
リフォームポイント
廊下のない間取りとは
公開日:2015年07月14日
近年、多くみられる間取りとして廊下を設けない間取りがあります。
リビングやキッチン、他の部屋の面積を少しでも多く取りたいということから、ただの通路と考える方が多い廊下は無駄なスペースとして、廊下を省く間取りが増えてきました。しかし廊下という空間は重要な役割も持っています。廊下がないことでのメリットやデメリットを把握した上で、リフォームプランを立てることをおすすめします。
廊下がない間取りのメリット
動線が短くなる
間取り変更を伴うリフォームをする際には真っ先に動線を考えるという人も多いことから、動線は快適な暮らしに欠かせない重要な要素です。廊下があればその分多くの距離を移動する必要があります。キッチンから洗濯場、トイレから風呂場へと家事をしていると特に移動が多いことでしょう。
しかし、廊下がないことで、部屋と部屋を移動する距離も省け、動線が短くなります。同時に家事の効率も良くなると言えます。またその際、将来を考え高齢者などが動きやすい間取りの配置にすると、高齢になってからも暮らしやすい住まいと言えます。
空間を有効的に使うことができる
廊下があれば、その分のスペースが必要になります。しかし、廊下のない間取りではその分の面積を部屋に組み入れることができますので、すべての空間を生活スペースとして有効的に使うことができます。
例えば部屋を分けたい時は、間仕切りで対応することができます。大人数で過ごす時はすべての間仕切りを取っ払って広々と使い、少人数の時は間仕切りで独立したスペースを作って過ごす、というような方法でひとつの空間を必要に応じて有効的に活用できるのです。また間仕切りは目隠しにもなりますので、生活空間を一体化することで見せたくない部分まで見えてしまう、という心配もありません。
風通しや採光が良くなる

廊下とは部屋と部屋との間の通路ですので、壁やドアに囲まれていることが多く、風通しや採光が悪くなりがちです。廊下をなくしてしまえば、壁がないため窓からの光が隅々まで行き届き、住まい全体が明るく、風通しも良くなります。
間仕切りを使い、採光がない部屋があったとしても隣の部屋に大きな窓があれば、その間仕切りを開けることで採光を得ることが出来ます。その際、透過性のある間仕切りを利用すれば、閉めていても明るく広々とした部屋になるでしょう。
廊下がない間取りのデメリット
家族の独立性がなくなる
廊下がない、仕切りがないということは家族全員が1つの大きな空間にいる、というスタイルになります。ドアや壁によって空間が仕切られていないため、家族がそれぞれ独立した部屋を持つことができません。もちろんこれは、小さなお子さんがいる家庭では子供に目が行き届くという利点もあります。しかし家族の生活時間が異なる場合や、友達を呼びたい時などはデメリットにもなります。
においや音の問題
間仕切り代わりの簡単な衝立等でお気に入りの場所を確保することはできても、周囲の物音や臭いを完全にシャットアウトすることはできません。キッチンやリビングからの調理のにおいが2階にまで漂ってきたり、リビングにあるテレビや音楽の音が聞こえてきたり、トイレやお風呂のにおいや音が漏れるといったことも起こります。
冷暖房の効率が悪くなる
廊下がない間取りにすると1つの空間が大きくなりますので、当然それだけ空調に時間やエネルギー、コストがかかります。また断熱性や気密性がそれほど高くない住宅の場合は特に、空気が外へ逃げ、効率が悪くなり、冷暖房をつけていても快適な空間とはならない事があります。対策としては、断熱性や気密性に優れた住まいにする必要があります。