
リフォームポイント
壁紙・クロスの種類と特徴
公開日:2015年07月29日
紙クロス
紙クロスとは、パルプなどを原料とした洋紙にプリントやエンボス加工を施したもののことです。
調湿性や汚れを防止するものなどが多く、水拭きも可能です。また紙は音を吸収し、風を通すため環境にも優しい素材です。
紙クロスの種類としては他にも和紙や非木材紙を用いたものがあります。
和紙壁紙
和紙壁紙は、「こうぞ」や「みつまた」を原料とした日本古来の技法で作られた壁紙です。
表面は繊維質なため独特な風合いをもち、柔らかさやあたたかさを与えてくれるのが特徴です。紙本来がもつ調湿効果はもちろんのこと、表面の繊維が凸凹していることから太陽光や照明を乱反射させ、部屋全体を柔らかい印象にする効果もあります。また、光と同様に音も分散しやすく防音効果も期待されます。
リフォームの際は、既存の壁紙をはがさずに重ね貼りをします。工期の大幅な短縮になるほか、重ね貼りをすることで和紙の風合いや機能性が高まります。
非木材パルプを原料で作られた壁紙
非木材紙を原料とした壁紙で、環境にも優しい素材として近年では注目されています。
炭酸ガスや水質汚染の元となる窒素の吸収に優れているため、環境に役立つ素材と言われています。
布(織物)クロス
布クロスとはレーヨン・絹・麻・綿などを原料とし、織物や編物、不織布などに紙で裏打ちした壁紙のことです。通気性や調湿性に優れており、結露の発生を防いでくれるのが特徴です。
また高級感を出すなら絹、自然の素材感を楽しむなら麻や綿など、選ぶ原料によって仕上がりの雰囲気もさまざまです。柔らかい手触りと重厚感があるのも魅力の壁紙です。
欠点はホコリがつきやすく汚れが落ちにくいため、定期的なメンテナンスが必要になることです。他にも、布クロスは伸縮しやすい特性上、柄を合わせるのに手間と時間を要してしまうため、他の壁紙と比べて価格が高めになります。
しかし、糸をしっかりと縫い合わせて作られているため、多少のことでは破けない丈夫なクロスであることや、日常のお手入れをしていれば、月日が経つと供に生じる劣化も味わい深いものとなります。
ホテルのロビーや美術館、結婚式場などでよく使われ、一般住宅では落ち着きをもたせたい寝室などに用いると良いでしょう。
リフォームで布クロスを張替える際は、継目をしっかりとあわせないと目立ってしまうので、自分では行わず専門の業者などに頼むことをおすすめします。
ビニールクロス

ビニールクロスとは、塩化ビニール樹脂などを主原料に作られ、紙などの裏打ちが施されている壁紙のことです。表面の加工方法によって仕上がりが異なり、色やデザインなどのバリエーションにも富んでいます。
防カビや消臭、防火などさまざまな機能がついた商品があるのも特徴です。
汚れが付着しにくいのも魅力で、洗剤を使用しての拭き掃除も可能なのでメンテナンスも簡単です。
ビニールクロスの種類
エンボス無地系壁紙 | 無地系の壁紙で、表面に凸凹のエンボス加工を施すことで、石目や織物、天井柄などの質感を表現しています。 |
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プリント・エンボス壁紙 | エンボス加工が施された上に、織物や花柄など様々な模様をプリントした壁紙です。多種多様なデザインのプリントが可能なので、最も種類が豊富です。 |
シルクスクリーン壁紙 | 大きな模様や柄などをシルクスクリーンという技法を用いて印刷した壁紙で、別名ハンドプリントと呼ばれています。 |
発泡壁紙 | ビニールの表面に発泡剤を混ぜ込み、加熱することで立体感を表現した壁紙です。最後にエンボスやプリントを施して仕上げます。 |
ワイピング壁紙 | エンボス加工によりできた凹みに印刷インクを流し込んだ後、拭き取ることで凸との陰影が生じて立体感を表現した壁紙です。 |
反射柄壁紙 | 金糸や絹のような質感のもの、金属のような光沢を表現したものなどがあり、個性的な壁紙に仕上がります。 |
その他
オレフィン壁紙
オレフィンは合成樹脂を原料とした紙のことです。オレフィンは非塩ビとも呼ばれる素材で、燃やしてもほとんど有毒ガスが発生することがなく自然にも人間にも優しい素材です。
合成樹脂の特徴から汚れが付きにくく、水にも強いため掃除のしやすさがメリットです。また表面に強度があるため、キズにも強くごしごし擦ることもできます。ただし他の壁紙と比べ素材が薄く、下地の状態が表面に現れやすいことから、凸凹のない下地処理が必要になります。
木質系壁紙
木質系壁紙は、主に木材を使用した銘木シート壁紙と、コルクを使用したコルクシート壁紙の2種類があります。
木材を使用した銘木シートは、木材を薄くスライスし、紙やアルミなどを裏打ちした壁紙のことです。天然木の風合いやぬくもりを感じられる落ち着いた部屋づくりをすることができるのが特徴です。
コルクシート壁紙は、コルクを薄くスライスして、紙と裏打ちした壁紙です。コルクがもつ弾力や質感を味わう事ができます。
どちらも比較的高価なため、インテリアの一部として用いられるケースが多いです。
無機質壁紙
無機質壁紙とは自然素材を使った壁紙のことをいいます。
素材には石や、金属やガラス繊維、セラミックなどがあります。無機質素材は燃えにくいという特性から防火性に優れている他、調湿性もあることから結露やカビが発生しにくい素材でもあります。
また他にも自然素材を使った壁紙として、漆喰や珪藻土壁紙があります。紙をベースに珪藻土などをコーティング加工したものです。調湿機能はもちろん、耐久性や防火性をもっています。
ビニールクロスと比べて薄く、つなぎ目も分かりやすいためリフォームの際は、下地処理が必要になることがあります。