが代表的です。
特徴は重くて硬いことから強度に優れ、傷がつきにくく、比較的反りや縮みも少ないと言われています。
また、針葉樹が約500種類に対して、広葉樹は約20万種類もの種類があります。そのため色味や木目のバリエーションに富んでおり、明るいものから淡いもの、重厚感や高級感のあるものや光沢の有無、木目の細かさなど様々あります。
そのため使用する部屋のイメージや好みに合うものが見つけやすいのも特徴でしょう。

広葉樹の種類例

オーク(ナラ) はっきりとした美しい木目で薄い茶色の樹種です。硬く丈夫なのでフローリングや家具、洋酒の樽などに使われています。
ブナ(ビーチ) 黄色とピンクを混ぜたような明るい色味で、緻密な材質が特徴です。弾力性があるので、主に椅子などの曲げ加工を伴う家具に使用されています。
メイプル 淡いピンク色と表面の光沢が美しく、不規則に並ぶ小さな節が特徴の樹種です。耐久性や施工性に優れているため高級材として扱われており、家具や楽器などにも使用されています。
チーク 耐久性や強度が高く、寸法安定性のある高級材です。加工はしやすいが、色合いは金褐色や茶褐色など、木の発育状況によって異なるため均一ではないものが多い。
ウォールナット 落ち着きのある色合いと重厚感が特徴です。耐久性や衝撃に強く、北米で最高級の樹種として扱われています。

針葉樹の特徴とは

針葉樹とは針のように細長い葉の樹木の総称で、ヒノキやヒバなどが代表的です。
軽くて柔らかいので加工がしやすく、床材だけでなく様々な家具にも使用されています。国内の住宅で最も多く使用されているスギも針葉樹です。木独特の香りも特徴で、特にヒノキやヒバは香りが強く、浴槽の材木として人気です。

針葉樹には強度もありますが節も多く、床材として使用する際は節の有無にも注意しなければなりません。
人目に触れにくい部分などに使用する分には問題ないので、あえて節の多い安価な材木を使用してコストを抑えることも可能です。

針葉樹の種類例

スギ 肌触りが良く、加工もしやすさから日本で最も使用されている材木です。柔らかいので傷が付きやすいのが難点です。床材だけでなく様々な場所に用いられます。
ヒノキ 特有の香りと光沢が特徴で、日本を代表する高級材木です。水に強く耐久性にも優れているため、浴槽や家具、柱などに多く使われています。乾燥しやすいので寸法安定性も高く、和室などでよく用いられます。
カラマツ アカマツよりやや白みがかった色合いが特徴です。強度と寸法安定性、耐水性の高さや脂分の多さから、柱や船舶、枕木にも用いられています。
パイン 柔らかさと節の多さが特徴の輸入材です。スギと似た性質や価格帯を持ち、針葉樹の代表のひとつです。原産国によって風合いが異なりますが、ナチュラルな表情が人気で家具などにも使用されています。