床・フローリング張替えのノウハウ

メンテナンス(手入れ、掃除)

無垢フローリングで使える塗装方法とお手入れ方法

塗装方法の種類

ウレタン塗装

合成樹脂によって表面に薄い膜を貼ったような状態になるウレタン塗装は、光沢のある質感に仕上がるのが特徴です。耐水性や耐摩擦性に優れており、無塗装などと比べると汚れや傷がつきにくくなっており、頻繁にワックスなどを塗る必要もありません。
ただし、いったん傷がついてしまうと目立ちやすく補修にも手間がかかります。また、無垢独特の感触や呼吸による調湿効果は期待できないのも欠点です。
普段の手入れはから拭きですが、半年間隔で木質フローリング専用のワックスを施すことで美しい光沢を維持することができます。

オイル塗装

天然の油脂を表面に塗って木材の内部に浸透させるオイル塗装は、調湿効果を妨げることなく、木の質感がそのまま残るのが特徴です。
塗膜がないため傷や汚れは付きやすくなりますが、サンドペーパーで削り落とすことができるなど補修が比較的、簡単なことが魅力でもあります。
日常は乾拭きで十分ですが、使用するオイルの種類や状態によっては定期的に専用オイルの塗り直しが必要になるケースもあります。

無塗装

フローリングに何も塗っていない状態のことを無塗装と言います。
木材独特の質感や風合いを楽しむことができ、室内の温度や湿度を調整する機能も最大限に生かせるのが特徴です。
表面に塗装を施していないので汚れや傷が付き易く、気候の影響で毛羽立ちやささくれが生じることもありますが、小さな傷などであればあまり目立たず、凹みの補修も簡単です。
ただし、木の導管にまで染み込んだ汚れを落とすことは非常に困難なので注意が必要です。
普段の手入れは乾拭きや掃除機で、定期的なメンテナンスは不要です。

無垢フローリングに塗装は必要か

無垢材の魅力は、木そのもの質感や温もりを感じることができることです。
その魅力を活かせるのが無塗装です。何も塗らないことで木の本来の風合いを楽しむ事ができ、選ぶ人も増えてきています。しかし、無塗装は傷や汚れが付きやすくメンテナンスに注意が必要となるため、塗装することをおすすめします。そこで、無垢フローリングの表面を保護しながらも、木の質感や調湿機能を残すことができるのはオイル塗装です。

オイル塗装は天然の植物由来成分を原料としているため、人や環境に優しい塗料でフローリングを長持ちさせてくれます。ただし、表面を塗膜で覆うわけではないため傷は付きやすくなります。傷に強くメンテナンスが簡単なものであれば、ウレタン塗料がありますが木の質感は失われます。
このように、無垢フローリングの在り方によって塗装は必要となるでしょう。

塗装別の手入れ方法

ウレタン塗装されている場合

普段のお手入れは、乾いた雑巾で乾拭きします。
表面がコーティングされており耐水性にも優れていますが、水をたっぷり含んだ雑巾やモップでのお手入れは禁物です。板と板の間に詰まったゴミやほこりは掃除機で吸い取り、掃除機だけでは取り除けないような場合は爪楊枝などで取るといいでしょう。

基本的に頑固な汚れは固く絞った雑巾で拭き取り、それでも落ちない場合は薄めた中性洗剤を含ませて拭き取ります。水拭きや洗剤を使用した後は、必ず乾いた雑巾でしっかりと拭き取ってください。
長時間濡れたままの状態にしておくと、床板の反りや割れの原因になります。

なお、ウレタン塗装のフローリングにワックス掛けは不要です。
より光沢を際立たせたい場合は、木質フローリング用ワックスを使用し、ムラなく均一に塗りましょう。その際はよく取扱説明書を確認してから行ってください。

オイル塗装(自然塗装)されている場合

日常の手入れ方法は、ゴミや埃を取り除いた後に乾いた雑巾でから拭きをします。
板の隙間の細かいゴミは爪楊枝などで取り除いてください。

大掃除の際は固く絞った雑巾で拭きますが、汚れが落ちない場合はオイルメーカーが出している専用のワックスクリーナーを使用してください。また、濡れたままにしておくと床板の反りや割れの原因になりますので、最後には必ず乾いた雑巾で乾拭きしてください。

ワックス掛けをする際は、必ず塗装されているオイルと同じメーカーのワックスを使用してください。
他メーカーのワックスを使用すると、ムラやシミになることもあるので注意が必要です。
なお、塗り方や塗布量などはメーカーによって異なるので予めよく確認しておきましょう。

無塗装の場合

日常のお手入れは、掃除機を掛けるか乾いた雑巾で乾拭きします。
大掃除の際は隙間のゴミやホコリも爪楊枝などで丁寧に取り除き、固く絞った雑巾で水拭きします。
強くこすりすぎるとささくれが立ってしまうので、丁寧に拭き取ります。仕上げに、汚れが雑巾につかなくなるまでしっかりと乾拭きをします。

無塗装だと汚れやすいので、掃除の際は綺麗な雑巾を使ってください。また汗や液体類を放置するとシミになりますので、すぐに拭き取るなど注意が必要です。
さらに市販のワックスの使用は避けてください。表面がざらついてしまい毛羽立ちや色ムラが生じてしまうことがあります。

無垢フローリングでやってはいけないこと

化学雑巾やモップは使用してはいけない

化学雑巾やモップには様々な薬品が使用されており、黒ズミや色ムラが発生してしまうので使用は避けてください。メーカーによっては無垢フローリングに対応している製品も販売されていますが、長期間放置してしまうと変色してしまうので注意が必要です。

ポリッシャー、スチームクリーナーは使用しない

業務用のポリッシャーやスチームクリーナーのように、水や蒸気によって汚れを落とす掃除器具は使用しないでください。使用しなくても無垢フローリングはワックスを掛けることで汚れにくく艶を保つことができます。汚れが気になる、常に艶を保ちたい場合は、こまめにワックス掛けを行ってください。

ホットカーペットの利用は避ける

無垢フローリングは熱によって反りやひび割れが生じてしまい、毛羽立ちの原因となりますのでホットカーペットの使用は避けてください。
温風ヒーター等の熱風も長時間当てると同じ現象が起こりますので注意してください。
使用する必要がある場合は、長時間使用しない、断熱材をカーペットの下に引く、などの対処が必要です。

こんな時の対処法

毛羽立ちが生じた場合

使用する樹種によって、表面が毛羽立ってしまうことがあります。
サンドペーパーを用いて目立つ毛羽立ちを擦った後、より目の細かいサンドペーパーで研磨仕上げを行ってください。最後に固く絞った雑巾で木粉を拭き取れば完了です。

凹みができてしまった場合

軽度のキズや凹みが生じた場合、水を少し垂らすか水を染み込ませた布などをあて、少し時間を置きます。布の上からスチームアイロンを5~10秒ほど押し当てます。これを2~3回繰り返すことで修復することが可能です。
アイロンを当てる際は、床に直接触れないように注意してください。
なお、ウレタン塗装のフローリングの場合は塗装が剥げ落ちてしまうので、専門の業者に補修を依頼してください。

液体をこぼしてしまった場合

ソースや油などをこぼしてしまった場合は、中性洗剤をぬるま湯に溶かして布に含ませ、よく絞ってから拭ってください。
クレヨン等の油性の汚れは、水で薄めた中性洗剤を含ませ汚れを溶かしてから拭き取ります。
研磨剤の入ったメラミン系スポンジを使用すると、より汚れが落ちやすくなります。
油性ペンは汚れた直後であれば消しゴムで落とせますが、落ちない場合はベンジンを含ませた布で手早く拭き取ります。
いずれの対処方法も、実践する前に目立たない箇所で試し塗りすることをお勧めします。